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【J2:第29節 水戸 vs 愛媛】プレビュー:吉原宏太と永井俊太。2人の男の熱い思いが激突。すべてはチームのために――。(09.07.21)

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7月22日(水)J2 第29節 水戸 vs 愛媛(19:00KICK OFF/笠松
スカパー!生中継 Ch174 18:50〜(解説:三浦俊也、実況:加藤暁、リポーター:湯本久美)
勝敗予想ゲーム
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 チームの危機的状況を救ったのは、吉原宏太であった。

 前節徳島戦は、出場停止で攻撃の大黒柱・高崎寛之を欠くという厳しい状況での一戦。前々節横浜FC戦では、コンディションが万全でない高崎を先発から外してベンチスタートさせたものの、攻撃はまったく機能しなかった。防戦一方の展開となっただけに、高崎不在でどこまで戦えるのかという不安を持って挑むこととなった。

 徳島戦前、「勝てなくても勝点を持って帰ってくるという強い気持ちで戦いたい」と木山隆之監督が語ったように、水戸はDFラインを低くし、リスクをかけずにロングボールを蹴りこむという徹底した守備的な戦いで挑んだ。序盤から徳島に攻め込まれる時間が続いたが、なんとか辛抱強く耐え抜いて勝機が訪れるのを待っていた。

 そこで輝いたのが吉原であった。チームとして攻撃の形ができない中、DF裏への鋭い飛び出しを見せ、彼1人の力で徳島ゴールを襲う展開を作った。水戸の堅いディフェンスをこじ開けるためにDFラインを高くして攻め込んできた徳島に対して、吉原のフリーランニングは脅威となっていた。そして72分、カウンターから小澤雄希が左サイドを怒涛のオーバーラップ。相手2人をかわしてあげたクロスに飛び込んだのが、吉原。「気合いを入れて打った」というヘディングシュートがゴールネットに突き刺さり、値千金の先制点をもたらし、チームを勝利に導いた。「これまでチャンスを外して、監督や周りの選手に迷惑をかけたので決まってよかった」と吉原は安堵の表情を見せた。

 今季の水戸にとって本当に吉原の存在は大きい。もちろんピッチ内の存在も大きいが、ピッチ外でも輝きを放っている。若い選手の多い水戸にとって、日本代表まで上り詰めたことのある彼の経験はかけがえのないもの。周囲の選手に対し、時には暖かく、時には厳しい言葉をかけ、より高みへといざなってくれている。徳島戦後もキム・テヨンに対し、「今日の彼は本当に体を張って相手の攻撃を潰してくれた」と賛辞を与えた後に「でも、そこから(パスを)つなげていない。それができるようにならないと上では通用しない」と苦言を呈した。彼がそう口にすることで、選手たちの中で現状に満足することなく、さらなるステップアップをしなければならないという意識が芽生えることとなっている。それがこれまでの好調を支えている要因の1つとなっているのだ。

 しかし、なぜ吉原がそこまで水戸に愛情を注ぐのか。吉原はこう語る。「僕は水戸に対して、返しきれないぐらいの恩を感じている。だから、本当にこのチームのためになろうと思っているんです」。シーズン前、大宮から戦力外通告を受け、行き場のない状況だった吉原に手を差し伸べたのが、水戸であった。そこから始まった吉原と水戸の蜜月。これからも両者が高め合いながら、未知なるステージへと歩み続けていくに違いない。今節も高崎が不在という状況だが、不安は何もない。なぜなら、吉原がいるからだ。絶大なる存在感を誇る「13番」が、今節もチームに勝利を導いてくれることだろう。

 愛媛にも、この試合に並々ならぬ思いを持って挑む選手がいる。永井俊太だ。04年途中から1年半、水戸でプレー。高校時代から将来を嘱望されていたものの、所属していた柏では出場機会に恵まれず、期限付き移籍でやってきた水戸でついに才能を開花させた。水戸史上最高のボランチの1人として記憶している水戸サポーターも少なくないだろう。永井自身も「水戸は思い入れのあるチーム」と語っている。その後、柏に戻り、J1で奮闘を続けた。そして、今年の6月に愛媛に期限付き移籍をし、司令塔として活躍を見せている。水戸とは06年第5節以来2度目の対戦となる。

「個人的に負けたくないゲーム」と永井は気魄を込める。かつてプレーしていたときより、成長した姿を見せるためにも、強い思いを胸に臨む一戦だ。ただ、「チームにとっても勝たないといけない試合」と永井は続ける。現在チームは6戦勝ちなし。前節、連敗はストップしたが、内容が上向いたわけではない。特に守備に多くの問題を抱えているようだ。第1クールではわずか17失点だったものの、第2クールに入り、すでに25失点を喫し、順位も14位まで落としている。その悪い流れを断ち切るためにも、是が非でも勝ちたい一戦なのである。永井が中盤でどれだけ攻守に貢献できるかに愛媛の命運をかかっている。

 強い思いを胸にこの試合に挑む、吉原と永井。2人のプレーがこの一戦を熱く熱く燃え上がらせるに違いない。

以上

2009.07.21 Reported by 佐藤拓也
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