9月2日(水) 2009 J2リーグ戦 第37節
札幌 1 - 1 水戸 (19:03/札幌厚別/7,042人)
得点者:51' 西大伍(札幌)、63' 吉原宏太(水戸)
スカパー!再放送 Ch185 9/3(木)15:00〜(解説:平川弘、実況:永井公彦、プレーヤー解説:大森健作、リポーター:藤井孝太郎)
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ともに上位進出を目指す5位・水戸と7位・札幌との対戦。残り試合を考えるとどちらも簡単に落とせる試合はなく、ガチガチの膠着した展開になる可能性も充分あった。だが、試合が始まってみると立ち上がりから札幌が一方的にゲームを支配する展開となる。
札幌の攻撃はスピーディなパス回しをベースとしたサイド攻撃が中心。右サイドは現役高校生の古田寛幸がインサイドへカットインをして、そうして生まれたスペースに右サイドバックの西嶋弘之が勢い良く飛び込む。逆サイドに目を向けると、リーグ屈指のサイドアタッカーである藤田征也が縦へと仕掛け、そこで手詰まりになるとその後方に控えるサイドバックの上里一将にボールを戻し、この選手のキック力を活かしてダイナミックに逆サイドへと展開。セカンドボールやこぼれ球については、水戸の木山隆之監督が「ダニルソンの力はすごい」と舌を巻いたように、幅広いエリアをカバーするアンカーのダニルソンが徹底して拾い続ける。そうして前半は札幌が完全に支配しているように見えた。水戸の右サイドバック、下田光平も「相手のプレスが早く、長いボールを蹴ってしまった」と振り返る。
だが、試合後にミックスゾーンで取材をしてみると、意外なコメントが聞こえてきた。札幌のセンターバックの1人、石川直樹が前半を「押し込まれている感じがあった」と言うのだ。ボール支配は間違いなく札幌が上回っていた。だが、現実としては最終ラインには負担が掛かっていたということになる。
その理由はやはり、水戸の長身FW高崎寛之の存在だろう。前出の下田のコメント通り、水戸は札幌のプレスの前にロングボールを蹴らざるを得なくなっていた。このボールに対して札幌はアンカーのダニルソンが応対できていれば良かったのだが、彼は幅広くスペースをケアしていたため、中央にポジションを取る時間帯は多くない。そしてボールは支配できていたため札幌の左右サイドバックは比較的高い位置まで進出できていた。そのため、趙晟桓と石川で組むセンターバックは、荒田智之と高崎が組む水戸の2トップと2人対2人の局面になる時間帯が多くなってしまったのだ。
言うまでもなく、守備の鉄則は数的優位。相手が2人で攻めてきたならば守備側は少なくとも3人が応対しなければならないのだが、この試合では2人対2人の場面が多すぎた。そしてそこへ入ってくるロングボールに対して札幌が完璧に跳ね返すことができれば良いのだが、身長188センチの高崎を空中戦でシャットアウトし続けるのは容易ではない。チーム全体としては押し込んでいた札幌だが、センターバックの石川が「押し込まれている」と感じたのには、そういった背景があったのだろう。
試合結果は木山監督が「妥当」と表現した1−1のスコアのドローゲーム。上位進出を目指す両チームにとっては勝点3が欲しかったところだろうが、求めたものが簡単に得られないのがサッカーの面白いところ。ツートップに目がけてシンプルにロングボールを蹴った水戸。そして高い位置からのハードプレスで主導権を奪った札幌。その対照的な戦い方のチーム同士のバトルは非常に見応えがあった。その意味では、戦った当事者同士は痛み分けとなったかもしれないが、第3者としてそのせめぎ合いを見させてもらった我々こそが勝点3を得たような気分になる。札幌も水戸も、得た勝点は1ずつではあるが、スタジアムに足を運んだ人間を楽しませたという意味では、勝点3に匹敵する試合をしたと評したい。特に札幌FW陣は、そのまま倒れていればPKを得られたような場面でも粘り強く足を踏み込んでプレーを続けた場面が2度ほどあった。記録には決して残らないプレーだが、その心意気に心を揺さぶられたサッカーファンはきっといたはずだ。そうしたプレーは必ずしも報われない。でも、それでいいと思う。
以上
2009.09.03 Reported by 斉藤宏則
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