7月22日(水)J2 第29節 福岡 vs 徳島(19:00KICK OFF/レベスタ)
スカパー!生中継 Ch173 18:50〜(解説:乾眞寛、実況:南鉄平、プレーヤー解説:布部陽功、リポーター:森田みき)
☆勝敗予想ゲーム
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年間51試合を戦うJリーグ・ディビジョン2。既にその半分を消化し、選手たちの体には確実に疲労が蓄積している。加えて高い湿度と気温の中での戦いは、残酷なまでに選手たちから体力を奪っていく。そんな消耗戦とも言える戦いの中で、どこまで辛抱できるか。それが夏場の戦いを制するポイント。それを改めて示したのが前節の試合と言える。福岡は、湘南に首位の貫録を見せられながらも我慢を続け、湘南の動きが止まったラスト10分間に全ての力を注ぎ込むことで劇的な逆転勝利を手にし、徳島は主導権を握ってゲームを進めながら、勝負どころで我慢しきれずに水戸に敗れた。過酷な気象条件のもとでの連戦では必ずしも思うようなプレーが出来るわけではない。その中でどこまで我慢できるか。それが、この試合のキーワードになる。
福岡は、その戦いをいい形で迎える。中盤の守備、攻守の切り替え、攻撃の連動性などに課題を残すが、湘南戦では現在の自分たちの力を余すことなく発揮。J1昇格争いの真っただ中にいるチームとの力の差を痛感させられながらも、いまやるべきことをやり続けることで、結果を手に入れられることを改めて感じたはずだからだ。リードを奪われても下を向かないこと。90分間に渡ってハードワークを続けること。そして、どんな状況に追い込まれてもゴールを求める強い気持ちをなくさないこと。それを徹底して続けることが徳島戦でも求められている。その姿勢を続けていくことで必ず復調への道が見えてくる。
その試合で注目したいのは、湘南戦でも頑張りを見せた若い選手たちだ。90分間に渡って全力で走り続けた田中佑昌。彼のプレーが他の選手たちの気持ちを引っ張ったことは間違いない。特長である裏へ抜けるタイミングとスピードを活かしてゴールを奪った岡本英也。彼のゴールが試合の流れを変えた。そして、同点ゴールをアシストした城後寿。「監督が自分を真ん中に必要としてくれてポジションが変わった。自分にとってはやりがいを感じるところ。何とか監督を助けたいというのがある」。その気持ちが彼の才能を少しずつ引き出しつつある。守備では丹羽大輝。湘南の分厚い攻撃に脅威を感じながらも最終ラインをコントロールし続けた。
湘南戦でのプレーを再びレベルファイブスタジアムで見せることが彼らの成長につながり、それがチームの力になる。
一方、迎える徳島も強い気持ちでレベスタに乗り込んでくる。過去3年間は不本意な成績に終わったが、大幅にメンバーを入れ替えて臨む今シーズンは現在8位。攻守ともにバランスのとれたサッカーで中位に躍進している。前節、水戸に敗れたことで今シーズン初の連敗を喫したが、さらなる上位への進出を実現するためには、ここで連敗を止めることが必要条件になる。「目の前の試合に集中するだけ。幸いうちは監督を中心に前向きに切り替えていけるチーム。アウェイが続くが時間もあるし、やることを明確にしてしっかり立て直したい」と三木隆司も話す。
徳重隆明を出場停止で欠く徳島は、羽地登志晃を1トップに置く従来の4−2−3−1で臨むのか、それとも水戸戦と同様に4−4−2でスタートするのかは不明だが、いずれにせよ、チームとしてやることは変わらない。前線でターゲットを務めるのは羽地。そのポストプレーから中盤でパスをつなぎ、サイドから崩してくるのがパターン。ベテラン・倉貫一毅を中心に、中堅の米田兼一郎、若きエース・柿谷曜一朗、成長著しい青山隼を擁する中盤の構成力は高い。特に、高い個人技を武器にする柿谷のドリブル突破、センスあるパス、正確なキックは要注意。個の力で打開する能力を持つ柿谷を自由にしては試合の主導権を徳島に渡すことになる。福岡が相手の中盤の良さを消すためには、ファーストディフェンダーの素早いアプローチと、それに連動する厳しいプレスが必要だ。
さて、中4日で迎える徳島に対し、福岡は移動日も含めて中2日での試合。条件的には徳島が有利だ。しかし、城後は話す。「フィジカル的にきついとか言っている状況ではない。それに第1クールの徳島との戦いで敗れたところから10戦勝ちなしが始まった。何としてでもリベンジしたい」。
今の福岡にとっては、徳島も簡単な相手ではない。そんな相手との戦いで、課題とされている中盤の守備、攻守の切り替え、攻撃の連動性に変化の跡を見せること。福岡がやるべきことは変わらない。そしてもちろん、手に入れなければならないのは「勝利」の2文字だ。
以上
2009.07.21 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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