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【J2:第37節 熊本 vs 岐阜】レポート:勝負どころを逃さなかった岐阜が、第2クールと正反対のスコアで雪辱。熊本は先制するも、守備が崩壊して泥沼の5連敗。(09.09.03)

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9月2日(水) 2009 J2リーグ戦 第37節
熊本 2 - 5 岐阜 (19:03/熊本/2,337人)
得点者:2' 西弘則(熊本)、7' 嶋田正吾(岐阜)、29' 冨成慎司(岐阜)、37' 西川優大(岐阜)、65' 佐藤洸一(岐阜)、67' 佐藤洸一(岐阜)、89' 西森正明(熊本)
スカパー!再放送 Ch183 9/3(木)20:00〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:風戸直子)
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 KKウィングのメインスタンドにいると、バックスタンドの上の方に、きれいな月が見えていた。2点リードされた前半が終わった時には雲に隠れていたけれど、後半が始まる時にはまた顔を出していたから、これで5試合ぶりの勝利につながれば、「月が顔を出したのと同じように、チームにかかっていた雲も晴れたかもしれない」とかなんとかいう感じでレポートをまとめよう…、などと考えていたが、そんなにうまくは運ばなかった。折り返し時点での2点差を一時は4点差まで離されて、最後に1点加えたが屈辱の2−5。今シーズンの最多失点で、クラブ史上ワーストの5連敗。まだ出口は見えない。

 それでも立ち上がりは、選手たちの気持ちも十分伝わって来た。試合は岐阜のキックオフで始まった。開始35秒、いつもよりサイドに張った事でより中が広く見えるようになっていた山本翔平のクロスに西森正明が飛び込んだがオフサイド。その後も、「立ち上がりは背後を狙えと言われていた」という山内祐一と西森のU-170cmのコンビが裏を狙って飛び出し、その動き出しに合わせたロングボールを送るという意図が見える。そして2分、山本から藤田俊哉、市村篤司と右サイドで作って、市村はファーサイドへクロス。「前線には高さがないから無理だ」と思ったが、そこへ入って来た西弘則の頭にドンピシャで合った。

 約1ヶ月前に勝った愛媛戦以来、5試合ぶりの先制点にスタンドも湧いた。だが優位に立てたのは、それからわずか5分間。中盤でも球際に強く行っていたから「今日は大丈夫」とも思えたが、岐阜はこちらのミスを見逃さなかった。7分、ハーフウェイライン付近でのフリーキック。ボールの軌道が目に入るのと合わせて「あ、嶋田正吾がフリーになっている」と記者席から見て気づいた矢先、西川優大が競って落としたボールが、その嶋田へ。ボールの動きに合わせて体の向きを変えながらコントロールした嶋田は、ブロックに来たチョ・ソンジンをかわして落ち着いて左足で決めた。

 それでもまだ、ボールは支配していたし、押し気味に進めていたのは熊本だった。しかし2点目を奪えないうちに、次第に流れは岐阜へと傾いて行く。29分、佐藤洸一からのボールを受けた高木和正がペナルティエリア内で溜めて、外側のスペースに流すと、上がって来た冨成慎司が突き刺し逆転。さらに37分には、自陣からドリブルで持ち込んだ橋本卓が右へ開いて、今度は西川が決めて岐阜がさらにリードを広げた。

 後半に入ると熊本は両サイドバックを替え、高い位置に張らせて点を取りに出る。だが49分に2回、50分、62分と迎えた決定的なチャンスを決められなかった辺りから、岐阜の早い切り替えに対して対応できない場面が目立ち始めて、ゲーム自体がタテに早いばたばたした展開になってくる。65分、前がかりになっていた所をミスで奪われ、高木、橋本とつながれて、最後は佐藤に致命的な追加点を許す。そして67分にもミスをきっかけにゴール前まで運ばれ、高木のシュートのこぼれ球を、詰めていた佐藤に再び決められた。その後、熊本は今季初出場となる喜名哲裕を投入。終盤に西森が意地を見せて思い切った左足のミドルで1点を返したが、あと4点取って逆転する時間も、力もなかった。

 岐阜は前節逆転負けした悔しさと、第2クールでの雪辱を晴らす快勝。出場停止から戻った佐藤が存在感を示して2得点、西川も2得点に絡んだ他、高木、嶋田、橋本ら、中盤から前が流動的に動き、勝負どころと熊本のミスを逃さずに効率的な攻めを展開。松永英機監督も話した通り、立ち上がりと終盤の失点は余計だったが、次節の湘南戦(9/6@長良川)にも自信を持って臨める大きな勝点3を得た。

 一方の熊本だが…、毎度の事ながら、やられ方があまりにもイージーに過ぎた。失点場面を振り返れば、人数は揃っているにも関わらず、入ってくる選手をフリーにしているし、ボールを持っている選手に対しても寄せていないし、シュートもフリーで打たせてしまっている。どこで止めるのかハッキリしていないからこういうことになっていると思うが、そうであれば、声を出し合って確認する必要がある。

 画面に映っていないところではそういう場面もあったと思いたいが、ダイジェストの映像を見て違和感を覚えたのは、失点の後に声をかけ合うとか、要求を言い合うといった場面が全くなかったこと。だが守備に限らず、攻撃に関しても切り替えの遅さも目立ったし、固められた中央に突っかけて取られたり、動かしてもいいところで無理やりシュートを狙ったりする場面もあって、11人の中でのズレも感じられた。

 どこをどうするという以前に、熊本は今、チームとしての体を為していない。3日の練習は急遽オフになったが、体を休めるだけでなく、それぞれが、ゲームで、練習で、何をすべきなのか考え直さなければ、試合を重ねても同じ事を繰り返すだけだ。

以上

2009.09.03 Reported by 井芹貴志
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