6月13日（土） 2009 ヤマザキナビスコカップ
新潟 1 - 2 大分　（14:00／東北電ス／20,560人）
得点者：0' 梅田高志（大分）、44' 松下年宏（新潟）、73' エジミウソン（大分）
★ヤマザキナビスコカップ特集
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大分が新潟を2-1で下し、3月のリーグ戦第2節京都戦以来、公式戦17試合ぶりの勝利を挙げた。試合開始50秒ほどで、梅田高志が先制点、1-1で迎えた後半28分には途中出場のエジミウソンが決勝点を奪った。
新潟は前半終了間際に松下年宏の2試合連続ゴールで追いつくが、その後はチャンスを生かし切れなかった。

試合終了と同時に、ビッチ上の大分メンバーは表情を緩めた。3カ月にも及んだ未勝利のトンネルをくぐり抜けた瞬間、一気に緊張が解けた。「長かった。（未勝利の3カ月は）つらい時期だった」。シャムスカ監督が思わず本音を漏らした。その苦しさをぬぐい去るような、大分らしい粘り強い戦いぶりだった。

開始早々、梅田が先制パンチ。「ボールをもらったとき、フリーだったので打ったらいいところに入った」。左サイドからつながったボールを豪快にたたき込んだ。前半のうちに同点に追いつかれるが、集中力は切れなかった。ボールを持った相手に、2対1の局面を作ってボールを奪いに行く。奪ってからはすかさずカウンター。後半28分、右サイドから崩し、エジミウソンが勝ち越し点を奪った後はブロックを作ってゴール前を死守する。

「メンタルのコントロールがうまくいった」。シャムスカ監督が言うように、集中力を最後まで持続した。前節の磐田戦は終了間際に追いつかれて2-2のドロー。今季、何度も味わってきた勝ち切れない悔しさを、この試合ではきっちりと形につなげた。「今日は集中していた」。好セーブを連発した西川周作は言う。粘り強い守備で新潟が放った15本のシュートのうち、14本を空砲に終わらせた。昨季、リーグに旋風を起こした、したたかな戦い方が蘇った。
ウェズレイがスタメンに戻り、エジミウソンも1カ月ぶりの戦線復帰。森重真人ら故障者もリーグ戦再開に向けて順調に回復している。ヤマザキナビスコカップの最終戦で見せた執念は、巻き返しを図るリーグ戦の、最高の起爆剤になった。

一方の新潟はこれで公式戦5連敗。「非常にまずいゲームをしてしまった」。鈴木淳監督は厳しい言葉を口にした。大分とは対照的に、集中力の欠如が致命傷になった。開始直後の失点は、ゴール前にも関わらず足が完全に止まった状態。後半に許した決勝点は2対1で守りながらも、マークの受け渡しがスムーズにいかず、ゴール前でエジミウソンをフリーにした。「試合の入りがフワッとしていた。全体的になんとなく守備にいっていた」。ゲームキャプテンの本間勲は険しい表情だ。

前節の広島戦は1-5で大敗。足が止まり、細かいミスが目立った。その反省を持って臨んだ一戦だったが、重要な場面で反応の鈍さが目立った。唯一、新潟らしさを見せたのは前半終了間際の松下のゴール。本間勲から大きくつないだパスを、左サイドで松尾直人がキープ、そこから入ったクロスを頭で押し込んだ。素早くつないで、サイドから仕掛ける形ができていた。松下は広島戦に続いて2試合連続ゴール。ただ、「僕が取らなくてもいいから勝ちたかった」と無残な結果に、口元が緩むことはなかった。

試合後、新潟ゴール裏のサポーターから起きたのは「闘え新潟」のフレーズの応援歌。「サポーターの言う通り。もっと闘わなければ」と本間。リーグ戦再開初戦は相手はG大阪（6/20＠万博）。ヤマザキナビスコカップで味わった悔しさをに変える場にしなければならない。
はっきりとした結果を残した大分は、好ムードでリーグ戦に備える。再開初戦は川崎F（6/20＠等々力）。
ともにリーグ戦第14節は、この試合で体験したことが試される一戦になる。

以上


2009.06.14 Reported by 斎藤慎一郎（ニューズ・ライン）