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【J2:第14節 熊本 vs 甲府】レポート:30℃を超える暑さの中での消耗戦は、甲府が逃げ切る。今季初の連敗となった熊本は、攻めるためにも守備を改善したい。(09.05.11)

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5月10日(日) 2009 J2リーグ戦 第14節
熊本 0 - 1 甲府 (13:04/熊本/19,321人)
得点者:44' マラニョン(甲府)
スカパー!再放送 Ch183 5/11(月)14:00〜(解説:池ノ上俊一、実況:山-雄樹、リポーター:山田法子)
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 木島良輔のドリブルもあったし、石井俊也のミドルも、藤田俊哉のヘディングシュートも、宇留野純の仕掛けもあった。原田拓のフリーキックはなかったけれど、鋭いクロスとそれに飛び込んだ小森田友明のヘッドもあった。おまけに、矢野大輔の貴重なボレーもあった。でもどれも決まらなかった。

 と、こう書くと、もともとボキャブラリーが少ないせいもあって“フィニッシュの精度”というフレーズが浮かんでくる。「ここしかない」というコースに決めたマラニョンの決勝ゴールは、まさしく高精度のシュートだったが、「決める所で決めていればもっと楽になった」と藤田健は言い、安間貴義監督も「決定力がなくて(追加点を)決められなかったのは課題」と話したように、甲府のフィニッシュの精度も決して高かったとは言えない。高かったら、1点では済まなかった。今日の試合に関しては、結果的にはポイントは守備。しかしそれも球際での1対1の局面というより、「精度が高ければ1点では済まなかった」という数的不利な状況を作られているところに、0−1というスコア以上の差がある。視点を入れ替えて、「フィニッシュの精度が高ければ」追いついて、逆転できていたかと考えてみると分かりやすい。

 立ち上がり、「早いプレッシャーに対して慌てていた」(北野誠監督)という熊本は、「裏を狙ってラインを下げさせようとしていたけど、前半の終わりまで蹴る感じになってしまった」(市村篤司)。20分に吉井孝輔が松橋優と接触して倒れた時に、地面についた左肘があり得ない方向に曲がって負傷交代を余儀なくされたのが痛かった。これを境に中盤での守備がややルーズになって、甲府に回され始める。

 だが、交代で入った宮崎大志郎が、右サイドでボールをおさめた山本翔平からのパスを受けようと左のスペースへ走り込んだ26分のシーン、さらに石井が小森田に預けて右のスペースへ長い距離を斜めに走り、リターンを受けフィニッシュまで持ち込んだ44分のシーンなど、球際で激しくアプローチをかけて奪い、守備から攻撃への切り替えが早かったところでは、熊本も数的優位から、あるいは甲府のDF陣を引きつけてオープンへ出すなどしてチャンスを作っていた。しかしそれ以外の場面では、熊本はアタッキングサードで殆ど数的優位を作れていない。逆に、35分にはマラニョンから森田浩史、37分にはマラニョンから松橋、40分には杉山新のドリブルからマラニョンと、守備陣形が整っていない段階でシュートまで持ち込まれている。

 先制を許した前半ロスタイムの場面も同様。マラニョンのドリブルに対しては矢野がコースを切り、中央の森田と逆サイドにいるもう1人の選手(おそらく松橋)を原田がみる2対3の状況で、河端和哉と石井がカバーに戻ってきてはいたが、しっかりディレイするか外に追い出す前に、マラニョンが撃った。

 後半に入って自分達のペースでボールを動かすようになった熊本も、左から右へ展開する形でチャンスを作るが、甲府の守備への戻りが早く、常に6〜7人がゴール前で対応。83分には左の原田から中央へ当てて右まで展開し、最後は山本からの落としを石井がミドルで狙ったが、この時甲府はフィールドプレーヤー9人が守備に戻っている。「いつもだったら固めるが、今日は追加点を取るために速い2人(金信泳、ブルーノ)を入れて、裏のスペースを狙った」という安間監督のコメントを裏返すと“固めていない”ことになるが、それであれだけの守備をされては、単に精度を高めるだけで崩せるという種類の話にはならない。おまけに3トップは交代してもなお強烈で、逆に84分、87分、92分、93分と、終盤には立て続けにシュートまで持って行かれて、やはり甲府の精度が高ければ1点では済まなかった。

 甲府としては、リーグ終盤に迎えるJ1への切符争奪戦で得失点差がモノを言う時が必ず来る事を考えると、取れる時にきちっと取るための決定力は課題。だが、昇格というミッションに向け、30℃を超える気温の中でしっかり勝点3を取った事は、「次の試合につながるし、気持ちも楽になる」(藤田健)。

 熊本は今季初の連敗で7敗目。北野監督は「やろうとしていることもできていたし、攻撃的にもいけてた」と手応えをつかんだ一方で、「攻撃的にいくには、守備をしっかりしなきゃいけないというのを改めて感じた」と振り返った。甲府や、同じように形は作りながらも勝てなかった湘南や仙台の域に達するまでには、まだいくつかの段階を踏まなければいけないし時間もかかるが、そこを身につけていかなければ、5年でJ1という目標には手が届かない。幸い、「去年の第3クールで5点取られた時よりは、サッカーさせてもらえたと思う」と山本が試合後に話していたように、わずかずつながら差は縮まっているはずだし、19000人超の観客にも、その可能性を見せる事はできた。ひょっとしたら、前述の3チームのうち複数は、来シーズン対戦する機会がないかもしれないが、今年の残り2回の対戦で、少しでも差を詰めたところを見せたい。

以上

2009.05.11 Reported by 井芹貴志
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