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【J2:第31節 仙台 vs 熊本】レポート:最前線に藤田俊哉を置く「0トップ」採用の熊本に対し、仙台はもがき苦しんだ。ミスにつけ込み勝点3は手にしたが、課題はまだ多い。(09.08.02)

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8月1日(土) 2009 J2リーグ戦 第31節
仙台 3 - 2 熊本 (19:04/ユアスタ/13,785人)
得点者:3' 吉井孝輔(熊本)、20' サーレス(仙台)、27' エリゼウ(仙台)、45' 平瀬智行(仙台)、65' 市村篤司(熊本)
スカパー!再放送 Ch185 8/2(日)15:00〜(解説:都並敏史、実況:松尾武、リポーター:村林いづみ)
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「敗戦後のゲームで一番大事なことは、勝つこと」。今節を前にした、仙台・手倉森誠監督の言葉である。
皮肉にも仙台は、この言葉を地でいく試合を行ってしまった。勝点3を得たことのみが収穫…私たちが感じたこの思いは、試合後の選手の口からも自ら語られていただけに、おそらく間違いではないのだろう。

キックオフ直後から、仙台は大きな苦しみを背負うことになる。熊本の布陣に感じた違和感の理由を確信する前に、仙台は前節同様、早い時間に失点を喫した。3分、右サイドから山本翔平のクロス、マークが曖昧となっていた仙台のゴール前をあざ笑うかのように、飛び込んできた中盤の吉井孝輔が低いボールにダイビングヘッドを決めた。GKの林卓人も、近くにいたDFのエリゼウも、その周囲の守備の選手たちも、みな狐につままれたような表情で、熊本の歓喜を見守るのみ。

だがこの失点が決して事故の類ではなく、熊本の練りに練った策により仙台の守備陣が抱えた混乱によるものだったことに気づくまで、その後さほど時間はかからなかった。熊本の布陣は、メンバー表通りならば前節と同様の中盤ダイヤモンドの4−4−2。しかし実際は、ダイヤモンドの頂点にいるべき藤田俊哉が最前線に立ち、その後方に2トップ(と表記されていた)の西弘則、宇留野純が控える、4−3−2−1、あるいは0トップとも言うべきシステムだった。0トップ自体は開幕当初、本来ボランチの小森田友明を最前線に入れて行っていたこともある熊本だが、老獪な動きを見せる藤田が入ることで、仙台の守備陣は熊本のなすがままという状態まで振り回された。筆者は前半の途中、1〜2分ほど、エリゼウ、渡辺広大という仙台のセンターバック2人とその周囲のみを見る時間を作ってみたのだが、藤田が消えては現れを繰り返し、さらにセンターバックの四方八方から、2人のFW、さらには中盤から吉井、山本が、入れ替わり立ち替わり入ってくるという状況は、想像を絶するほどの苦境だったに違いない。熊本がさらに両サイドバックを積極的に攻撃参加させてくることで、仙台の両サイドバックが、手一杯の中央のカバーに集中できないことも、苦しい展開に輪を掛ける。この守備の混乱は、フォローに戻る中盤の選手も巻き込み、前半いっぱいまで改善されることはなかった。

にもかかわらず、前半終了時のスコアは2−1で仙台リード。その結果は、悔やんでも悔やみきれない熊本のミスが引き金だった。20分、熊本は最終ラインの福王忠世がGKの木下正貴へバックパスを送るが、これが高く舞い上がる難しいボールに。ワンバウンドして落ちてきたボールを木下はキックで処理しようとしたのだが、猛然とそこに詰めていったサーレスが、木下よりもわずか先にボールに触れてコントロール。奪ったサーレスは無人のゴールへ、ヘディングで押し込むだけだった。ミスにつけ込んだサーレスの仙台加入後初ゴールが、仙台にとっての同点弾に。

さらに27分、仙台は関口訓充の右サイド突破からCKを得ると、梁勇基が蹴ったボールはゴール正面で飛び上がったエリゼウの頭を完璧にとらえる。守備では苦労していたエリゼウがその借りを返すかのような強烈なヘッドで、仙台に逆転弾をもたらした。

そして結果的にとどめとなったのは、後半開始直後、45分のCK。梁が左コーナーから放ったボールはファーへと伸びるが、手でかき出そうとした木下はボールに触ることが出来ず。ファーへ走り込んだ平瀬智行は難なくヘディングを決めて、仙台にとっての3点目。内容としては完全に熊本ペースだったのだが、ミスがいくつか絡むだけでスコアは3真逆に。こう言うのを「サッカーの恐ろしさ」とでも言うのだろうか。

とはいえ、その後は仙台が、この恐ろしさを身をもって教えられかねない状況に。前に出てきた熊本に対し、守備陣が完全にゴール前に張り付くこととなった仙台は、攻めに行こうにも間延びして難しいことに。クリアが小さくなったところを市村篤司にミドルで決められた65分以降は、尻に火がついたのかカウンターで好機を作り始めたのだが、30分弱の出場でシュートを5本放った中原貴之を筆頭に、度重なる決定機を外し続けたことが、最後まで仙台を苦しめた。

結果は3−2で仙台の勝利。しかしこの勝利は冒頭の通り、勝点3という結果以外、仙台にとっては全く喜ぶことが出来ない。あまりにも淡泊な失点、縦に急ぎすぎる課題が改善できなかった攻撃、攻守のバランスを上手く改善できない戦い方…今季の仙台が作り上げてきた物の再確認は、もはや急務である。
7月とは反対に、仙台はしばらくは順位表の下位に沈むクラブとの対戦が続くのだが、今節の熊本のように、想定外の事をやってこられた途端に混乱の縁にたたき落とされ、どちらが順位が上だか分からない戦いとなってしまうようではまずい。

突きつけられた「夏の宿題」、仙台は残すことなく、解答用紙を埋めることが出来るだろうか。

以上
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