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【J2:第29節 草津 vs 岐阜】レポート:岐阜の選手たちの執念がオウンゴールを呼び込んだ。草津は岐阜の気迫に屈して痛恨の敗戦。(09.07.23)

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7月22日(水) 2009 J2リーグ戦 第29節
草津 0 - 1 岐阜 (19:34/正田スタ/3,014人)
得点者:60' オウンゴ−ル(岐阜)
スカパー!再放送 Ch180 7/23(木)17:00〜(解説:遠藤雅大、実況:梨子田友和、リポーター:円戸由香)
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 試合開始前の室内練習場から、ウォームアップを始めた岐阜の選手たちの凄まじい気迫が記者室まで響き渡ってきた。「最後まで絶対にあきらめるな!」、「ゴールラインを超えるまでボールを追え!」、「チームのために一人一人がやるべきことを考えろ!」。キックオフ前から岐阜の戦いは始まっていた。コーチの声に鼓舞されてピッチへと出た岐阜の戦士たちは、グラウンドで言葉通りの戦いをみせていく。ボール技術や展開力では草津が優れていたが、このゲームに懸ける気迫や勝利への執念は岐阜が上回っていた。今ゲームは90分間に渡って、ひたむきにボールを追い続けたチームへ勝利が転がり込んだ。

 雨上がりの敷島は、湿度81%という重い空気が漂い、どんよりとした雰囲気が漂っていた。そんな天候に影響されたのか、ゲーム自体もどこか重苦しいムードで進んでいく。序盤、岐阜にセカンドボールを支配された草津は自慢のパスワークが発揮できずに、リズムがつかめない。ただ、高いラインを引いてきた岐阜の背後を狙って鋭いカウンターを繰り出していく。10分には後藤涼の仕掛けから山崎渡、熊林親吾が立て続けに決定機を迎えるなど、相手の攻撃を受けながらも余裕を持って戦っているように見えた。

 ポイントは、どの時間帯で草津がゲームの主導権を握るか、だった。いつもの草津であれば、ゲームが落ち着き出した時点で中盤がポゼッションを支配し、ピッチの幅を有効活用したパスサッカーを展開し始めるのだが、なかなかエンジンがかからない。松下裕樹は「僕とサク(櫻田和樹)のところでボールが受けられなくて、2人の位置関係が築けなかった」と振り返った。ただ、それは岐阜の入念なスカウティングの成果だった。

 4−4−2のダイヤモンド型のシステムを敷く岐阜は、佐藤洸一、朴俊慶の2トップと、トップ下・菅和範が草津の両ボランチにプレッシャーを与えて自由を与えない。「ボランチに展開させないことをチーム全体で統一していた」(菅)。チームの心臓部を抑えられた草津は、櫻田が高い位置に上がりボールタッチを増やすなど工夫をみせたが、決定的に流れを変えるまでにはいたらなかった。草津にとって消化不良気味の前半の展開は、岐阜のペースだったと言える。ハーフタイム、岐阜・松永英機監督は「我慢比べだ」というシンプルかつ的確な指示を送り、選手を後半へ送り出したという。

 今ゲーム唯一の得点は、草津にとっては不運、岐阜にとってはラッキーな形で生まれた。後半、1タッチからの展開でチャンスを作り始めていた岐阜にリズムが傾き始める。60分、草津がFWへ当てようとしたボールを岐阜の中盤がカット、FW佐藤の滑らかなポストプレーを受けて右サイドを突破した染矢一樹が渾身のクロスをゴール前へと送る。そのクロスが、決死の守備でピンチを凌ごうとしたセンターバック田中淳の足に当たり、GK北一真の頭上をも越えてゴールマウスへと吸い込まれていく。「草津のサイドバックが絞っていたので、右にスペースが空いていたのが分かった。キレイなゴールではなかったが、ゴールになればどんな形でもよかった」(染矢)。岐阜の執念が生んだゴールだった。

 リードを許した草津は、高田保則、小池純輝を投入、攻撃のコマを増やすお決まりのパターンに出るが小池のドリブル突破以外は、チームとして機能することは少なく、ホーム11試合連続未勝利の雰囲気がプレッシャーへと変わっていく。73分には、熊林親吾のFKがポストを叩くなど運にも見放された草津は、岐阜の魂のプレーに屈して痛恨の敗戦を味わうことになった。岐阜は両センターバック、GKを中心にまさに死力を尽くす守備を見せた。その中でも、1ボランチの位置から両サイド、そして最終ラインまでを広くカバーした橋本卓のプレーは衝撃的だった。クラブ初の3連勝を成し遂げたチームは、地域の誇りを胸に戦っている印象を強く受けた。

 草津は、またしてもホームでの勝利を逃した。ゲーム後、指揮官が残した「またしてもホームで勝てなくてサポーターには申し訳ない」という唯一のコメントから何を感じ取れば良いのか。岐阜戦の敗北で、草津は10位へと順位を下げ、11位富山には勝点で並ばれ、12位岐阜とは勝点1差となった。勝点30台がひしめく第3集団からの脱出を狙ったチームだが、逆に飲み込まれる結果となった。これが今季のチームの力なのか。試合後、コアサポーターが陣取るバックスタンドからは激しいブーイングが巻き起こった。今季の選手たちはもっとできると信じているからこそ、サポーターはブーイングを送る。次節・北関東ダービー栃木戦は、草津にとって修羅場となる。

以上

2009.07.23 Reported by 伊藤寿学
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