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【J1:第18節 清水 vs 鹿島】レポート:ホームで鹿島を上回る熱い戦いを見せた清水。ミスからの2失点は攻撃陣の勝負強さで取り返したが、逆転には至らず。(09.07.19)

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7月18日(土) 2009 J1リーグ戦 第18節
清水 2 - 2 鹿島 (19:03/アウスタ/20,203人)
得点者:26' 野沢拓也(鹿島)、43' マルキーニョス(鹿島)、44' 岡崎慎司(清水)、53' ヨンセン(清水)
スカパー!再放送 Ch183 7/20(月)05:00〜(解説:澤登正朗、実況:桑原学、リポーター:真鍋摩緒)
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今の鹿島に対して、自分たちのミスから(それもやってはいけないミスから)2点を先行されてしまったら、普通ならほぼゲームが決まってしまう。だが、この日の清水は、それを許さない底力を見せた。

鹿島のスタメンは、負傷した伊野波雅彦の代わりに今季2試合目の先発となる中田浩二が入った以外は、いつもの布陣。それに対して清水は、青山直晃が出場停止以外で今季初めてスタメンを外れ、センターバックには岩下敬輔と児玉新が入って、左サイドバックは太田宏介。ボランチには伊東輝悦と本田拓也がコンビを組むという予想外の形でこの試合に臨んだ。

だが、試合が始まってみると、新しいドイスボランチの意味は徐々に明らかになっていく。立ち上がりこそ「ポジションも選手も変わっている中で、多少ばたついたところもあった」(児玉)ため、少し押される展開になったが、やがて中盤の守備において伊東と本田が素晴らしい働きを見せ始める。読みの良さと球際の強さで鹿島のボールを効果的に絡め取り、ゲームメイクの面でも確実にパスをつないで、自分たちのリズムを作っていった。

DFラインの変更に関しては、「鹿島から点を取るには後ろからのビルドアップが重要だったが、岩下と児玉であれば、両サイドや前線に良いフィードができると考えた。左サイドの太田に関しては、なかなか真ん中からは割らせてもらえないだろうということで、サイドからシンプルに攻めようという中で彼の攻撃力を生かしたかった」という長谷川監督の説明で取材陣も納得。岩下と児玉が落ち着いてボールを回しながら、機を見て効果的な縦パスを入れ、太田も積極的に攻撃参加し、対面の内田篤人に守備的なプレーをさせるという意味でもチームに貢献した。

そのため、10分を過ぎたあたりから流れは清水に傾いていく。選手たちが課題にしていた球際の競り合いでも、獅子奮迅の働きを見せた伊東を筆頭にフィフティーフィフティーのボールをよく自分たちのものにして、14分にセットプレーから初めてのビッグチャンス(太田のシュート)を作り、主導権を奪っていった。ただ、鹿島の守りもスキがなく、お互いに堅い守備をベースに攻撃でも持ち味を発揮して、非常に締まった試合展開になっていた。

だが、試合は思わぬ形で動く。26分、清水がDFラインでボールを回す中で、鹿島・野沢拓也が鋭くプレッシャーをかけ、それを外そうとした岩下がボールタッチをミス。野沢がこれを見逃すことなくボールを奪い、そのままGKと1対1になって冷静にゴール左隅に先制点を決めた。清水にとっては悔やんでも悔やみきれないミスから、与えてはいけない先制点を鹿島に与えてしまった。

しかし、その後も試合展開としては清水が優位に立ち、チャンスも多く作ったが、次の1点も清水のミスから始まる。43分、清水がDFラインでボールをつなぐ中で、余裕を失っていた岩下が痛恨のパスミス。今度はマルキーニョスがこれを見逃さずにインターセプトし、そのまま自分で持ちこんで、見事な左足シュートをゴール右隅に突き刺した。

これでアウスタの空気は非常に重くなってしまったが、清水のエース・岡崎慎司がすぐにそれを一変させる。アディショナルタイムに入って前半も残り数秒というところで、一瞬のスキをついた本田の縦パスからヨンセンが右サイドを抜け出し、速いクロスを入れると、ニアサイドに入った岡崎が力強いヘディングをゴール右隅に叩きこんだ。チームとしても重苦しい雰囲気になっていた中で、この一発は本当に選手もサポーターも大いに勇気づけた。

岡崎のゴールと長谷川監督の叱咤激励でハーフタイムに気持ちを切り替えた清水イレブンは、後半は初めからゲームを支配し、鹿島ゴールに迫っていく。そして6分、素早くシンプルにサイドに展開して、攻め上がった市川大祐が右クロスを入れると、ゴール前に3人が勢いよく飛びこみ、手前でつぶれた岡崎の裏からヨンセンが豪快なダイビングヘッド。これがワンバウンドしてゴールネットを揺らし、清水が早い時間に同点に追いつくことに成功した。

そこからは、清水がさらに押せ押せになり、残り40分で逆転ゴールを奪えるかどうかという展開。10分には左CKのこぼれ球から岩下と市川が続けざまに惜しいシュートを放ったが、ここは鹿島GK曽ヶ端準の意地に阻まれる。ただ、岩下もセットプレーで何とかミスを取り返そうと激しい闘志を見せ、チーム全体としてもハードワークという面で完全に鹿島を上回る。サポーターもその熱い気持ちに触発されてさらにヒートアップし、アウスタの空気は完全にひとつになっていた。

終盤は連戦と蒸し暑さで両チームにかなり疲労の色が濃くなったが、42分にロングボールから岡崎がうまくDFと入れ替わって惜しいシュートを放つなど、最後まであきらめにずに攻め込んでいく。だが、鹿島も王者の意地を見せて最後のところで踏ん張り、逆転ゴールを許すことがないまま、タイムアップの笛を迎えた。

たしかにこの日の鹿島の選手たちは身体が少し重そうで、けっして本調子とは言えなかったが、ハードスケジュールという意味では清水も条件は同じ。その中で気持ちの面でも運動量の面でも、試合内容でも鹿島を上回ったことは、清水にとって大きな自信になったが、結果は2-2の引き分け。やはり非常に悔しいゲームであったことは間違いない。
ただ、岩下の2つのミスがなければ清水が絶対に勝っていたかといえば、それは何とも言えない。岩下を助けたいという気持ちや、このままでは終われないという強い気持ちがチームに火をつけた面もあるだろうし、棚ボタ的に2点リードしたことによって、鹿島のほうに緩みが生じた可能性もある。しかし紛れもない事実として残ったのは、シュート数で清水15本/鹿島5本(後半は10本/1本)と、90分を通して清水が優位に試合を進め、サポーターを感動させる熱い戦いを見せたこと。選手たちがピッチを去るとき、清水サポーターから大きな岩下コールが続いていたことが、両者の強い絆を物語っていた。

以上

2009.07.19 Reported by 前島芳雄
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