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【J1:第18節 山形 vs 磐田】プレビュー:復讐か、返り討ちか。新加入メンバーの貢献で前節9試合ぶりに勝利した山形と、好調・前田・ジウシーニョの活躍で2連勝の磐田が対戦!(09.07.19)

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7月19日(日)J1 第18節 山形 vs 磐田(18:00KICK OFF/NDスタ
スカパー!生中継 Ch180 17:50〜(解説:越智隼人、実況:小出匡志、リポーター:成田ひみこ)
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試合メンバー表、選手の出場数欄には、ズラリと0が並んでいた。3月7日、まっさらなチャレンジャーとして、山形が初めての舞台となるJ1に乗り込んだ開幕戦。極端に低い経験値は、何が通じて何が通じないかの予測さえも難しくしていたが、暗中模索だからこそ、全力を出しきることがすべてだと割り切った出陣だった。各チームとの対戦が一巡し、今節から後半戦に入る。これまで同様のイノセントなチームではなくなった代わり、90分間でつかんだ手ごたえや肌で感じた距離感を今後の指針にすることができる。そして、常に次の一戦にすべてを懸けるスタイルは変わらない。

 J1の新参チームをいきなり首位に押し上げ、かつてタイトルを欲しいままにしたチームを最下位に振り分けた、衝撃の開幕戦から4カ月半。リーグ後半戦も、この因縁のカードで幕を開ける。

 8試合勝利がなく、ついに降格圏の16位まで順位を下げた山形は前節、横浜FMとの対戦で2−1と逆転勝利を挙げ、14位でシーズンを折り返した。2節前の浦和戦やその後の練習中に主力4人が負傷離脱したが、西河翔吾や赤星貴文など移籍後初出場の選手たちが欠けたピースを補い、川崎F戦や浦和戦でつかんでいた手応えをようやく勝点に昇華させることに成功した。特に、センターバックで先発した西河は、センターバックのコンビを組んだばかりの小原章吾と声を掛け合いながら立ち上がりの1失点に抑え、終盤にはセットプレーから1得点1アシストを記録した。今節も前節同様のメンバー構成になりそうだが、立ち上がりの無失点に抑えることと先制点奪取を果たすことで、連勝と4月5日以来となるホーム戦勝利の足がかりにしたい。

 磐田はリーグ戦再開後、鹿島戦、柏戦と連敗を喫したものの、前々節の広島戦では1−0、前節の大分戦では3−1として2連勝。前節・大分戦は前半ロスタイムに駒野友一のフリーキックで先制し、後半は前田遼一の2ゴールで突き放した。開幕からの2戦で10失点を喫し、シーズンは最下位からのスタートとなったが、8試合6ゴールをもたらしたイ・グノの活躍によって混戦の中位に潜り込み、大分戦の勝利で7位まで一気にジャンプアップした。広島戦、大分戦ともに相手ペースの苦しい試合だったが、「選手たちがひとつになって粘り強くプレーをするというのは非常に大事なこと。それが90分の中でだいぶできるようになったかなと思っている」「チームとしての守備も浸透してきた。この点については、そのまま後半戦に向かっても、それほど崩れないだろうと思う」と、柳下正明監督も組織としての安定感を実感する。

 前田を生かしながらチーム全体を機能させる成岡翔や、バイタルの起点を潰しながら攻め上がるサイドバックのカバーにも奔走する那須大亮など、バランスを取れる選手の活躍によって守備の粘り強さをベースにするチームの戦い方は定まってきている。そして、相手陣内で勝負どころのプレーで際立ち、決定的な仕事をしているのが前田とジウシーニョだ。前田はここ2試合で3得点。前節ではともにクロスから2得点を挙げたが、1得点目は一度ヘディングで競ったあとにフリーになる動き直しから、2得点目はジウシーニョがサイドで競っている間にマークを外すポジショニングと高いヘディングで、ストライカーらしい2得点を放っている。そして今節、磐田の原動力となるのが、開幕戦の記憶だ。昇格したばかりのチームにホームで大量6失点を喫したクラブ史に残る屈辱は、同じ相手を倒すことでしか消せるものではない。

 意気込む磐田に対し、山形の選手たちに、あの試合の結果を安心材料にする意識はない。キャプテン宮沢克行は「開幕のときの磐田ではない。難しい試合になると思う」と話し、GK清水健太も「磐田は開幕とは確実に違うと思う。恐ろしいぐらいに気合いを入れてくると思うので、飲まれないようにしなくちゃいけない」と警戒を強めている。そのなかで、小林伸二監督は「磐田は守備的で堅い。気合いを入れてかかってきてくれるといい」と、リスクをかけた攻撃に対しウェルカムの姿勢も見せている。もしも磐田が闇雲に気持ちだけをぶつければ、それこそ開幕戦の再現になり兼ねない。熱さの一方で冷静な試合運びが求めらるが、あの記憶が、スタジアムのナイター照明以上にくっきりとした影を落とすことは間違いない。

  「こっちは余裕がないから一生懸命やるだけ」。リーグ戦の日程を半分消化した小林監督は、チーム力の分析では謙虚な姿勢を崩さない。が、そのなかで実感していることがある。「J1はおもしろいということを、選手もスタッフも思っているし、サポーターも思ってくれたんじゃないかなと思う。少しいいシーズンの入りをしたのでちょっと欲張ったところがあったかもしれないけど、昨年と比べると一戦一戦の重みがある。モチベーション高くやれるし、私自身もものすごく楽しい」。

 開幕戦の試合メンバー表にJ1出場試合数0と記録されていたひとり、秋葉勝は、チームに負傷者が相次ぐなか、カップ戦6試合を含む公式戦23試合すべてで先発出場を続けている。連戦による疲労も、勝てない時期の苦しさも経験しながらピッチに立ち続けたその口から漏れたのは、高みへのさらなる欲求だった。「J1はどの選手もうまい。そんなリーグでプレーできていることを誇りに思う。そして、来年もここでプレーしたい」。

 この先にはあるのは、ここまでの17試合以上にシビアな17試合。勝者と敗者をこれまで以上にはっきりと分ける、苦しくて、楽しくて、刺激的な後半戦が、この一戦から始まる。

以上

2009.07.18 Reported by 佐藤円
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