9月2日(水) 2009 J2リーグ戦 第37節
湘南 1 - 1 栃木 (19:03/平塚/3,856人)
得点者:18' アジエル(湘南)、75' 河原和寿(栃木)
スカパー!再放送 Ch185 9/4(金)08:00〜(解説:三浦泰年、実況:関根信宏、リポーター:児玉美保)
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前節の福岡戦後、「順応するのにすこし時間がかかったが」と、反町康治監督は振り返っている。比べて今節の湘南の立ち上がりは感触がいい。出場停止の解けたアジエルが1タッチないし2タッチというシンプルなパスワークでリズムをつくり、周りもまた連動してスピードに乗っていく。5分には自陣で奪い、そのアジエルや臼井幸平、リンコン、坂本紘司らが右サイドで組み立て、最後は寺川能人がミドルを撃ちこんだ。ボールを失っても寄せが速く厳しい。相手に容易には運ばせない。先制ゴールは前に向かうそうした活力から生まれたものだ。
18分、相手陣内で坂本が奪うと、受けたリンコンがタメをつくり、左サイドを駆け上がった阿部吉朗に捌く。阿部のクロスはDFがクリアするも、坂本がランでスペースをつくるなかで、こぼれ球を拾ったアジエルが左足を鮮やかに振りぬいた。「試合に出られないのはやはり悔しい。チームに迷惑をかけた分、いままで以上にダッシュしてゴールを決めたい」戦前そう話していたアジエルの、言葉通りのゴールだった。
一方の栃木も、先制こそ許したものの、河原和寿を起点にカウンターに鋭さを見せていた。スコアが動き、中盤の攻防が激しさを増していくなかで、次第に彼らが流れを引き寄せていく。崔根植がターゲットとなり、鴨志田誉のオーバーラップや向慎一が絞るなどして相手DFの前のスペースを突いた。対する反町監督の対応も素早い。すかさずダブルボランチにし、くわえて右に回った阿部が高く張り出したサイドバックの入江利和に付く。かたちとしてはアジエルをトップに上げた4−4−2である。それでも栃木は、湘南のファウルが増えたことも手伝って攻撃の手を緩めない。44分には引いたDFラインの前に躍り出た本橋卓巳のミドルがポストを叩き、はね返りを河原がダイレクトで狙った。が、しかしこれはGK野澤洋輔が見事な反応でコーナーキックに逃れている。
「難しい入り方になってしまったが、どこかで必ず追いつける試合展開だとも思っていた」と、栃木の松田浩監督が振り返る。かたや反町監督は言う。「点を取るまでは我々の目指しているサッカーだったが、取ったあとはすっかり寝てしまった」。
栃木が追いつくべく勢いに乗るなかで、湘南も後半システムを戻し、ふたたびリズムよくゴールに向かっていく。しかし悔やまれるのは、オフサイドに絡み取られるなどして攻撃がフィニッシュまで至っていないことだ。逆に栃木は次第にクサビに厳しく寄せ、アタッキングゾーンまで容易に運ばせず、攻撃はシュートで終えている。そして75分、スコアが動く。押し込み、ブロックされてもなおボールを拾う栃木は、途中出場の石舘靖樹を経由して河原がワンツーで左裏へと抜け出す。湘南もなかを堅く締めていたが、河原は切り返し、限られた角度にも思い切り右足を振りぬいたのだった。
同点とされ、さらに湘南はこの日も攻から守への切り替えを支えていた田村雄三が2枚目のイエローカードで退場となる。それでも途中出場の猪狩佑貴が持ち前のドリブル突破で活力を与え、あるいはジャーンや島村毅が前線に絡むなどして2点目を目指した。だが最後のコーナーキック、島村の意地のヘッドも栃木のディフェンスにゴールライン際で阻まれ、長い笛が響くのである。
試合後の両監督の表情はいずれも渋い。互いに隙を突き、そして突かれた。第3クールの難しい戦いを演出する要素はさまざまだが、ひとつには下位にあるチームの成熟が挙げられよう。シーズンの出足に勝点を伸ばせなかったために下位に甘んじてはいるものの、3巡目ともなれば逞しさは増す。ホーム&アウェイでは終わらないJ2のほんとうの怖さといえるかもしれない。裏を返せば、「取りこぼし」という表現はもはや適さず、相手に惑わされぬ強度を備えた者だけが頂上に到達する。そして、湘南にはそれができるはずだ。前節の福岡戦で挙げた1−0の勝利が示すように、難しい戦いをも登りきるだけの頑強なザイルを備えているのだから。難しくもなお勝点1を掴んだ両者の次節に、期待したい。
以上
2009.09.03 Reported by 隈元大吾
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