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【J1:第12節 柏 vs 鹿島】レポート:鹿島が王者の貫録で4連勝。柏は後半に猛攻を仕掛けるも、あと一歩及ばず。(09.05.17)

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5月16日(土) 2009 J1リーグ戦 第12節
柏 1 - 2 鹿島 (16:04//10,651人)
得点者:8' 興梠慎三(鹿島)、11' 興梠慎三(鹿島)、50' 大津祐樹(柏)
スカパー!再放送 Ch183 5/18(月)14:00〜(解説:都並敏史、実況:下田恒幸、リポーター:脇本カオル)
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先行逃げ切り。今季の鹿島を一言で表すならばこの言葉が適切だろうか。第3節と第4節には、試合終了間際のゴールで劇的な勝利はあったが、勝利を収めた多くのゲームが前半15分以内という早い時間帯にゴールを挙げ、そのまま逃げ切っている。対する今季の柏は、前後半で同じチームとは思えない二面性を曝け出し、「表の顔」では素晴らしいサッカーを披露するも、結局「裏の顔」が作ったツケを支払うことで、結果には結びつかない。柏と鹿島の対決は、そんな両者の色合いが鮮明に投影されたゲームとなった。

日立台の異様なボルテージにも後押しされ、柏の選手たちのモチベーションもまた相当高かったに違いない。だが、8分の小笠原満男からのFKを興梠慎三が頭で合わせて鹿島が先制すると、この痛烈な一発に柏のメンタルは一気に沈静。11分にもスローインから小笠原が左サイドを突破し、ゴール前へのパス。これを鮮やかなワンタッチで柏DF古賀正紘を振り切った興梠が反転と同時に左足で蹴り込み2−0した。畳みかける鹿島は、その直後の14分にも好機を作りだす。マルキーニョスのドリブル突破と興梠の絶妙のスルーが演出した増田誓志のシュートがもし決まっていたなら、ゲームの勝敗はおそらく決したことだろう。だがここは辛くも柏GK菅野孝憲がファインセーブで食い止めた。

この序盤のゴールを含む鹿島の攻勢は、単に両チームの力の差や勢いが表れただけではなく、鹿島が柏のウィークポイントを的確に突いてきたことによるものだ。「リスタートからの守備の練習はしていない」(菅野)という柏側からすれば、セットプレーの際のマーキングは当然のことながら疎かになる。興梠が1点目を振り返って話した「僕にはマークが付いていなかったからチャンスだと思った」という言葉がそれを如実に物語っていた。そして2点目も「向こうは反転に弱いということはわかっていた。タッチがうまくいけばチャンスになると思っていた」と、興梠は柏DF陣の弱点をしたたかに狙ったことを口にした。

柏のライン設定は乱れ、最終ラインと中盤の間が開いてしまい、そこに生じたスペースを興梠、マルキーニョス、増田、本山雅志が巧みに使う。また、柏がボールを奪ったとしても前線の動きが乏しく、中盤の鎌田次郎、山根巌、栗澤僚一らは、パスコースを見出せずに結局DFにバックパス。昨年8月の柏入りからこの日ようやく初スタメンでピッチに立ち、柏の低迷脱出の起爆剤としての役割を期待された澤昌克は、岩政大樹、大岩剛という2枚の壁に阻まれ、完全に動きを封じられていた。柏の前半45分は攻め手を欠いたものに終始した。
後半開始から柏は澤に代わり、大津祐樹を投入。大津の持ち味であるドリブルからのタメ、そしてハーフタイムの修正でDFラインの押し上げも素早く機敏になったことで、ようやく反撃に出られるようになる。50分、左サイドの大津が、中央から斜め前方の左オープンスペースに走り込んだ菅沼実へとつなぎ、菅沼の折り返しをゴール前に走り込んだ大津が右足アウトサイドでゴール右隅に流し込み1点差に詰め寄った。57分にはFKのチャンスから石川直樹折り返しを決めた鎌田のヘッドはオフサイドでノーゴールとなるも、柏が勢いを取り戻しつつあった。

77分、小笠原がこの試合2度目の警告を受けて退場になり、数的優位を得た柏。すかさず高橋真一郎監督は、山根に代わりFW李忠成をピッチに送り、さらにDF古賀も前線へとポジションを上げ、同点ゴールを狙うべく勝負に出る。だが圧巻なのはここからのオリヴェイラ采配である。柏が左に大津、右に菅沼を置き、サイドからのクロスでゴールを狙ったのに対し、鹿島はシステムを4‐4‐1へと変え、大津には青木剛と内田篤人、菅沼には増田と新井場徹が付くことでサイドを封じ、クロスボールの供給源を絶ったのである。「サイドを徹底的に抑え、彼らが中央からロングボールを入れてくるようにすれば、我々のセンターバック、サイドバック、ボランチ、キーパーも含めて処理もしやすい」と語ったオリヴェイラ監督の采配がズバリか。柏は外へボールを持ち出すことができず、低い位置から正面のハイボールを供給し続けたが、岩政、大岩、曽ヶ端準が跳ね返し、ロスタイムの5分間も集中切れずに1点のリードを死守した。

4連勝の鹿島と3連敗の柏。この1試合だけに限定すれば、非常に見応えのあるゲームだった。その中であらゆる局面、攻防のひとつひとつで鹿島は柏の上手をいき、王者としての貫録を見せつけたのもまた事実である。とはいえ、敗れた柏も悲観することはない。鹿島を追い詰めた後半45分間のプレーが90分に渡ってできさえすれば、つまり今季多くみられる「二面性」を良い状態の「一面」だけにできれば、現状からの脱出は難しいことではないはずだ。

以上

2009.05.17 Reported by 鈴木潤
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