5月10日(日) 2009 J1リーグ戦 第11節
鹿島 2 - 1 清水 (15:04/カシマ/19,154人)
得点者:4' マルキーニョス(鹿島)、50' 本山雅志(鹿島)、58' 枝村匠馬(清水)
スカパー!再放送 Ch182 5/11(月)14:30〜(解説:野々村芳和、実況:野村明弘、リポーター:高城光代)
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「我慢の試合になるのは最初からわかっていた。それをチーム全体でしっかり出来たからこそ、今日の勝利がある」
試合後のマルキーニョスの言葉がすべてを物語っていた。気温27.1度、湿度62%。5月とは思えないほどの暑さの中、7連戦を戦ってきた鹿島の選手の足が後半に止まることは容易に予想できた。しかし、終盤、劣勢に追い込まれながらも試合をコントロールしての逃げ切り勝ち。最後まで守備の集中力は切れず、シュートを防ぐ足が伸びた。得点も前半4分と、後半5分という早い時間帯。
「立ち上がりでなかなか集中しきれないところでうまく決められてしまったことが、この試合を難しくしてしまったと思います」
試合後、清水の長谷川健太監督は失点の仕方を悔やんでいた。
試合は、開始直後から鹿島が鋭いプレスを仕掛けた。2分、マルキーニョスが伊東輝悦と競り合いボールがこぼれる。それにいち早く反応した興梠慎三が、その勢いのままバウンドするボールをボレーシュート。惜しくもバーを越えたものの、ファーストシュートから両チームに勢いの差があることを感じさせた。
5分、逆サイドからの展開を受けた内田篤人が枝村匠馬を1対1でかわし、ファーサイドへセンタリング。興梠慎三がバネのあるヘディングで中に折り返すと、マルキーニョスが左足を一閃。低く叩きつけられたシュートがゴールに突き刺さり、鹿島が先制点をあげた。
さらに8分にも、内田が本山雅志との壁パスでDFラインを突破し、ゴール前に飛び込みながら左足のボレーシュートを試みるなど、セカンドボールをほとんど支配した鹿島が試合の主導権を握った。
しかし、それも20分のあたりまで。徐々に出足が鈍くなり、ボールの支配率は五分五分に落ち着くようになる。とはいえ、ボールを保持できるようになった清水は、各ポジションの選手が左右に小さく動くだけで足下へのパスが多い。岡崎慎司がスペースに走り込む動き見せたものの、攻撃の糸口を掴むことはできないまま前半を終えた。
「個の突破で割るしかなかなかチャンスがつくれない」
試合の状況をそう判断した長谷川監督は、右SBに辻尾真二を投入し、攻勢に出た。硬直化していたポジショニングも動き出し、攻撃が活性化された。しかし、その結果、中盤の守備がゆるくなってしまう。50分、中央の小笠原から左に開いた野沢拓也へパス。野沢がルックアップして、右サイドの前戦にいたマルキーニョスへやわらかいパスを送ると、そのタイミングで右にいた本山が2列目から左前に猛ダッシュ。本山が目の前を走り抜け、DFラインの裏に抜け出ることを察知したマルキーニョスはヘディングで裏のスペースへパス。本山は、飛び出してきたGKの西部洋平の動きを見ながら冷静にゴールへ流し込み、鹿島が追加点をあげた。
ただ、清水も黙っていない。58分、辻尾が右サイドでパク・チュホを引きずりながら粘り強く突破。ペナルティエリアに侵入するとマイナスのグラウンダーを送る。そこに枝村が飛び込み、強烈なシュートを決めて1点を返した。
その後、攻める清水に対し、カウンターで追加点を狙う鹿島という図式がハッキリと描かれた。清水は、藤本淳吾、原一樹を投入してさらに攻勢を強める。鹿島もカウンターからチャンスを迎えるが追加点を決めきれない。終了間際にはヨンセンや、藤本がシュートを放つも、いずれも鹿島の選手が足を伸ばしてシュートをブロック。枠をとらえるまでには至らなかった。
清水はこれで、6戦連続で未勝利となった。後半は相手を押し込んだだけに、前半の中途半端な戦い方が悔やまれる。中盤の守備にハードワークがあるわけでもなく、攻撃に鋭さがあるわけでもない。狙いを定めきれずに45分が過ぎてしまった。
鹿島はこれで3連勝。4月18日から始まった公式戦7連戦を5勝2分けで乗りきり、1試合消化試合が少ないながらも再び首位に返り咲いた。昨年のこの時期は、負傷者が出たことで戦力が激減し、勝ちきることが出来ずに失速した。今季も、負傷者は少なからずいるものの、選手を入れ替えながら戦うことができるようになったため、高いレベルを維持することが出来ている。さらに対戦チームとの日程の厳しさに差があったのも山形戦のみ。監督選手が「同じ条件なら負けない」と公言してきたことを証明して見せた。
以上
2009.05.11 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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