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【J1:第12節 川崎F vs 磐田】レポート:手負いの川崎Fがリーグ戦初となる連勝を今季初の無失点試合で達成。イ・グノを止められた磐田は、相性のいい等々力での川崎F戦で初の敗戦を喫する。(09.05.17)

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5月16日(土) 2009 J1リーグ戦 第12節
川崎F 2 - 0 磐田 (15:03/等々力/16,329人)
得点者:82' ジュニーニョ(川崎F)、89' 鄭大世(川崎F)
スカパー!再放送 Ch183 5/19(火)21:00〜(解説:永井洋一、実況:西岡明彦)
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勝利した川崎Fの選手たちは一様に前半についての反省の弁を繰り返していた。たとえば中村憲剛は「今日は前半から厳しい試合で、我慢の試合でした」という言葉を口にし、また森勇介も「前半は相手に押されっぱなしで、うちの形を作れなかった」と前半を振り返っていた。実際、記録上は磐田の前半のシュートが8本。4本にとどまった川崎Fの2倍のシュートを放っており、14分にはCKから那須大亮がフリーでヘディングシュートを放つなどの決定機を作り出していた。

ただ、それにしても川崎Fの戦いぶりは選手たちがいうほどには悪いものではないように見えた。というのもボール支配率では両者とも甲乙つけがたい内容を見せており、結局のところ今季の序盤戦の川崎F攻略のセオリーだった「しっかりした守備ブロックを作る」という守備を磐田が実行し、それを川崎Fが崩せなかったという事だったからである。

ボールはまわせるが、シュートでは終われない。磐田の守備陣にボールを引っ掛け、ボールを失った川崎Fは磐田の各選手の個人技をベースとした攻撃を受けざるを得ず、それが磐田の前半の8本のシュートへとつながった。ボール支配率と結果とが同期しないのは仕方ないが、試合を外部から見ているものの感覚と、実際に試合を行っている選手たちの感覚とが乖離していたのはつまり、それだけ川崎Fが集中した守備を続けていたという事なのだろうと考えている。攻めよりも守りのほうが体力が必要になる。ボールをまわしているように見えた川崎Fは、守備の局面で見た目以上のハードワークを強いられていた。ただ、そうやってハードワークした事で、川崎Fは無失点で前半を折り返すこととなる。そして結局のところ、それがこの試合の勝敗を分ける事となった。

結果的に試合を決めたのは川崎Fの2トップである。ただ、ジュニーニョ、鄭大世の得点が生まれたのは川崎Fの急造CBコンビの活躍があったからである。特にイ・グノに対するハードマークを完遂した菊地光将のプレーは見事だった。その菊地とコンビを組んでいた井川祐輔はCBとしても十分な経験を持っているが、前節の浦和戦でCBとして今季初先発した菊地はそうではなかった。だからこそ、イ・グノを止め続けた菊地の働きは賞賛に値するものだった。

そしてそのイ・グノにのみとらわれることなく、前田遼一やジウシーニョ、西紀寛といった強力な磐田の攻撃陣を沈黙させた川崎Fの選手たちの守備意識の高さにも言及しなければならないだろう。そうして磐田の攻撃を耐えた事で、川崎Fは反撃に転ずる。「後半に勝機が来ると思っていました」と口にする中村は、後半の磐田について「相手は間延びし始めました」と振り返っている。アクシデントにより今季先発フル出場を続けてきた茶野隆行が前半の38分にピッチを後にし、大井健太郎が最終ラインに入っていたという事情もあるのかもしれないが、守備陣と攻撃陣とが統制を失い、スペースを生み始めていたのである。

そんな中、関塚監督は勝負の采配を振るう。0-0で推移していた後半の73分に、川崎Fの最初の交代カードとして、リーグ戦初出場となる木村祐志を投入したのである。木村は「ケンゴ(中村)さんもタニ(谷口)さんも向こうのボランチに行けていなかったので、自分が行ってコースを消すようにしていました」とその仕事を説明。フレッシュさを前面にだしたプレーによって、ピッチを走り回った。

結果的にその木村が得点に絡む事はなかったが、体力を失いつつあった磐田にとってはストレスになったはず。そして試合が動く。後半の82分。自陣の深いポジションでボールをキープした森勇介が、右サイドのレナチーニョへパス。と同時に前線のスペースへ猛烈なスピードで走り込み、リターンパスを受ける。森は悠然としたドリブルからファーポストへとクロス。「まぐれです。見えていなかったし、ジュニーニョがうまく入って来てくれました」(森)というボールを入れ、これがファーサイドのジュニーニョへ。

「いつもファーで待つんですが、今日は相手のディフェンダーがボールを待っていたように見えたので、そこで走りこもうと思いました」とジュニーニョ。「あの場面で決められるジュニーニョには感嘆しました」と鄭大世を脱帽させる先制点が生まれた。

ジュニーニョのゴールによってパワーバランスが崩れた事で試合終盤にかけて磐田が攻勢に出る。しかし同じような場面を前節の浦和戦の終盤に経験していた川崎Fは免疫ができていたのか、崩れる事なく試合を閉じていく。

話題のイ・グノを中心とした磐田の攻撃陣を押さえ込んだ川崎Fは、後半ロスタイムに鄭大世が2点目となるゴールを奪い、磐田を突き放す。結局このゴールの直後にタイムアップの笛が吹かれた。

川崎Fは、今季リーグ戦初の完封で初連勝。1試合少ない中、勝ち点を18へと伸ばしている。一方の磐田は、自慢の攻撃陣を封じ込められて敗戦。イ・グノを止められた際にチームとしてどう対応するのか、課題を突きつけられた形となっている。

以上

2009.05.17 Reported by 江藤高志
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