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【J2:第29節 水戸 vs 愛媛】レポート:荒田復活祭!自らの復帰を祝うファーストタッチゴールでチームを勝利に導く。(09.07.23)

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7月22日(水) 2009 J2リーグ戦 第29節
水戸 1 - 0 愛媛 (19:04/笠松/1,304人)
得点者:59' 荒田智之(水戸)
スカパー!再放送 Ch183 7/23(木)15:00〜(解説:三浦俊也、実況:加藤暁、リポーター:湯本久美)
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 世の中ではよく「持っている人と持ってない人がいる」と言われる。何を持っているかというと、運であったり、スター性であったりといった科学や理論では説明できない“何か”である。世の中で言われていることが正しいか正しくないかは分からないが、少なくとも「“何か”を持っている人」はいる。間違いなく荒田智之はその1人である。約2ヶ月半ぶりの復帰戦で途中出場して、ファーストタッチで決勝点を叩き込むなんて「持っていない人」にはできっこない。この日、荒田はあらためて「持っている」ことを証明してみせた。

 両チームとも流れをつかみきれないまま迎えた57分、約2ヶ月半ぶりに背番号9がピッチに送り込まれると、待望のエースの復帰にスタンドからは割れんばかりの拍手が巻き起こった。その期待に結果で応えるところが、この男のすごさだ。出場からわずか2分後、右サイドからのスローインのボールを受けた鈴木和裕がクロスを入れる。「飛び込めばボールが来ると思った」と語る荒田はニアに鋭く走りこんだ。マークを完全に振り切って頭で合わせたボールはゴール左隅に吸い込まれていった。これが荒田にとってファーストタッチ。まさに千両役者の大仕事をやってのけたのだ。

「2ヶ月半、辛いときもあった」と荒田は振り返る。5月2日の鳥栖戦(第12節)で右足第5中足骨骨折。それまで12試合で9ゴールを決め、得点ランキングトップに立つなど調子がうなぎのぼりのときだっただけにショックも大きかった。骨折したのも得点した直後だっただけに、悔しさで胸が痛んだ。「焦りがなかったと言えば、嘘になる。でも、焦ってもしょうがないと自分に言い聞かせた」。入院中、リハビリ期間中ともに「ケガする前よりもいい状態に戻ろう」という一心で、常に前向きに取り組んできた。それが驚異的な回復につながった。当初全治3ヶ月と言われていたケガだが、半月早く復帰できることとなったのだ。そうした日々の積み重ねにより、荒田の“凄み”は増していった。15日の練習から合流したのだが、そのときにはすでに切れ味は抜群。圧倒的な存在感を誇り、まったくブランクを感じさせないプレーを見せていた。約2ヶ月半ぶりの出場にもかかわらず、背番号9からは得点の香りが強烈に漂っていた。

 この試合、決して水戸の優勢で進んだゲームではなかった。前半の途中から中盤を愛媛に支配され、後半開始早々には立て続けに決定機を作られた。それを決めきれなかった愛媛に対し、水戸は決定機を確実に決めきった。「荒田」の存在が勝敗を分けたと言っても過言ではない。

「ケガ人が戻ってきて、チームはいい雰囲気でやれている」と大和田真史は言う。荒田だけでなく、守備では中村英之が復帰している。さらに堀健人もすでに練習に合流しており、あとはコンディションが上がるのを待つだけの状態。一時の野戦病院状態から一転、チームの状態は最高潮へと向かっているのだ。次節(鳥栖戦@ベアスタ)には高崎寛之が2試合の出場停止から復帰。荒田との最強2トップが復活の時を迎えようとしている。「本当に昇格争いをしたい」と荒田は力を込めた。混沌としてきたJ2の上位争い。戦力が充実してきた水戸にもそこに加わるチャンスがあるのは間違いない。「昇格争いをすれば、水戸の町ももっと盛り上がると思う」。荒田は目を輝かせながら、そう語る。いよいよ水戸に、熱く楽しい夏がやってこようとしている。

 一方、愛媛にとっては苦しい戦いが続いている。開幕3連勝のころの勢いはなくなり、現在7試合勝ちなし。第2クールに入ってからは、わずか1勝という苦境に陥っている。この試合では決定力の差で負けたものの、中盤を支配して水戸よりも多くの決定機を作るなど、愛媛の目指すサッカーはできていた。光明がないわけではない。しかし、「最近セットプレーでやられることが多い。切り替えが遅い」と永井俊太が言うように、チーム全体が集中を欠く時間帯があるのは否めない。この試合でも切り替えの部分で水戸に劣り、スローインからの展開で失点を喫してしまった。再三築いた決定機を決めきれず、一瞬の隙を突かれて失点するという負のサイクル。問題は相手云々ではなく、自分たちの中にありそうだ。開幕時のように90分間の集中力を取り戻すことが、今の愛媛にとって最大の課題と言えるだろう。まずは原点を見つめ直したい。

以上

2009.07.23 Reported by 佐藤拓也
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