7月1日（水）J1 第10節 名古屋 vs 鹿島（19:00KICK OFF/瑞穂陸）
スカパー！生中継 Ch180 18:50〜（解説：森山泰行、実況：吉田太一、リポーター：尾原秀三）
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AFCチャンピオンズリーグ(ACL)開催により延期されていたJ1リーグ戦第10節だが、名古屋にとっては正念場の趣きが強くなってきた。前節の新潟戦を落としたことで、順位は12位まで後退。ACLラウンド16では水原に勝利したものの、リーグ戦は3連敗中で、勝利から遠ざかること5試合と不調をかこっている。これ以上の敗戦は避けたい中、迎える相手は現在首位を独走する鹿島。この一戦は名古屋にとって、今後の戦いを大きく左右する可能性がある。

鹿島はACLでは惜しくも敗退したが、リーグ戦では好調をキープ。前節の大分戦の勝利でリーグ戦は7連勝を記録し、勝点は15試合で30を超えた。ACLのショックを引きずることなく、いまだリーグ戦では1敗のみ。驚異的な安定感で首位に君臨している。

名古屋は前節、負傷欠場の続いていたマギヌンが戦列に戻り、久々にベスト布陣を組むことができた。しかしそのマギヌンが復帰戦で退場処分を受け、鹿島戦では再び代役の選定に頭を悩ませることになった。候補は新潟戦で今季初ゴールを挙げた杉本恵太か、津田知宏となることが濃厚。名古屋の攻撃がサイドハーフの働き次第ということは、第14節千葉戦を見ても明らか。この試合ではさらに、守備においての大きなポイントともなってくる。

今季の鹿島の大きな武器は、ボールを奪った瞬間に発動する超高精度のカウンターだ。相手がまだ守備陣形を整える前に攻めきってしまうスピードはリーグ随一。小笠原満男、野沢拓也など機を逃さないパサーと、マルキーニョス、興梠慎三というスピードと決定力を兼ね備えたストライカーが繰り出す速攻は、Jリーグ全チームにとって脅威の的。名古屋はまずこのカウンターに対するケアを徹底する必要がある。

その意味で鍵を握るのが、サイドハーフとFWの4名なのである。名古屋の攻撃は彼らへのパスから加速する。全体が前がかったところでボールを奪われれば、守備が整う前にカウンターの脅威にさらされることになる。それが続けば後方のサポートはうかつに上がれなくなり、前線へのロングボールに頼る悪循環に陥ってしまう。高さのある鹿島DFラインに空中戦を挑むのは得策ではない。名古屋は地上戦に勝機を見出すべきだろう。ACL水原戦の2得点はまさにその見本となるもの。玉田圭司やダヴィ、小川佳純らが絡んだ細かいパス回しで、鹿島の堅陣を足元から崩しにかかりたい。

もちろん、鹿島の攻撃はカウンターだけではない。速攻と遅攻を使い分ける試合運びの巧みさや、セットプレーの強さもリーグ屈指。昨季のホームゲームでは0−4と大敗しているだけに、名古屋はあらゆる局面で高い集中力を保つことが大前提となる。負ければ泥沼の4連敗。週末にはG大阪とのJ1リーグ戦第16節も控えている。悪い流れを断ち切る意味でも、再び上位戦線に浮上するためにも、首位を叩いて上昇気流に乗りたいところだ。

以上

2009.06.30 Reported by 今井雄一朗