5月2日（土）J1 第9節 Ｆ東京 vs 大宮（19:00KICK OFF/味スタ）
スカパー！生中継 Ch182 18:50〜（解説：田中孝司、実況：野村明弘、リポーター：日々野真理）
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　Ｆ東京は水曜日のゲームでＧ大阪に大敗するなど、今シーズンはなかなか波に乗り切れていない。対する大宮も3連敗中。リーグ序盤は、第5節まで無敗で勝点を積み上げたものの、ここにきて勢いを失いつつある。両チームともに、浮上のきっかけを掴みたいところだ。ＧＷの連戦が続くＪ１リーグ。修正を施すだけの準備期間はほとんどない。調子の出ない両チームにとっては限られた時間の中で、どこまでチームを立て直せたかが勝敗のカギを握っている。

　Ｆ東京は木曜日に大阪から帰京すると、早速トレーニングを再開。週末のゲームに向けて新たなフォーメーションを試した。最終ラインにはブルーノ・クアドロスが新たに加わり、中盤には第6節千葉戦にも先発出場した米本拓司を中盤の底に据えた。前節Ｇ大阪の試合後、指揮官は次節に向けてこう話した。
「相手の良さを出させないためには、細心の注意を払う繊細さも必要だが、チームや、個々の選手が持てる技術を最大限発揮するためにも大胆な部分を同時に持ち合わせていなければいけない。（Ｇ大阪戦の）2点を返した終盤は、チームが開き直ってボールを奪いに行くしかない、ゴールを奪いに行くしかないという状況になった。今後は、キックオフ直後からああいった時間帯をもっと多くしていかなければいけない」

　大胆さという点では、攻撃力を兼ね備えたＤＦブルーノ・クアドロスは打ってつけの人材だ。最終ラインからのビルドアップ能力も高く、果敢に攻め上がって攻撃に厚みを加えることもできる。守備のリスクは伴うが、なかなかチーム状況が好転しないだけに、荒療治も必要なのかもしれない。また、対戦相手の厳しいマークに苦しむカボレとは抜群のコンビネーションを誇る。今季無得点のエースをカバーする存在としても期待が集まる。

　大宮は昨季2連勝した相手だが、昨季までとは戦い方が異なるため、データは参考にならないだろう。大宮は今季から新たにショートカウンターを身につけ、パスワークと縦に速いサッカーの融合に成功した。だが、ここにきて3連敗を喫するなど急失速。怪我で出遅れていたデニス・マルケスやパク・ウォンジェが続々と復帰し、チームの再編を進めている段階といえる。今節は、前節出場停止の金澤慎が復帰する。中盤のハードワーカーの復帰は明るい話題だ。金澤が中盤に入ることで、デニス・マルケスら攻撃陣の負担は軽くなる。労を惜しまないチームの中に、デニス・マルケスのような強烈な個性を加えることができれば、一段階上のチームとなるはずだ。

　通算成績は8勝1分3敗と、ホームのＦ東京に分がある。だが、今節は互いに負けられない一戦となる。短い準備期間の中で両指揮官が下した修正も気になるところ。試合は、明日19時、味の素スタジアムでキックオフする。

以上

2009.05.01 Reported by 馬場康平