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【J1:第12節 浦和 vs G大阪】レポート:G大阪のポゼッションをねじ伏せてみせた浦和。0対0決着には様々な思いが渦巻いた。(09.05.17)

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5月16日(土) 2009 J1リーグ戦 第12節
浦和 0 - 0 G大阪 (14:04/埼玉/53,374人)
スカパー!再放送 Ch186 5/18(月)07:00〜(解説:川勝良一、実況:倉敷保雄、リポーター:朝井夏海)
顔写真クイズ勝敗予想ゲーム
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“空飛ぶオランダ人”こと、サッカー界の英雄ヨハン・クライフはかつて「シュートをバーに当てたら会場が盛り上がる」と語ったが、この日埼玉スタジアム2002でボールがバーに弾かれるたびにスタジアムのボルテージが上がっていくのを眺めながら、ふとそんな一言が思い浮かんだ。ただ、ひとつ異なったのは、クライフが前置きで大量リードを奪ったときと話していたのに対し、この日は1点もゴールが生まれていなかったということだ。

ホームでの連敗を避けるため、また互いを認め合うライバルG大阪を退けるべく、この一戦に臨んだ浦和。あと一歩のところまで迫りながら、ボールはゴールから跳ね返され、ついに10本のシュートが身を結ぶことはなかった。ただ、守ってはリーグ最多得点を記録するG大阪をシュート5本に抑え込み、見事零封に成功してもみせた。前節スタミナ切れなどで喫した3失点の呪縛を、早くも断ち切ると同時に、守備ブロックは再び安定化。フォルカーフィンケ監督も「4バックのポジショニングも改善され、連動した動きを見せてくれた」と改めて手ごたえをつかんだ様子だった。

一方、G大阪には緊急事態が勃発。ここまで公式戦9連発中のレアンドロが、ドリブル中にボールに乗ってしまい足を負傷する不運が起こり、前半40分で途中交代を余儀なくされる。好調ぶりを示すようにカウンターから何度か脅威となっていたエースが離脱すると、アウェイチームは得意のスタイルを披露することができず。指揮官が「ポゼッションし切れなかった」と認めるように、らしさを発揮することは最後まで叶わなかった。とはいえ、試合後に選手たちがサバサバした様子を見せていたように、浦和とのアウェイ戦で勝点1獲得というのはG大阪にとっても決して「最悪の結果ではない」ということのようだ。

それにしても、この試合を一言でまとめるのはなんとも難しい。各監督、選手のコメントを見れば、一層その思いは強まってくる。

「浦和はうまくなったなという感じは正直する。ただ、強さというのはあまり感じなかった」(西野朗監督/G大阪)
「本当に気持ちいい試合だった。僕らがずっと支配していたので、今日でG大阪の印象は変わった。」(エスクデロセルヒオ/浦和)
「勝たなければ意味がない。サッカーは点を取って勝つもので、チャンスが多ければ勝点3を取れるわけではない」(田中マルクス闘莉王/浦和)
「引き分けたにも関わらず、今日の選手たちのパフォーマンスには非常に満足している」(フィンケ監督/浦和)

それぞれの立場による発言だけに、ひとつの正解を求めることはできないが、相手チームの“強さ”にあえて疑問付を付けた日本人監督、あくまでも前向きで恐れ知らずな若手、勝ち試合を落としたことを心底憂うベテラン、自らのチームの成長に満足感を示すドイツ人指揮官と、試合後に明かされたそれぞれの心境はまさに三者三様に描かれることとなった。

ただ、スコアレスドローのなかに複雑な思いが絡み合う結果となったものの、「0対0というスコアで試合が終わったとしても、非常に魅力的な試合が展開されることがある」と語ったフィンケ監督の言葉は、無得点で白熱するという通好みの展開となったこの試合を指し示すひとつの真実だったように思う。

浦和にとっては勝つべきホーム戦を落としたことを貪欲に嘆くべきゲームであり、チームが着実に進化していることを前向きに捉えるべきゲームでもあった。ホームチームの今後の青写真を総括するように、「ラインをもう一個高い位置で設定できれば、攻撃がもっとスムーズになる」と話したのはG大阪の橋本英郎だったが、何より実際に敵選手が感じた生の感想は、どんな情報よりも参考になるものだろう。次節は累積警告で今季チームのキーマンとなっていた山田直輝が出場停止となる浦和だが、このドローが次につながるものになるかはヤマザキナビスコカップを間に挟んだあとの、大宮との「さいたまダービー」で証明されることになる。

以上
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