9月2日(水) 2009 J2リーグ戦 第37節
岡山 2 - 2 福岡 (19:03/岡山/4,393人)
得点者:58' 青木孝太(岡山)、63' 妹尾隆佑(岡山)、68' 城後寿(福岡)、87' 田中佑昌(福岡)
スカパー!再放送 Ch181 9/3(木)20:00〜(解説:前川和也、実況:川崎祐一、リポーター:守口香織)
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記者席にいると、後半開始後まもなく、両チーム監督のハーフタイムコメントが配られるのだが、岡山・手塚聡監督のコメントは毎回、それほど大きくは変わらない。この日、動きの少ない前半を終えて、今日のコメントは「攻守の切り替えを早く。運動量で負けないこと…」のパターンかな、と覗き込むと、そこには思いがけず熱い言葉があった。「残り45分間は自分との戦い。積み重ねたものに恥じないパフォーマンスを発揮すること」。今日は何か違う! そんな予感と共に後半は始まり、ゲームは2度3度とターニングポイントを迎えたのだが、まずはその伏線となった前半である。
前半は「ボールが動かず、テンポが遅いゲームをしてしまった」(福岡・篠田善之監督)。「お互いに動きがなく、ミスが多かった」(手塚監督)。岡山で気になったのは、1トップに入った三木良太。足の調子が心配されていた彼の存在感は薄く、それをフォローするトップ下・保坂一成の運動量が目立った。福岡で気になったのは、つないでゴール前に攻め上がる時の回りくどさ。手数を掛ける時と、シンプルに行く時の緩急があると怖かっただろうが、このゲームでは、流麗なパス回しが徐々に崩れ、岡山にボールを奪われるシーンが目に付いた。
スコアレスのまま後半に入ると、岡山は三木に代えて、武田英明を投入。武田の軽快な動きに加えて、サイドバック野田紘史、4試合ぶりにスタメン出場を果たしたサイドハーフ妹尾隆佑のいる左サイドで、噴火前の微動のような前兆が起こり始める。ペナルティーエリアに持ち込まれたボールは、3人目、4人目と攻撃に加わり、理想的な形が見られ始めたところで、第1のターニングポイントである、青木孝太と、続く5分後の妹尾のゴールを迎えた。青木のゴールは、「触るだけだった」という、左足ではなく右足のゴール。妹尾のゴールは、喜山康平のシュートがはじかれ、それを拾った保坂からのパスを受けて放ったゴール。狭いエリア、波状攻撃と、岡山の成長を感じさせるシーンだった。
第2のターニングポイントは、福岡・城後寿、黒部光昭の投入(59分)。「入ってすぐ0−2になったけど、チームが切れずに、僕自身も何とかしようという気持ちでやれた」という黒部は、68分、城後のゴールをアシスト。1失点後の2人の投入について、篠田監督は、失点に関わらず最初から代えるプランだったと語った。その采配が大当たりした。87分の田中佑昌のオーバーヘッドゴールにも黒部は絡んだ。
第3のターニングポイントは、その87分の失点。セットプレーからの失点は前節・水戸戦でもあった。今回は保坂に代えて、DF木村允彦を入れた直後の失点で、逃げ切りの形をとるはずが、機能しなかった。こうしてゲームは、岡山にとっては敗戦に等しい2-2という結末を迎える。
手塚監督が試合後に漏らした「リーダー不在」という言葉は、「誰か」が足りなかったのではなく、今日は気持ちをひとつにする「何か」が欠けていたという意味だろうと察する。逆に、福岡にはそれがあった。そのひとつは、「今日は六反(勇治)がJリーグ初出場だったので、何とかしようという気持ちでプレーした」(黒部)ことだ。
以上
2009.09.03 Reported by 尾原千明
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