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【J2:第21節 福岡 vs 仙台】レポート:福岡、高い守備意識でホームで2か月ぶりの勝利を飾る。仙台は一発に泣いて5連勝ならず(09.06.14)

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6月13日(土) 2009 J2リーグ戦 第21節
福岡 1 - 0 仙台 (13:03/レベスタ/5,078人)
得点者:60' 岡本英也(福岡)
スカパー!再放送 Ch185 6/15(月)07:30〜(解説:サカクラゲン、実況:南鉄平、プレーヤー解説:布部陽功、リポーター:森田みき)
勝敗予想ゲーム
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福岡にとっては苦しい試合だった。試合をコントロールしていたのは間違いなく仙台。立ち上がりから主導権を握られ、ほぼ一方的にボールを支配された。残り15分を切ってからは、4−3−3の布陣に変更した仙台の攻撃に対応しきれず、ゴール前に釘づけにされる時間が続いた。「今日は仙台のペース。アビスパがいたかどうか分からなかった。今日はそんなゲーム」。エリゼウ(仙台)の言葉も認めざるを得ない内容だった。

それでも福岡は、全員の力を合わせ、ゴールポストを味方につけて、ゴールを与えなかった。決して計算された守りではない。不格好で、泥臭い、けれど、気持ちだけは負けない守備だった。そして4分間のロスタイムを経て、レベルファイブスタジアムに試合終了を告げるホイッスルが鳴り響く。「ピッチの11人、途中出場の3人、そしてベンチに残っていたメンバーとスタッフ、全員が力を合わせて耐えて勝った試合」(鈴木惇・福岡)。どの選手の表情にも、全員で戦えたことに対する満足感が浮かんでいた。

福岡の最大の勝因は守備意識の高さ。仙台にボールを支配される展開にも2トップの大久保哲哉、高橋泰を含めて、全員が自陣内に戻って守備ブロックを形成。引き気味に体制を整えて縦に仕掛ける隙を与えなかった。そして中央では、今シーズン初先発の長野聡が高さと集中力を発揮して仙台に攻撃の起点を作らせない。
その一方で、少ないチャンスを確実にシュートに結び付けた。前半に放ったシュートは仙台の5本に対して福岡は4本とほぼ互角。劣勢の展開も粘り強く進めればチャンスになるという事実は、高い守備意識を維持する大きな力になったはずだ。その結果の前半の0−0は福岡にとっては狙い通りの展開。スタジアムにはいつもと違う空気が生まれた。

そんな前半を斉藤大介(仙台)は、「福岡の守備の意識が高く、ボールは支配しているけれども破れないという時間帯が続いてた。そこでワンタッチとか、突破のドリブルだとか、決定的な仕事が出来る選手がいなかったというゲームだった」と振り返る。
しかし、仙台の前半の戦い方も決して悪くはなかった。ゲームをコントロールしながら体制を整えて勝負どころで一気に仕掛けてゴールを奪うのが、今シーズンの仙台の戦い方。しかもサッカーは90分の勝負。守備意識の高い福岡に対して前半のうちからリスクを背負う必要はない。いつものようにゲームをコントロールしての前半の0−0というスコアは仙台にとっても想定の範囲内。後は仕掛けるタイミングさえ間違わなければ問題のないゲームだった。

双方の思惑通りに進む試合を決めるゴールが生まれたのは60分。セットプレーの後、そのまま前線に残るエリゼウの足元に入ったボールを大久保がインターセプト。そのボールを高橋がドリブルで仙台陣内へ持ち込んで、左サイドを上がってきた岡本英也へラストパス。ダイレクトで振り抜いた岡本の鮮やかなループシュートがゴールを捉えた。
自陣の深い位置でボールを奪った大久保の守備意識、巧みな位置取りとボールを引き出すタイミングの良さという自身の特長を生かしてチャンスを広げた高橋。そして、決定的な仕事をした岡本。最高のゴールシーンにスタジアムは大歓声に包まれた。

何より結果が必要だった福岡にとっては、大きな、大きな勝利。「勝てたことを素直に喜びたい」と篠田善之監督は試合を振り返った。しかし、福岡が抱える課題が解決したわけでも、置かれている状況に大きな変化があったわけでもない。篠田監督は「やられてもおかしくないシーンを見せてしまったこと、自分たちのリズムを取り戻すという部分ではまだ課題が多い」とも話す。必要なことは、この結果を続けながら課題を修正していくこと。大事な試合は目の前に控える次の試合だ。

そして敗れた仙台。福岡の現状を考えれば、J1昇格争いの真っただ中にいる仙台にとっては確実に勝点3を取りたかった試合。手痛い敗戦だった。
しかし、縦に速いけれども落ち着きに欠く昨年までのチームから、ゲームをコントロールするチームにレベルアップした仙台は、この日も、その特長を十分に発揮。失点の引き金となったプレー、終盤の決定機を逃したことは反省すべきだが、いずれも個人戦術の問題と言えるもので、チームとしての戦い方に問題はなかったと言える。敗れたとはいえ、仙台がJ1昇格争いの中心にいるにふさわしいチームであることを改めて印象に残した試合でもあった。

以上


2009.06.14 Reported by 中倉一志
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