9月2日（水） 2009 ヤマザキナビスコカップ
川崎Ｆ 2 - 0 横浜FM　（19:00／等々力／11,850人）
得点者：15' 鄭大世（川崎Ｆ）、57' ジュニーニョ（川崎Ｆ）
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ゴールは遠かった――。横浜Ｆ・マリノスは、敵地で川崎フロンターレの倍以上となる24本のシュートを浴びせたが、ネットを1度も揺らすことなく、準決勝・第1戦で敗れた。

横浜FMのスタメンに目を向けると、まず中澤佑二の代役として松田直樹がセンターバックを務める。ボランチは3枚。河合竜二をアンカーに据え、兵藤慎剛と小椋祥平が脇を固めた。攻撃陣は1トップの位置に渡邉千真が入り、右に山瀬功治、左に坂田大輔が並んだ。

「準々決勝の第１戦(対ガンバ大阪) 同様、守ってカウンターを狙う形でスタートした」(木村浩吉監督)横浜FM。しかし、予想外のことが起きた。川崎Ｆは本来の攻撃的なスタイルではなく、トリプルボランチを軸として慎重に構え、なかなか前に出てこない。
そのため横浜FMが攻勢に出て、川崎Ｆが逆襲を狙うという構図となる。横浜FMは右サイドからクロスを何度も上げることに成功するも、精度を欠いて好機には至らない。そして15分。一瞬の隙を突かれ、鄭大世に先制点を許す。

その後、川崎Ｆの攻めの時間が続いたが、25分を過ぎると再び横浜FMペースに。29分には小椋のロングフィードから田中裕介が合わせたが、相手GK杉山力裕が至近距離のシュートを弾く。31分の兵藤のシャープなミドルと、43分に河合が放ったゴール隅を突くロングシュートも、杉山のダイブに防がれる。横浜FMはシュートこそ打てるが、どちらかと言えば「ボールを持たされている」(坂田)という印象を残し、前半を終えた。

後半に入っても横浜FMは押し続ける。河合も積極的に攻撃参加し、50分には左サイドを突破。クロスを送り、最後は渡邉がシュートするも、相手DFがブロック。54分には最終ラインの松田がゴール前に飛び出し、後方からの浮き球のパスをダイレクトで合わせたが枠外へ。その3分後、ジュニーニョに追加点を決められる。

何とかアウェイゴールを奪いたい横浜FMは、61分に長谷川アーリアジャスール、狩野健太を同時に投入。さらに69分、坂田を下げて、金根煥を前線へ送り出す。それに対し、川崎Ｆはボランチの寺田周平をDF中央に下げ、5バックにシフトチェンジ。より守備の意識を高める。
時間が刻々と過ぎていくと、横浜FMはパワープレーを敢行。84分の金根煥のヘディングシュート、89分の狩野の弾丸ミドルなど、好機は何度も訪れた。しかしながら無念のタイムアップ。これで横浜FMは次戦、2得点以上を決めなければいけなくなった。

「チャンスを決められないのが課題」
試合後、多くの横浜FMの選手から同じ趣旨のコメントを聞いた。少ないチャンスをものにした川崎Ｆに、決定力の差を見せつけられたと言えるだろう。だが、あくまでも第1戦を終えただけでもある。2点差なら、第2戦で先取点を奪えれば、逆転の目は十分に出てくる。そういう意味では、78分にGK飯倉大樹が鄭大世との1対1の場面でシュートを止めたビッグセーブは、チームを救うものだった。3失点目を阻止した彼の好プレーを無駄にしないためにも、横浜FMは第2戦で総攻撃を仕掛け、川崎Ｆの守備をぶち破りたい。

以上

2009.09.03 Reported by 小林智明（インサイド）