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【ヤマザキナビスコカップ 清水 vs F東京】F東京側レポート:清水に反撃を許したF東京がはまった2つ目の落とし穴(09.09.03)

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9月2日(水) 2009 ヤマザキナビスコカップ
清水 2 - 2 F東京 (19:00/アウスタ/10,026人)
得点者:33' 米本拓司(F東京)、34' ヨンセン(清水)、42' カボレ(F東京)、69' 枝村匠馬(清水)
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勝てた試合だったのだろうか――F東京は、清水とヤマザキナビスコカップ準決勝第一戦を戦い2−2で引き分けた。敵地アウトソーシングスタジアム日本平で2点を奪ってのドロー決着は、ポジティヴにとらえるべき結果だ。だが、1点リードで迎えた後半開始早々に清水は退場者を出している。その相手に同点ゴールを奪われ、最後は押し込まれてしまった。

試合直後、城福浩監督は苦い顔をしていた。「物凄く頑張って冷静になって考えれば、この結果は収穫だと思いますが、今の心境では収穫という単語は使えない」。F東京はなぜ同点に追いつかれてしまったのだろうか。このゲームには2つの落とし穴があった。1つ目はカボレの個人技とチームの頑張りで見事にリカバーしたが、2つ目の穴を埋め切れなかった。それは、チームが抱えてきた残り20分間の壁に起因している。

試合は、F東京がルーキーの一振りで均衡を破った。MF米本拓司のリーグ第24節大分戦に続く公式戦2試合連続ミドル弾で先制点を挙げた。前半33分、右サイドを抜け出たMF石川直宏がセンタリングを上げるが、相手DFに当たってボールがこぼれる。このこぼれ球を待っていた米本が、右足を振りぬいてゴールネットにボールを突き刺した。「小平で一番シュート練習をしている選手」(城福監督)が、練習の成果を見せた。それだけでチームを勢いづかせるにはこれ以上ない得点だった。だが、その直後の34分に、相手CKからヨンセンに同点ゴールを許してしまう。これが1つ目の落とし穴だった。だが、守備が踏ん張り1−1のスコアで推移させると、42分、カボレが右サイドのペナルティーエリア角からボックス内へと侵入して、左足トゥキックで清水を突き放すゴールを挙げる。清水に傾きかけた試合の流れを食い止めて後半へとゲームは折り返した。

1点リードで迎えた、後半開始早々に清水DF岩下敬輔が退場処分でピッチを去ると、F東京は数的優位のアドバンテージを活かしてゲームを決める3点目を奪いにいった。城福監督も、試合の潮目を見て動く。66分、チーム全体のバランスを取る役目を果たしていたMF羽生直剛に代えて、復調してきた大竹洋平をピッチへと送り出す。ここでF東京が、ボールをキープしてゲームの主導権を握るかに思えた。

「中盤まではボールを運べていたのに、最後のところの判断で、フリーで繋げるのにシュートを打ってしまったり、縦に急ぎすぎて相手を引き出したりすることが少なかった」(城福監督)
2つ目の落とし穴はここに潜んでいた。ボールを持っても崩しきれず、徐々に焦りが見え始める。そして69分、中央でヨンセンにタメを作られ、走り込んだMF枝村匠馬に同点ゴールを決められてしまう。枝村は、前半からヨンセンから落ちてくるセカンドボールを何度も狙い続けていた。その積み重ねが、F東京の守備をこじ開けた。これで焦りは増幅し、F東京はミスを連発。清水を勢いづかせて最後は押し込まれてしまった。交代カードを次々と切って流れを引き戻そうとしたが、2つ目の落とし穴にはまったF東京は展開が目まぐるしく変わっていったラスト20分間で勝利を逃してしまった。

今シーズン、バックアップメンバーの強化は何度も指揮官が口にしてきた課題の1つだ。ただ、これは途中交代で入る選手だけの責任ではない。例えば、代わって入った大竹に羽生の役目を全て負わせるのは酷な話だ。一人の選手が外れた場合、それをチームとしてカバーして新たに入る選手の特長を活かすという視点もあるはずだ。羽生が外れたことで中にいた選手も、それまでの役割を一度リセットして次に自分が負うべき負担やポジショニングを再認識すべきだったのかもしれない。

ホーム味の素スタジアムで行われる第二戦は1−1で引き分けても決勝進出が決まるが、誰もが「まず勝つことを目指す」と口にした。F東京の選手たちは、勝ったほうが次に進むという分かりやすい図式を思い描いていた。試合後、平常心を貫く男が笑顔で彼らしい言葉を残した。
「僕たちにとっても、こういう状況のほうがよかったのかもしれない」(石川直宏)
気負いも、気の緩みもない。日曜日は勝って5年ぶりにあの舞台への切符を掴み取る。

以上


2009.09.03 Reported by 馬場康平
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