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【J1:第12節 広島 vs 山形】プレビュー:J2時代から手の内を知り尽くした両チームの対決。広島の美しいパスサッカーか、山形の力強いカウンターか。(09.05.16)

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5月16日(土)J1 第12節 広島 vs 山形(16:00KICK OFF/広島
スカパー!生中継 Ch183 15:50〜(解説:前川和也、実況:寺西裕一、リポーター:掛本智子)
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 「ある意味では、鹿島と闘うよりも、山形戦は難しい」とペトロヴィッチ監督が言うのには、理由がある。
 例えばダヴィ(名古屋)のように、個で崩すタイプのFWがいない広島にとって、もっともやりづらいのは相手がゴール前にブロックを築いた時だ。今季は名古屋や清水、そして前節の千葉も、そういうシステムで広島と対峙してきた。結果として広島は彼らに勝利することができず、前節は千葉に守り抜かれて敗れてしまった。
 J2でも経験してきたはずの「広島対策」だが、そうは言ってもそこにはクオリティの差がある。J2の時は必ずどこかで相手側にほころびが生じ、そこを広島の攻撃陣が抜け目なくつくことができた。しかし、J1では違う。90分間守りきり、一方でカウンターの恐怖を広島守備陣に与えることのできるタレントもいる。

 そして山形もまた、そういうチームの一つだ。実際、昨年のJ2での闘いで広島は山形の「対策」に苦しみ、第2クールでは長谷川悠の2得点で逆転負け。いずれの失点も、じっくりと守られた広島が焦りを見せた時につけこまれ、カウンターを仕掛けられたことから生まれた。左サイドバックの石川竜也のピンポイントクロスと長谷川のゴール前での強さが活きた、山形らしい見事な得点ではあったのだが、裏を返せば広島の自滅。そしてそれこそ、策士・小林伸二監督の狙いどころでもある。
 第3クールでこそ、広島は山形相手に4−0と圧勝したが、これは昇格のために山形が1ポイントではなく3ポイントを狙って攻めに出た結果。そしてこの時も、広島はミスから長谷川に決定的なシュートを打たれている。このゴールが決まって同点に追いつかれていれば、試合はどう転んだか、わからなかった。

 しかも今年の山形には、昨年とは違った武器がある。FWの古橋達弥と右サイドのキム・ビョンスクだ。スピードがありキックの精度が高く、裏のスペースへの飛び出しに長けている古橋のクオリティの高さは、改めて説明する必要もない。久しぶりにJ1に戻ってきた今年も既に3得点2アシスト。その2アシストはいずれも、長谷川へのゴールにつながったプレーだ。今節は怪我からの復帰濃厚のエースとのコンビが復活すれば、山形のカウンターの破壊力は一層あがる。

 そして、身体能力抜群の重戦車といっていいのが、185センチという大きな身体を持つMFキム・ビョンスクだろう。宮崎キャンプの練習試合で広島と対戦した時も、確かに荒さが目立ったものの、彼の強靭な身体を利したドリブルが有効に機能し、広島は彼を止めることに苦しんでいた。もし彼が機能しなくても、山形には宮崎光平がいる。古巣・広島に対して闘志を燃やすスピードスターは、キャンプ時の練習試合でも見事なゴールを叩き込んだ。山形の左サイドにばかり広島が注目していると、右サイドから強烈なゴールが生まれる可能性もある。

 広島の武器であり、最も豊富な人材を抱えているはずの中盤に戦線離脱者が大量に出てしまったこともあり、状況は非常に厳しい。しかし、選手たちの意欲はいささかも衰えていないことが救いだ。
 前節の千葉戦で痛恨のミスを犯し、失点の起点になってしまった柏木陽介は、こう語る。
 「あの試合のことは何度も思い返す。ここまで好調だっただけに、正直落ち込んだ。だけど、いつまでも落ち込んでいる場合じゃないし、練習からみんな『絶対に勝ちたい』という気持ちを出してやっている。それを続ければいい」。
 また、離脱者続出の現状を聞かれた佐藤寿人は、語気を強めて語った。
 「今、プレーできる選手で闘うだけ。いない選手のことを考えても仕方がないし、長いシーズンを考えれば必ず出てくる問題。連戦の疲労?もっと厳しいスケジュールで闘っている選手は、世界を見渡せば山ほどいる。この程度で弱音をはいてしまうようでは、それまでということ。大切なのは、千葉戦のような安易な失点をせず、90分間、試合をコントロールして闘うことだと思う」

 今季、その美しいパスサッカーを高く評価されてきた広島。しかし、数字を見れば勝点14で、昨年は一度も順位で下回ることのなかった山形(勝点15)の後塵を拝している。「広島は強いけれど勝てないチームやなんて、絶対に言わせたくない」という柏木の言葉はチーム全員の想いであり、サポーターの願いだ。厳しい現状に直面してはいるが、広島というチームは「もっと厳しい現実に立ち向かってきた。必ず乗り越えていく力を持っている」(ペトロヴィッチ監督)はずである。J2時代のライバル対決に、その反発力を見せつけたい。

以上

2009.05.15 Reported by 中野和也
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