5月2日（土）J1 第9節 磐田 vs 神戸（13:00KICK OFF/磐田）
スカパー！生中継 Ch182 12:50〜（解説：名波浩、実況：岡村久則、リポーター：荒木麻里子）
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デビュー戦の静岡ダービーでいきなり驚異的な活躍を見せた韓国代表イ・グノに引っ張られ、2連勝で18位を脱した磐田。前節・横浜FM戦は0-1で敗れたものの、選手たちも自信を取り戻し、これからジワジワと順位を上げていく体勢を整えつつある。その意味では、5試合ぶりに本拠地ヤマハスタジアムに帰ってきた今度の神戸戦で、同スタジアムでの今季初勝利を飾ることは本当に重要になってくる。
本来のホームに初登場するイ・グノのプレーにも大いに注目したいが、チーム全員の力で何としても勝点3をつかみ取りたい一戦だ。

磐田のここまでの成績は、2勝2分4敗（勝点8）の16位。神戸のほうは、3勝1分4敗（勝点10）の10位。今年もJ1は混戦になっており、この試合で磐田が勝てば順位は入れ替わり、場合によっては一桁に上がる可能性がある。また磐田の失点は、ここまで16点でJ1最多だが、開幕2試合での10失点を差し引いて考えると、6試合で6失点。3節以降は公式戦8試合で無失点のゲームが3つあり、2点取られたゲームが1つだけなので、逆に堅守と言って良い結果を残している。ボランチがロドリゴと山本康裕で固まって、組織としても試合ごとに安定感が増し、守備に関しては計算が立つようになってきた。

そんな中でゴールがなかなか奪えず苦労していたところに、イ・グノが新加入。6節・清水戦では2ゴール、7節・京都戦では1ゴール・2アシストとチームを救う大活躍を見せたことはご存知の通りだ。イは守備面でもしっかりと自分の役目を果たしており、守備が安定したまま得点力が上がれば、自ずと結果はついてくるわけだ。
前節・横浜FM戦は、相手の堅い守りの前に0-1で敗れたが、これはイ・グノの調子が悪かったというより、チームの問題のほうが大きい。イ・グノに関しては、今後も厳しくマークされることになるだろうが、あのスピードや裏に飛び出すタイミングの良さ、身体の強さ、落ち着いたプレーぶり、さらにエース・前田遼一との関係といった面を考えると、コンスタントな働きが期待できるだけの実力があることは間違いない。フォア・ザ・チームの姿勢やメンタルの強さという面でも、非常に頼もしい選手だ。

そう考えると、守備に関しては、これまでのやり方を継続しながら、より高い位置でボールが奪えるようになることを目指していくという柳下正明監督の基本路線が変わらないのは当然のこと。あとは指揮官が毎試合挙げている攻撃面の課題を、少しずつ改善していくことが重要になる。すなわち、「奪った後のボールをもっと確実につないで、フィニッシュまで行く回数を増やしたい」（柳下監督）という部分だ。
ここは時間のかかるテーマでもあるので、一気に良くなるということはないだろうが、19歳の司令塔・山本康裕が急成長を見せており、ジウシーニョが中盤で起用されるパターンが出てきて、チームとしてキープ力が上がる要素は大いにある。少なくともホームでは、横浜FM戦からしっかりと修正した姿を見せてほしいところだ。
また、これは守備にも関わる問題であり、簡単にボールを失う回数が減れば、カウンターを受ける回数も減り、より失点のリスクは小さくなる。神戸も、高い位置でボールを奪ってカウンターというパターンは狙ってくるはずなので、悪い形でボールを失う回数を減らせるかどうかという点には大いに注目したい。

最後の決定力という面では、ジウシーニョが5点、前田が3点、イ・グノが3点とFW陣がしっかりと結果を残しているのは頼もしい部分だが、この3人しか点を取っていないというのは寂しいところ。そろそろ他のポジションの選手にもゴールがほしい中で、とくにここまで効果的な攻撃参加で何度も決定機を迎えている山本康がプロ初ゴールを決めれば、チームはかなり活気づくはず。この試合では、ぜひその部分にも期待したい。

もちろん、第7節でG大阪に3-1で勝利するなど、しぶとい戦いを続けている神戸に勝つことは簡単ではない。前節から中2日で肉体的にはきついだろうが、磐田としてはホームでの強さをぜひ見せつけたい一戦。勝利への意欲を最大限に高め、まずは良い形で試合に入ることに集中してほしい。

以上