6月3日(水) 2009 ヤマザキナビスコカップ
清水 2 - 1 千葉 (19:00/アウスタ/10,214人)
得点者:19' 原一樹(清水)、89' 兵働昭弘(清水)、89' 下村東美(千葉)
★ヤマザキナビスコカップ特集|チケット情報
----------
「本当にミーティングで言われた通りだった」。左足の難しいシュートを決めた原一樹も、アシストのスルーパスを送った藤本淳吾も口を揃える。
19分に清水が先制ゴールを決めた場面。千葉の側から言えば「池田(昇平)が相手FWの動きにつり出されて、そこのスペースを福元(洋平)のサイドから入られてしまった」(アレックス・ミラー監督)という状況だが、センターバック2人のギャップを狙って左の藤本からパスを送るというのは、清水が綿密なスカウティングから狙っていた形。まさに思惑通りのゴールシーンだった。
しかも、ケガから復帰後もなかなか調子が上がらず苦しんでいる藤本が、今季初アシストを決め、PKの1点しかゴールがなかった原が、流れの中では今季初ゴール。役者という意味でも申し分なく、前半のうちに先制点を奪うというのもゲームプラン通りだった。
ただし、内容から言えば、清水は決して納得できるものではなく、むしろアウェイの千葉が良い形で試合に入っていた。千葉は前線からアグレッシブにプレッシャーをかけ、DFラインを上げて全体をコンパクトに保ち、清水のパスワークに自由を与えない。そのため、清水はなかなか自分たちのリズムを作れず、サイド攻撃もあまり機能せず、立ち上がりから攻勢をかけるという狙いは形にならなかった。前半の清水は、シュート3本で、CKは0本。そのデータが試合内容もよく物語っている。
それでも30分以降は、ようやく清水のパス回しにリズムが出始めたが、千葉のDFラインは回されてもラインを下げることなく、なかなかつけいるスキを見せない。前半のアディショナルタイムには、児玉新の左クロスから藤本がフリーでヘディングする場面があったが、これはGK正面で追加点にはつながらなかった。
だが、そんな清水も、守りではほとんど破綻がなく、千葉にチャンスらしいチャンスを与えない。巻誠一郎へのロングボールにはセンターバックの岩下敬輔と青山直晃がほとんど競り勝ってつけいるスキを与えず、サイドからの攻撃に対してもスペースを与えず、きっちりと対応した。その結果、前半の千葉はシュート1本、CKは3本。こちらもなかなか攻撃の糸口を見つけ出せずにいた。
後半に入ると、先に清水がペースをつかみ、千葉も反撃を強めて、前半よりもゴール前のシーンは増えていく。17分にはヨンセンのシュートが、23分には米倉恒貴のシュートがそれぞれバーに当たるなど、お互いに決定機も作ったが、わずかなズレによってスコアは動かない。
その中で千葉は、13分に投入したミシェウが、清水の守備ブロックの隙間に顔を出してボールをつなぎ、徐々に押しこむ時間を増やし、シュートシーンも作っていった。それに対して清水は、30分にマルコス・パウロをボランチとして投入。パウロが引いて守るのではなく、アグレッシブに前にボールを奪いに行ったことが、大いに守備陣を助けた。
そうして再び拮抗した展開になったまま、時計の針が44分を指したところで清水が右FKを獲得。そこから高木純平がゴール前に入れたクロスボールを、ヨンセンが頭で正確に落とし、フリーになっていた兵働昭弘が思いきり左足を振り抜く。これが左ポストぎりぎりに決まり、清水が待望の追加点をゲットした。
だが、それでも千葉はあきらめず、アディショナルタイムに入って右から攻めこみ、深井正樹がシュート。ここはGK山本海人に弾かれたが、こぼれ球を下村東美が豪快に決めて1点を返す。さらに同点ゴールまで奪う時間はなかったが、試合展開からいっても、清水が2点目を取っていなければ、本当にどうなるかわからないゲームだった。
内容はもうひとつながらも、とにかく狙い通りの試合展開に持ちこみ、勝点3をつかんだ清水と、全員がハードワークして気持ちの入ったプレーを見せたが、攻撃の工夫を欠いて勝点を取れなかった千葉。トンネルから抜け出しかけているチームと、なかなか出口が見えてこないチームとの差が、結果にも表われたゲームと言えるかもしれない。
以上
2009.06.04 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
一覧へ【ヤマザキナビスコカップ 清水 vs 千葉】レポート:内容はもうひとつながらも、勝ちきる要素を身につけてきた清水が、狙い通りの先行逃げ切り(09.06.04)
- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- 2024J2昇格プレーオフ
- J3・JFL入れ替え戦
- bluelock2024
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off