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【J2:第14節 横浜FC vs 栃木】レポート:焦りとミスの悪循環を脱することは、かくも難しいものか。横浜FCは自滅の形でシュート2本の栃木SCに苦杯をなめる。(09.05.11)

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5月10日(日) 2009 J2リーグ戦 第14節
横浜FC 1 - 2 栃木 (16:03/ニッパ球/3,829人)
得点者:15' 佐藤悠介(栃木)、33' オウンゴ−ル(栃木)、49' 池元友樹(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch183 5/11(月)16:30〜(解説:川本治、実況:中村義昭、リポーター:湯本久美)
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 13試合を戦って、1勝に留まっているチーム同士の対戦となったこの試合。勝てないチームは、戦術、コンディション、連携、メンタルなど、サッカーを構成する様々な面で本来のパフォーマンスに達しないことで、ある種の悪循環に陥りがちになる。その悪循環に対する処方箋を書くことは簡単ではないが、形はどうあれ勝点3を得ることは、持ち直すためのきっかけとなる。時には、幸運も必要となる。ただ、重要な場面でミスをするチームと、下手でも要所で粘り強さを発揮するチームのどちらにサッカーの女神が微笑むかと言えば、いちサッカーファンとしての願望も込めると後者になってほしいところ。この試合は、その願望に添う形で進行する。

 ゲームは立ち上がりからホームの横浜FCが攻勢に出る。2分に、右サイドを難波宏明が抜け出すと池元友樹がシュートを放つ。詰めた三浦知良が触れればというチャンスを作ると、4分にはコーナーキックに戸川健太がフリーで合わせる。この立ち上がりのチャンスを決められなかったことが、悪循環への入口になってしまう。栃木は、浮き球を織り交ぜ、横浜FCのプレスを中心とした守備の網にかからないようにゲームを進める。守備からの切り替えを身上とする横浜FCは、この状況でリズムを失っていく。そして、15分、ゴール前の混戦ではっきりしたクリアを行うことができず、佐藤悠介の前にボールが転がる。これを佐藤が冷静に押し込んで栃木が先制する。その後も横浜FC、スピードアップが必要なプレーで細かなミスが続き、連動した動きが途切れがちになる。そして、33分に栃木のコーナーキックでクリアのボールが三浦知に当たりオウンゴールに。ゴール前でセーフティなプレーを徹底できない形での2失点で前半を終了する。前半の栃木SCのシュートは、佐藤のゴールのわずか1本。横浜FCは完全に自滅の形となる。

 2点のビハインドを追った横浜FCは、後半も立ち上がりからゴールを狙いに出る。そして、49分西田剛が反転して放ったシュートのこぼれ球を池元友樹が決めて1点差に。その後も、58分に八角剛史からのクロスに三浦知がヘディングで合わせるが決めきれない。栃木からすれば「1点取られて嫌な感じはあった」(松田浩監督)というようにここ数試合の悪夢が浮かび、横浜FCとしてはホームの声援を受け、畳み掛けるような展開であるが、再び横浜FCは悪循環に陥っていく。西田が「ロングボールも多かったのでもうちょっと慌てずにいきたい」と反省するように、焦りがプレーに影響し、ロングボール主体の攻めになってしまうとともに、前半と同様に細かなミスが増えてくる。逆に栃木は落ち着いて粘り強く対応し、それらのミスをカウンターにつなげていく。公式記録上は、後半も栃木はシュート1本だが、危険な形を作っていたのは栃木の方といってもよかった。結局、横浜FCは差を詰める事なく試合は終了。栃木に、今季2勝目とアウェイ初勝利を与える結果となった。
 
 横浜FCは、3試合連続の2-1の敗戦で4試合連続の2失点。その4試合とも先制を許している。その4試合は、いずれもロスタイムや試合開始の時間帯やクリアミスなど、細心の注意を払わなければいけない状況での失点だ。先制を許し、失点が多くなることでチームに「またか」という思いが出てきそうな状況である。売りであるイニシアチブを持ったサッカーも、守備への安心感がベースにあってこそ成り立つもの。連戦が終わり1週間のインターバルを持てる今週に、解くべき課題を整理することが重要だ。チームとして、数ある課題をもぐらたたきのように五月雨式に解決するのではなく、例えば守備の安定を図るという形でチームに落ち着くよりどころを持つことが、メンタルの面での好循環をスタートさせるために大切になるだろう。

 その、「またか」という悪夢を払拭した栃木にとっては、この試合の勝点3の意味は大きい。「後半も早い時間に失点したが、そこから状態を立て直すことができたことは、何度も経験して学習したところ」(米山篤志)というように、これまでの苦労が報われた形となった。指揮官が「今日のようなメンタリティを持って試合を進められれば勝ち星は近づく。ただ続けるだけ」と述べるように、1点返されてから見せた粘り強い守備を今後も継続することが重要だ。監督が述べたように、決していつも確実に先制して逃げ切れるチームではない。その中で、勝点3が取れずとも、勝点1に結びつけられるようになれば、自ずと次へのステップが見えてくるだろう。

 勝てないチームが浮上するきっかけをつかむのは非常に難しい。しかし、この試合の栃木の勝利は、変わらないプレーを続けるチームにいつかは幸運が転がることを示した。両チームがこのゲームの意味を生かして、次に進めるかが重要になる。

以上

2009.05.11 Reported by 松尾真一郎
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