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【J2:第21節 札幌 vs 徳島】レポート:勝点31同士の対戦は前半、後半に1点ずつを取り合う白熱のドローゲームに!(09.06.15)

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6月14日(日) 2009 J2リーグ戦 第21節
札幌 1 - 1 徳島 (13:03/札幌厚別/5,708人)
得点者:26' キリノ(札幌)、66' 石田祐樹(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 6/15(月)15:00〜(解説:大森健作、実況:岡崎和久、リポーター:藤井孝太郎)
勝敗予想ゲーム
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同じ勝点31で6位、5位と順位表に名を連ねていた札幌と徳島との直接対決は、最後まで目の離せない白熱した戦いとなりながら、最終的に1−1のスコアでドロー。順位の入れ替わりは起こらなかった。

試合前日もそうだし、試合開始直前にもたくさんの雨が降った札幌市内。公式記録によるピッチ状態は「良芝」ながらも「水含み」。そのため、開始直後から足を滑らせる選手が何人かいたり、足下が安定せずどちらもパスをうまく展開できないため、序盤はボールの動きよりも接触プレーなどの方が多いガチガチのフィジカルゲームとなっていた。

そうしたなかで、時間が経つに連れてリズムを得たのがホームの札幌だった。前線のキリノにしっかりとクサビのボールが収まり、そこからの展開でスピーディなチャンスを演出し始めたのだ。そして26分には宮澤裕樹からのスルーパスに反応し、キリノがしっかりとゴールネットを揺らした。

この先制点も見事だったが、特筆すべきはその得点が生まれる時間帯の札幌のゲーム運びだろう。流れを掴み出した直後は縦にスピードのある攻撃を幾度も仕掛けていたが、その内容は若干淡白でリズムチェンジに乏しかった。しかし、このキリノの先制点が生まれる直前の時間帯というのは、最終ラインでボールを動かしてサイドに起点を求め、そこで手詰まりになれば再び最終ラインに戻して再びビルドアップ。そこから守備的MFを経由して一気にスピードアップし、緩急をつけた攻撃で決定機へと結びつけたのだ。この一連の流れは非常にクオリティの高いものだった。

一方、徳島の方もパスセンスを持つ倉貫一毅が両チームのシステムのマッチアップによって生まれるスペースを巧みに利用。そこからシンプルに徳重隆明にパスを展開する攻撃で得点をうかがったが、パスに長さが足りず、札幌のDFラインに揺さぶりをかけることができず、中央の趙晟桓と吉弘充志の2人だけで簡単に対応されてしまっていた。攻守両面を含めても前半は完全に札幌のゲームだったと言っていい。

しかし、後半に入ると流れが変わる。「FWの2人に、裏に抜け出すように要求した。最初の動き出しで、相手のCBは怖くなったと思います」と徳島の美濃部直彦監督が明かしたように、後半の立ち上がりから徳島は札幌DFの背後を徹底して狙うようになる。そうして札幌の最終ラインが位置を下げると、今度はそうして生まれたMFとDFとの間に徳重らが入り込み、左右に浮き球を配球して押し込む。これらのプレーが実り、後半開始直後には決定機を2つ続けて演出。そして66分には待望の同点ゴールが生まれた。

石田祐樹がヘディングで決めた得点はCKからによるもので、前述した裏へ抜け出す動きによるものではない。ただし、このCKを得たプレーは、裏への動きによって札幌の最終ラインを深くしていたからこそ発生したもの。札幌がラインを高く保てていれば、CKには発展せず、前方へのクリアあるいはスローインに逃れられていた可能性もある。その意味では、この同点ゴールはセットプレーから生まれたものだが、相手DFラインの背後を狙うという戦略があってこその得点だと見ることもできるはずだ。

こうして試合は1−1のスコアとなったわけだが、そのまま迎えたラスト15分の戦いは見応えたっぷりだった。両チームが攻撃的な選手交代を3つ行い、守備ではなく、あくまでも攻撃を活性化させる。札幌に至っては前線の人数を増やしてまで得点を奪いに出た。勝点31で並ぶチーム同士が、勝点3を求めて激しくぶつかり合う様は、戦術などを超越した本当の真剣勝負だった。

札幌は今季初出場となる長身FW中山元気にボールを集めるパワープレーを敢行。この中山は出場した数分間の間に3本ものシュートを放ったり、長身を活かしたヘディングでの折り返しでチャンスを幾つも演出。対して徳島は選手交代こそ活きなかったものの、登尾顕徳、三木隆司のCBを中心に体を張った守備で応対。ギリギリのところで札幌の攻撃を凌ぎきり、引き分けに持ち込んだ。

試合後、徳島の美濃部監督が「勝点1持って帰れるということは良かったと思う」と言い、徳重も「順位の近い相手だったことやアウェイゲームだったことを考えると、悪い結果ではない」。対して札幌は多くの選手が「先制しての引き分けなので・・・」と言葉数が少なかった印象がある。同じ勝点1でも、捕らえ方というのは大きく異なるケースもあるのだな、とあらためて感じさせられた試合だった。

だが、決して間違ってならないのは「勝ちに等しい引き分け」や「負けに等しい引き分け」というのは普通に考えて絶対にあり得ないということ。引き分けは、引き分けだ。勝点1はどんな角度から見ても、3や0にはならない。ただし、見方を変えることによって今後の勝点3につなげることはできるかもしれない。札幌も徳島も、この1週間でこの勝点1を、勝点3につなげるための作業をしていくことになる。

以上

2009.06.15 Reported by 斉藤宏則
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