7月22日（水）J2 第29節 Ｃ大阪 vs 熊本（19:00KICK OFF/長居）
スカパー！生中継 Ch181 18:50〜（解説：長谷川治久、実況：谷口広明、リポーター：森田純史）
☆勝敗予想ゲーム
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　首位湘南が福岡にホームでまさかの逆転負けを喫したことで、混戦模様に拍車がかかったJ2リーグ戦の上位争い。2位Ｃ大阪は7月の4強直接対決を2分1敗で終え、残念ながら勝ってライバルを引き離すことはできなかったが、逆に言えば、まさかの逆転負けを喫した第27節湘南戦以外は、「負けずに来れた」（DF江添建次郎）ということ。特に前節の甲府とのアウェイ戦では、後半に押し込まれながら、粘り強い守備で「内容的には、多少チームに自信はついてきた」（DF羽田憲司）勝点1を獲得。湘南戦で崩れかけたものを取り戻しつつある。

　その勝点1を実りあるものにするためにも、下位との戦いが続く今後が勝負のＣ大阪。中3日で臨む第29節に、13位熊本をホームの大阪長居スタジアムに迎え、3試合ぶりの勝利を狙う。

　この試合でＣ大阪は、主将の羽田が累積警告により出場停止となり、守備の要を欠く。ただ、最近ポジション争いが激化している守備陣のなか、羽田に代わっての出場が予想されるのは、DF前田和哉。昨シーズン主将も務めたナンバー5が、6月24日の第24節水戸戦以来となる先発のピッチに立つことになりそうだ。

「コンディションは落ちていない。勝っていい流れにしたい」と前田。「夏場はタフなゲームになっているが、足を止めずに、ボールを大事にすることが課題。しっかりアプローチをかけて、ブロックを作って守りたい」と、7月ホーム初白星に貢献するため、そして、自らのレギュラー奪還アピールのため、強い決意で熊本戦に挑む。

　さて、第1クールでの対戦時には、後半のMFマルチネスのスーパーゴール、FW西澤明訓のＣ大阪復帰弾、MF香川真司が絡んだ相手のオウンゴールにより、Ｃ大阪が3-0とアウェイで熊本に快勝している。ただ、「J2で対戦してきたチームのなかでも、つなぎは上手く、ポゼッションも高い」と、司令塔のマルチネスは熊本を警戒している。

　しかも、その時にはＣ大阪キラーの熊本FW木島良輔は出場停止でピッチにいなかった。昨シーズンＣ大阪を苦しめ続け、3ゴールをマークした木島に対し、「（木島は）頑張る選手なので、1対1で負けないよう、きっちりやりたい」と、DF江添。熊本のトップスコアラーと、Ｃ大阪守備陣の戦いも、この一戦のポイントのひとつとなるだろう。

　もちろん、甲府戦で1点「しか」取れなかったＣ大阪攻撃陣も黙ってはいない。20日の練習でも動きが際だっていた香川、乾貴士のコンビ、そしてまだベストの状態ではないものの、必死にコンディションを上げているカイオのＣ大阪が誇るトライアングルで、前半から猛攻を仕掛ける覚悟はできている。また、甲府戦で惜しい場面を作り出した小松塁、そして、足首の状態も良くなってきており第25節仙台戦以来となる出場を目指す西澤も、準備を整えている。彼らの視界には、ゴールと勝利しか見えていない。

　一方の熊本は、前節富山に打ち合いの末2-3と敗れはしたものの、最近5試合を3勝2敗と勝ち越し、第1クールからは調子を確実に上げている。チームの核となるMF藤田俊哉を中心に、FW木島、宇留野純、MF西弘則らが絡んで、第2クールではコンスタントに得点できるようになった。ただし、打ち合いとなると、相手は得点力リーグナンバー1のＣ大阪だけに、リスクも高い。ここは古巣との対戦、しかもプロ入り後初めて長居のピッチに立つことが濃厚な元Ｃ大阪のDF福王忠世を中心とした、DF陣の健闘が鍵を握る。

　下位からしっかり勝点3を積み重ねたいＣ大阪が、長居に集まるサポーターに約1ヶ月ぶりの勝利を見せ、首位湘南に肉迫できるか。それとも、昨年1勝1分1敗とＣ大阪と互角の勝負を演じた熊本が、中2日の強行軍のなかでも敵地でアップセットを起こすことができるのか。どちらもこれ以上順位を落とさないためにも、大事な戦いとなる。

以上

2009.07.21 Reported by 前田敏勝