7月22日（水） 2009 J2リーグ戦 第29節
Ｃ大阪 4 - 1 熊本　（19:04／長居／5,971人）
得点者：10' 木島良輔（熊本）、38' 乾貴士（Ｃ大阪）、75' カイオ（Ｃ大阪）、88' 乾貴士（Ｃ大阪）、89' マルチネス（Ｃ大阪）
スカパー！再放送 Ch180 7/23（木）19:30〜（解説：長谷川治久、実況：谷口広明、リポーター：森田純史）
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「前半は打ち合いというか、向こうも元気があったし、こっちも元気がありすぎて、収まりどころがなかったと思う」と、この日出場停止のDF羽田憲司に代わってキャプテンマークを巻いたＣ大阪DF江添建次郎。開始6分でMF香川真司がMFマルチネスの縦パスに抜け出し、決定機を作るなど、序盤からＣ大阪は攻め立てたが、逆に10分、熊本に先制点を許す。

　Ｃ大阪陣内のオープンスペースで熊本MF藤田俊哉とFW宇留野純がワンツー。そこから藤田が、ゴール前に鋭く走り込んだFW木島良輔にダイレクトでスルーパス。これを「Ｃ大阪キラー」木島がＣ大阪GKキムジンヒョンをよく見てかわし、左足で押し込んだ。

　1点ビハインドを負ったＣ大阪は、反撃に出るも、ボールを奪われてからは守備が落ち着かず。素早いカウンターから、サイドや裏のスペースをどんどん木島、宇留野の2トップに突かれ、藤田に自由にボールをさばかれるなど、ヒヤリとするシーンを幾度か作られる。それでも、38分、Ｃ大阪の誇る前線トリオで同点に持ち込む。FW乾貴士、FWカイオ、香川とテンポよくつなぎ、最後は乾が右足で落ち着いて決め、試合を振り出しに戻した。
　結局、1-1の同点で後半に折り返したが、その後もしばらくは「失点以外では理想の形でゲーム展開ができた。本当に選手たちは素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」と熊本の北野誠監督も言うように、熊本の健闘が際立つ内容で進む。

　そこで61分、Ｃ大阪のレヴィークルピ監督が動く。3バックの一角、DF前田和哉に代えて、MF濱田武を投入。「ボランチとして濱田、黒木（聖仁）、マルチネスの3人を最終ラインの1つ前に置いて、中盤をコンパクトにする」という狙いのもと、3-6-1から、4-3-3のシステムに移行。「Ｃ大阪キラー」木島が同じ61分にベンチに下がったこともあって、この采配で落ち着きを取り戻したＣ大阪は、マルチネスのクロスバー直撃となる左シュートが生まれるなど、勢いが加速する。

　すると75分、Ｃ大阪は勝ち越しに成功。マルチネス、乾、濱田とつなぎ、フリーの濱田が右ミドル。そのこぼれ球をカイオが詰めて利き足とは逆の右足でプッシュ。カイオはケガから復帰後、第14節草津戦以来となるゴールでこの試合初めてリードを奪った。
　その後、ホームのＣ大阪は「相手の運動量も落ちてきて、収まりどころも少しずつ増えてきて、逆転したあとにちょっと落ち着いてみんながボールを回せるようになった」（江添）ことで、熊本を圧倒。88分に乾がこの日2点目のゴールを決めると、ロスタイムにはFKからのトリックプレーでマルチネスがゴール。終わってみれば第1クール同様、後半3得点を挙げたＣ大阪が、熊本を4-1と下し、ホームで約1カ月ぶりの白星を得た。

　同日湘南が仙台に1-2と敗れたこともあり、勝点60、得失点差26で湘南と並んだＣ大阪。総得点の差で上回り、5試合ぶりの首位に返り咲いた。ただし、「本当に厳しいゲームになった」と、試合後レヴィークルピ監督が語ったように、決して楽に勝ったわけでもなかった内容であり、「あと2、3点相手に入れられてもおかしくなかった。チームとして4-1で勝てたのはよかったが、個人的には納得はいってない」と香川も気を引き締めなおした。

　一方、「2点目が取れなかったので、その辺をもう1回反省したい」と、熊本の北野監督。しかし、「Ｃ大阪というすごい強い相手に、あそこまで互角以上にできたので、僕は選手たちを評価したい」と、内容を前向きに捉えていた。

以上

2009.07.23 Reported by 前田敏勝