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【J1:第23節 川崎F vs 山形】レポート:序盤に得点を重ねた川崎Fが快勝。山形にとっては悔いの残る敗戦となる。(09.08.24)

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8月23日(日) 2009 J1リーグ戦 第23節
川崎F 2 - 0 山形 (19:03/等々力/17,341人)
得点者:18' 谷口博之(川崎F)、23' 田坂祐介(川崎F)
スカパー!再放送 Ch181 8/25(火)05:00〜(解説:川勝良一、実況:野村明弘、リポーター:高木聖佳)
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 手痛い敗戦を喫した磐田戦の反省もあり、試合前の関塚隆監督は「受けて立つつもりはありません」と積極的な試合運びを明言していた。もちろんその思いは選手も共有しており、たとえば山形の攻撃を90分間に渡り沈黙させた菊地光将は「磐田戦は前半が悪かったので、立ち上がりはしっかりやろうと思っていました」と振り返っている。

 主導権を取りたくてもサッカーは相手がいるスポーツである。そう思い通りには行かないものだが、この日の川崎Fはそれを現実のものとしていた。立ち上がりから山形を圧倒し、主導権を握る事に成功する。「立ち上がりの20分を集中し乗り切る事」をテーマにしていたという小林伸二監督は、川崎Fについて「(山形の選手が)周りが見えていないと判断されると、やっぱりプレスがかかってきていた」とし、守備意識の高さに脱帽するしかなった。川崎Fの中盤の4選手のバランスはディフェンス面で高いレベルにあり、結果的に山形は中盤でのパスワークを断念し、ロングボールを多用する事となった。

 この日の山形はターゲットマンの長谷川悠とスペースを狙う北村知隆をセットにした2トップで試合に入っており、そういう意味では自陣からのロングボールに対しての備えはできていたといえる。ただ、川崎Fの守備陣もそうした山形の狙いをほぼ完璧に封じ込めており、蹴らせてマイボールにするという流れが出来ていた。

 最終ラインが競ったボールはほぼオートマチックにボランチへ。そしてこの日の川崎Fを動かしていたのが、このポジションで先発した中村憲剛だった。今季からサイドハーフやトップ下での起用が多かった中村がこの日は慣れ親しんできたボランチのポジションで先発しており、盟友とも言える谷口博之とのコンビでピッチに君臨する事となる。

 先制点はその中村によってもたらされる。前半18分にピッチ中央付近で得たFKの場面。「結構ジュニーニョに出しているボールでした」とゴールシーンを語るのは谷口。「ああいうパスは(中村)ケンゴさんは狙っている」と話す谷口とキッカーの中村とが瞬間的に意識をシンクロさせる。絶妙なタイミングでラインの裏に飛び出した谷口の動き出しに中村がパスで答え、一発のパスでGKとの1対1に。谷口はFKのボールをダイレクトシュートでゴールに流し込んだ。

 目標としていた立ち上がりの20分間を無失点でしのげなかった山形は気落ちしたのか、直後の23分にも失点。ジュニーニョからのファークロスを山岸智が頭で落とし、これに田坂祐介が合わせる。「山岸さんがいいボールを出してくれました。蹴るだけでした」と語る田坂のゴールが決まり、川崎Fが前半で2点のリードを奪う事となった。

 山形は36分に「イージーミスが多かった」(小林監督)という秋葉勝に代えてセンターバックの園田拓也を投入。ボランチに宮本卓也を上げて中盤を安定させようと試みる。川崎Fはその後も試合を支配し続けたが、結果的に3点目を奪うことができておらず小林監督の狙いは最低限の成果を出すこととなった。

「うちの場合、まずはしっかりとしたディフェンスが先にある」と石川竜也は話しているが、そういう意味では山形は2失点後に目を覚ましたという事が言えるのかもしれない。ただ、やはり課題は攻撃面であり「攻撃をもう少しやる必要はあると思います。どう攻撃するのか。レベルの高いものにしていかなければならない。それは周りに要求しながらやって行きたい」と石川は口にしていた。

 シュート数は川崎Fの14本に山形が5本。スコアは2-0と表面上は川崎Fの快勝という試合だった。ただ、堅守からの攻撃に課題がある山形と同様に川崎Fにも課題は残ったといえる。「今日は全部ダメでした」としきりに反省する鄭大世を筆頭に、各選手は3点目が取れなかった事を反省材料として口にしていた。そうした貪欲さは優勝を狙うチームには必要な事なのだろう。川崎Fは磐田戦敗戦のショックを払拭する勝利を手にするが、首位鹿島が勝利した事で8点の勝点差は変わらず。ガマン比べの様相は引き続き継続する事となった。

 一方の山形は、対応できていたかもしれない2失点以降は川崎Fの攻撃を抑え込んでおり、そういう点では悔いの残る敗戦となった。ただ、失点の理由が明確である事を考えればそれほど悲観する事もないのかもしれないと、そういう試合だった。

以上

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2009.08.24 Reported by 江藤高志
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