7月22日（水）J2 第29節 富山 vs 札幌（19:00KICK OFF/富山）
スカパー！生中継 Ch183 18:50〜（解説：瀬田龍彦、実況：牧内直哉、リポーター：豊田麻衣）
☆勝敗予想ゲーム
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　11位の富山が、勝点1差で追う10位札幌を迎える。富山は、今季2度目の連勝で順位アップを果たしたい。ケガと出場停止によるメンバーの入れ替えがありそうで、代わって入る選手の奮起に期待したい。2連敗中の札幌は上位進出への正念場を迎えており、J2リーグ戦後半に向けて流れを変える勝利を掴みたい。

　富山は前節、熊本に3-2で逆転勝ちした。アウェイでの逆転劇は第9節の岡山戦、第15節の甲府戦に続き3度目。ケガから復帰したFW長谷川満、DF西野誠が約2ヶ月ぶりに先発し、その西野が自身J初ゴールとなる決勝点を挙げた。
第26節まで全試合に出場してきたボランチ渡辺誠のケガが全治6ヶ月と判明(クラブHP)し、中盤の構成力に不安があったが、9試合ぶりに先発したMF野嶋良が安定したプレーでパスの起点となった。FW永冨裕也が19試合ぶりにゴールを奪ったことも好材料だ。

　第11〜13節以来の連勝を目指して勢いづきたいところだが、今節は懸念も少なくない。センターバック濱野勇気が累積警告で出場できないため、ディフェンスラインの統率がポイントになる。濱野はチームでただ1人、今季フルタイム出場（リーグで14人＝うちGK6人）で堅守を支えてきた。代わって出場する選手とチームにとっては、ぶっつけ本番となる中2日の日程もあだになりかねない。これまでの積み重ねとチーム力が試される局面だ。
　楚輪博監督は「出場選手は調子とテンションを見極めて最終決定したい。チャンスだと思ってプレーしてほしい」と語る。候補は金明輝、足助翔、舩津徹也、江崎一仁ら。高さが武器の金は、前回の札幌戦で今季初先発して起死回生の同点ゴールを挙げている。どの選手が出場するにせよ、持ち味を発揮した活きのいいプレーが求められる。

　FWでも前節途中で長谷川、石田英之が負傷で途中交代した。木本敬介もケガで出場できないため、ルーキー桜井正人に出番がありそうだ。「動き出しやボールをもらうための連続した動きを意識してトレーニングしている。（これまで11試合に出場して）よい経験をしている。チャンスをもらっているのに結果が出せていないので、まず1点取りたい」と言う若武者に期待したい。

　札幌は第2クールに入って2勝4分5敗。J1昇格圏の3位仙台との勝点差が17まで開いた。だが、MFクライトンの契約解除があっても、チーム力と選手個々の能力の高さは周囲が認めるところ。1つのきっかけで反転攻勢が始まってもおかしくない。
　相手を圧倒しながらも得点が奪えず連敗した前節、前々節の試合内容にも同じことが言える。前節、草津に1-2で敗れ、FW中山元気は「いつもと同じように、あとはゴールを決めるだけという状況だったが…」と話した。欲しいのは1点、1勝というきっかけだ。
　富山とは第7節の前回の対戦でも、MFダニルソンが出場停止だった。クライトンも出場停止で外国籍選手はFWキリノだけだったが、危機感を持った選手たちがアグレッシブなプレーを展開。キリノの先制点の後は、フォアチェックで富山を自陣に釘付けにして格上の力をみせつけた。試合は引き分けに終わったが、この試合を境に13戦負けなしを続けて5位まで順位を上げている。その時以上のモチベーションで激しくゴールに向かうことだろう。

　富山県のサッカーファンには地元出身の札幌GK・荒谷弘樹の雄姿も楽しみだ。皆既日食の日として人々に記憶されるであろう2009年7月22日、ともに思い出されるような好ファイトを両チームに期待したい。


以上

2009.07.21 Reported by 赤壁逸朗