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【J2:第14節 徳島 vs 札幌】レポート:苦境を跳ね返す強さを見せた徳島。手にした勝点は1ながら、それは数字的価値を超えた貴重な収穫。(09.05.11)

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5月10日(日) 2009 J2リーグ戦 第14節
徳島 3 - 3 札幌 (16:04/鳴門大塚/3,319人)
得点者:18' 西大伍(札幌)、19' キリノ(札幌)、49' 徳重隆明(徳島)、54' キリノ(札幌)、74' 菅原康太(徳島)、77' 登尾顕徳(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 5/11(月)19:00〜(解説:逢坂利夫、実況:高松良誠、リポーター:藤原美佳、プレーヤー解説:西谷正也)
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徳島が加えることの出来た勝点は1。そのため今節ほぼ揃って勝利した上位陣との差はまた少し開いてしまった。とは言え、スタジアムでこの一戦を目にしたファン・サポーターにはそんなことなど全く関係なかったに違いない。2度も2点差になりながらそれを跳ね返し追い付いたチームの執念溢れる戦いに大きな興奮と満足を味わわせてもらった─、きっと誰もがその想いひとつだったはず。事実、試合終了と同時に沸き起こった拍手は選手たちがロッカールームへ消えかかってもなお止むことがなかった。
いずれにしても、勝点1は順位争い上の数字として捉えればもちろん最高のものではないが、今節徳島が刻んだそれは間違いなく数字的価値を超えたものだったと言えよう。ファン・サポーターの心を揺さぶる、またチームにとっても今後への自信に繋がる貴重な収穫であったのは間違いない。

ゲームを改めて追えば、前半の徳島は完全に札幌の力と勢いに飲み込まれてしまった。キリノやクライトンに起点を作られた右サイドからたびたび守備組織が崩されると、18分、その右サイドで与えたCKから先制点を奪われてしまう。しかも徳島は失点直後の浮き足立ったところを見透かされたように突かれ、すぐ1分後には一気の速攻からキリノに2失点目まで許すことに…。その後も札幌に危ないシーンを多く作られ自分たちの良さをほとんど出せないまま終えた前半は徳島にとって問題山積みの45分だったと言わざるを得ないだろう。

しかしながら、勝利への強い意欲を燃やす美濃部直彦監督の喝をハーフタイムに受けたチームは迎えた後半立ち上がりからガラリと姿を変える。「相手よりももっともっと走れ!走らないと勝てないぞ!」という指揮官の指示に応えるように個々が動きの量をアップさせ、前半影を潜めてしまっていた積極性も取り戻し始めた。するといきなりの49分、札幌DFラインの裏を取った佐藤晃大が倒されPK獲得。それを徳重隆明が落ち着いて決め反撃の狼煙を上げた。
さらに徳島は、2失点目と同じようにクライトンの1本のパスから再び2点差とされるゴールをキリノに決められるが、ここでも指揮官が交代カードによってもう一度導火線に火を付ける。続けて投入した六車拓也と菅原康太がピッチに入って間もなく結果を出したのだ。左奥に空いた札幌守備陣裏のスペースへ六車が絶妙のパスを入れると、そのボールを徳重がトップスピードのまま精度高く折り返し、最後はゴール正面へ走り込んだ菅原が頭で合わせて再度1点差に詰め寄った。

こうなると試合の流れは言うまでもなく徳島へ。そしてホームの大声援も受けたチームはついに77分同点に追い付く。出場停止のペ スンジンに代わりスタメンを任された登尾顕徳が「相手ゴール前では動いてマークを外すというより、むしろ自信のある高さで勝負しようと思っていました」という本人の狙い通りCKを高さで競り勝ちヘディングで押し込んだ。まさに値千金の同点弾。

と、こうして徳島はホームでシビれる同点劇を見せてくれた。手にした勝点1は冒頭で書いたようにスタジアムへ詰め掛けたファン・サポーターにとってもチームにとっても非常に価値あるものだったと言えるだろう。
だが、だからと言ってこの結果で良くなかった部分を覆い隠してしまってはならない。前半全体が積極的にプレーできなかったこと、先制された直後の締めなくてはいけない時間帯に続けて失点したこと、その2失点目と同じパターンで取られ追撃に水を差しかけた3失点目、追い付いた勢いを逆転にまで繋げられなかったことなど、チームには少なくない反省点が見えたのだから。次節対するは現在7連勝中と驚異の進撃を続けている仙台だけに、今週のチームにはそれらの改善と全体のさらなるレベルアップが絶対不可欠となる。

対して札幌だが、石崎信弘監督は「あの勢いで普通なら3-4と逆転されてもおかしくないゲーム展開でしたが、3-3で引き分けたということを前向きに考えて次一週間ありますので調整していきたいと思います」と語ったものの、内心やはり勝利を取り逃がした悔しさが大きかったであろう。完璧に試合をコントロールし2点のリードを奪った前半の戦いを維持できていればという悔いが残ったのは間違いないはずだ。ただ、徳島DF陣をいとも簡単に破った攻撃力は紛れもなくJ2屈指。その破壊力に戦いの安定感が加わればチームは鬼に金棒状態の組織にまでなれるのではないだろうか。
この戦いを受け修正を加えるであろう札幌の次節にも要注目だ。

以上

2009.05.11 Reported by 松下英樹
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