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【J2:第28節 栃木 vs 東京V】レポート:栃木は「ディシプリン」を欠き、敗戦を招いた。3ゴールで完勝の東京Vは4位・甲府に肉薄。次節の直接対決に弾みを付けた。(09.07.20)

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7月19日(日) 2009 J2リーグ戦 第28節
栃木 0 - 3 東京V (18:03/栃木グ/7,456人)
得点者:9' 大黒将志(東京V)、21' 平本一樹(東京V)、82' 大黒将志(東京V)
スカパー!再放送 Ch183 7/20(月)16:00〜(解説:セルジオ越後、実況:篠田和之、リポーター:萬代裕子)
勝敗予想ゲーム
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絶対的なストライカーとディシプリンの「有無」で勝負は決まった。

2桁ゴールを挙げている選手不在の栃木にとって、生命線は「全員攻撃・全員守備」。それを支えるのがハードワークとディシプリンの2本柱だが、支柱が折れてしまっては勝機が見出せるはずもない。

東京V戦に向けて松田浩監督は「ディシプリン(規律)で勝つしかない」と言い切った。ディシプリンにしか活路がない、というわけではなく、ディシプリンを発揮できれば相手が絶好調でも勝機は見出せるという意味だ。しかし、栃木のストロングポイントである「ディシプリン」は、あっという間に崩壊させられた。要警戒人物の大黒将志に。「大黒がいたか・いないかが一番大きかった」と松田監督が話す通り、J2レベルを逸脱したフィニッシャーの存在はとてつもなく大きかった。9分の先制弾はDFラインの背後を一瞬で突く、大黒の真骨頂によるもの。自分の型にはめこめるストライカーはそうそういない。やはり、規格外。また、パスを出した柴崎晃誠へのプレスの甘さも致命的だった。

立ち上がりの失点によるダメージは栃木にとって小さくなく、東京Vにとっては優位に試合を運ぶ上で好材料となる。21分に得たFK。ボールは大外に走り込んだ富澤清太郎の元へと届けられ、頭での折り返しに反応したのは平本一樹だった。3試合連続弾で追加点を奪う。あっさりとゴールを割られたのは栃木が集中力を失い、マークを外したからだ。ここでも1失点目と同様に的確なポジションを取るというハードワークが出来なかった。

「2−0になってから非常にゲームは難しくなってしまった」とは服部年宏。この日がJ2・100試合出場のメモリアルゲームとなった岡田佑樹を筆頭に、前線が流動的に動いてはかき回し、ポゼッションでも勝り、栃木が揺さぶりをかけ始める。バリエーション豊富な攻撃で攻め立て、27分にはパス交換からオーバーラップした赤井秀行がシュートを放ち、37分にはゴール前でかっさらったボールから最後は向慎一がミドルシュート。向本人の感覚では「ゴールが決まった」と思ったそうだが、GK土肥洋一が辛うじて手に当てたことでコースが変わり、ポストに嫌われてしまう。「1点を取られたら厳しい感じはした」と平本。東京Vにとっては苦しい時間帯だった。それだけに栃木としてはゴールが欲しかった。

前半中盤からの余勢を駆って、後半も栃木ペースで進む。サイドチェンジが有効と見るや多用し、東京Vを振り回す。さらに展開力を高めるためにボランチの落合正幸とセンターバックの米山篤志を配置転換。自陣に釘付けとなった東京Vに、最終ラインから大久保裕樹も攻撃参加し、波状攻撃をかける。だが、好機は作り出せず、逆に76分にセットプレー崩れからカウンターを浴びる。ここは難を逃れるも、82分に鴨志田誉のトラップミスを引き金に大黒に3点目を献上。栃木は3連敗を喫し、東京Vは破竹の6連勝を飾った。

2点目以降の試合運びに難があったように見えた東京Vだが、高木琢也監督から厳しい言葉は聞かれず、服部も「無失点で終われたこと、カウンターから点が取れたことが大きい」と話した。ここで興味深いのが、「相手に押されているからいいゲームではないというのは、よくないのではないのか」という高木監督の見解だ。確かに後半45分は押し込められていたが、決定機は1本も与えなかった。栃木が拙攻を重ねたとも言えるが、守り抜くと覚悟を持った選手達が我慢強く戦ったと言った方が、より正確だろう。平本は言う。「後ろあってのヴェルディなので」。ついつい攻撃陣に目が行きがちだが、土屋征夫を中心とした守備陣の奮闘は見逃せない。26失点はリーグ3位で誇るべき数字である。次節はホームに勝点差4の4位・甲府を迎える東京V。勝てば昇格レースに加わる権利を得られるだけに譲れぬ一戦となる。激戦必至だろう。

ポゼッションは出来た。守備ブロックは機能した。でも、勝てないのが栃木。問題は山積しているが、やはり先手を取られてしまうことが響いている。「ヴェルディみたいな強いチームには、最初から45分で潰れてもいいという気持ちでやらないと勝てない」と鴨志田が言うように、相手が引いたにしても自分達のサッカーが失点後は出来たのだから、どうして最初から取り組まないのか、という疑問が湧いてくる。とにかく逆転勝ちが1試合もないのだから、先に点を取られないことに全神経を注ぐしかない。結局、追い掛ける展開になることが自分達を最も苦しめるのだから。第2クールに入ってから無失点に抑えたのは勝利した富山戦のみ、という結果からも、粘り強く戦う他に栃木が勝つチャンスは今のところない。久しく遠ざかっている勝利をものにするには我慢が必要だ。中2日での岡山とのアウェイゲームも厳しい戦いになるが、凌いでワンチャンスに懸けたい。「出だしの主導権の取り方が弱いから劣勢の時間帯が最初にきてしまった」(米山)。東京V戦と同じ轍を踏んではいけない。

以上

2009.07.20 Reported by 大塚秀毅
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