9月2日(水) 2009 J2リーグ戦 第37節
徳島 1 - 1 草津 (19:04/鳴門大塚/1,842人)
得点者:27' 都倉賢(草津)、81' 徳重隆明(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 9/3(木)17:30〜(解説:田淵龍二、実況:三宅きみひと、リポーター:藤原美佳)
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74分、徳重隆明の蹴った右CKに草津GK・本田征治が飛び出しゴールマウスを空けると、ペナルティスポット付近へこぼれたボールを徳島の選手たちがプッシュ、プッシュ、プッシュ。3度にもわたって押し込もうとした。しかし、その全てがことごとくカバーに入った草津守備陣に跳ね返され、結局ゴールラインへと逃げられる─。その時はさすがに「あれでも入らないなんて…。今日もまた0-1なのか…」という嫌な雰囲気がスタジアムに流れた。
ただ、この一戦での徳島は前節までの3戦とは異なる姿を見せる。そうしたビッグチャンスを逃しても気持ちを落とすことなく強い意志でゴールを目指し続け、ついに81分には誰もが待ちわびた瞬間を現実のものとした。4試合ぶりのゴール奪取。
ゲームは前半から、前への意識を見せる徳島が主導権を握る。2トップの羽地登志晃、佐藤晃大が積極的な動き出しによって早いタイミングで縦のボールを引き出せば、両サイドMFの六車拓也、挽地祐哉も非常に高いポジション取りで前線参加。タッチライン際のイニシアチブを取ってチームの攻撃を支えた。またこの一戦での徳島はフィニッシュへの意欲をハッキリと示す。8分に六車がカットインから枠を捉える強烈なミドルシュートを放ったが、選手たちのゴールを渇望する想いが序盤からひしひしと伝わってきたと言えよう。
加えて守備面でも徳島は前に出る姿勢を崩さない。草津DFラインのボール回しに対して2トップはもちろんのこと、それに連動する形でボランチの青山隼もが果敢にアタックを仕掛け、チームとして高い位置でボールを奪う狙いを遂行した。そして実際、そのプレスは大きな効果を発揮。徳島はいいボールの奪い方が出来ただけでなく、草津自慢のパスワークを出させない状況を作っていたと言える。
ただ、27分に奪われた先制点は徳島にとって大きな失態。後方より単純に蹴り出されて来た長いFKを都倉賢と後藤涼のたった2人に繋がれて決められたのだから猛省が必要となろう。確かにその草津の2トップの連係と技術は上手かったが、倍以上の人数を揃えていながら、そこをすり抜けられてはやはり守り方がまずかったと言わざるを得ない。
とは言え迎えた後半、ハーフタイムに「もっと気持ちを込めろ!」と美濃部直彦監督からゲキを再注入されたチームは、背負ったビハインドを跳ね返すべく気持ちを切り替えていっそうの集中とハードワークを披露する。右サイドの挽地は前半にも増して果敢に深い位置まで侵入し、倉貫一毅も運動量を上げてそれまで以上にボールへ絡み、何とか草津の守備ブロックをこじ開けようと懸命にピッチを駆けた。さらに徳島は指揮官の采配によっても勢いを増す。投入された徳重と石田祐樹がやや疲れの見え始めていた前線を再び活性化させたのだ。
すると、冒頭の場面を経て待望の得点が生まれる。左サイドでスローインを入れた六車がもう一度もらい直してすかさずクロスを入れると、大奥で待ち構えた徳重が冷静なサイドキックで合わせてネットを揺らした。4試合ぶりの得点、起死回生の同点弾にホームスタジアムが揺れたことは言うまでもないだろう。
と、ここで、この徳重のゴールについて少し付け加えておきたい。記者席からかろうじて確認できたほど小さく一瞬の動きではあったが、彼はボールが向かってくる間にひとつのフェイクモーションを入れていた。それはクロスの高さを考え、マークについていた草津DF小池純輝にかぶらせるためのウソの一歩。自分が前へ入り込むと見せて小池にも同じ一歩を踏ませたのである。結果ボールは狙い通り、遅れて踏み出し、足に体重を乗せた小池の頭上を通過。徳重はプレッシャーを受けることなく落ち着いてフィニッシュに至った。まさにベテランの技。
こうして久々のゴールを挙げて連敗を止めた徳島。ドローながら「選手は最後までしっかりやってくれたし、追いついてからも勝ち越そうという姿勢を見せてくれた。そういう意味では結果は引き分けでしたが価値のある引き分けだったと思う」という美濃部監督の言葉通り、この一戦は特にメンタル面で評価していい戦いであったと言えるだろう。しかしながら内容的にもこれだけ圧倒したなら正直やはり勝利が欲しかった。それだけに「技術的なところであったり判断であったりシュートやクロスの精度をもっと高めたら可能性も広がってくると思う」と続けた指揮官のもと、チームにはまだまだレベルアップが求められる。
対して自分たちのサッカーをほとんどさせてもらえなかった草津だが、こちらも精神的な部分については悪い戦いでなかったと言えよう。前節大敗(札幌に2−5)した悔しさを個々が粘り強い守備の力に変えて辛抱強く闘えた部分は間違いなく収穫と呼べるはず。だが、組織的な守りに関して課題が修正出来たかと言えば疑問が残る。今節も結果を出した2トップを含め攻撃面では本来強力なパワーをもっているのだから、チームとして一刻も早く安定した守りを確立させたいところだ。
以上
2009.09.03 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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