5月2日（土）J1 第9節 京都 vs 名古屋（16:00KICK OFF/京都）
スカパー！生中継 Ch182 15:50〜（解説：西村昭宏、実況：寺西裕一、リポーター：和田りつ子）
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晴らして欲しい悔しさがある。
昨年11月23日。第32節、西京極、名古屋戦。終了間際のP.Kで突き放された。歓喜のヨンセンと名古屋の面々、湧き上がる名古屋側スタンド。名古屋に勝点3を奪われた。佐藤勇人は木曜の練習後、こう口にした。「あの悔しさはもちろん、忘れていません」。

開始早々の失点から、さらに入れられ前半で0-2。流れは完全に名古屋。だが後半、京都は柳沢敦がゴールを決めて試合を引き寄せた。そして同点弾、怒涛の反撃へ。あの時、京都は名古屋を追い詰めていた。試合後の渡邉大剛の言葉が印象的だ。「後半立て直して点を取ったら空気が変わった」。京都は対名古屋、リーグ戦6試合連続勝利なし（2003年以来3敗3分）。もう一度、空気を変えるゴールが欲しい―。

京都は悪い流れを止められない。前節、川崎Ｆに4失点で3連敗。加藤久監督は「つなぎにミスが出た。そして相手の早い攻めに対してやられていた」と振り返った。「浦和戦から、失点してから自分たちの良さを出せていない。いい意味で開き直れるか。我々はまだまだチャレンジャーだという気持ちが大事」と話した。
渡邉大剛は「動きが少なくなっていると思う。味方のサイドバックに入った時に周りがどう動くか。そこが変われば」と好転の糸口を感じていた。

名古屋は前節、広島に引き分けた。玉田圭司、マギヌンが戦線から離脱し攻撃力に陰りを見せている。だが、突破力のあるダヴィ、セットプレーからでも得点を挙げる攻撃力は脅威となる。加藤監督は、玉田の出場は予測できないがとして「ダヴィだけでなく。小川（佳純）、杉本恵太らゴールに向かってプレーする周りの選手にも注意しなくてはならない」と常に前に出てくる攻撃的な名古屋のスタイルを警戒する。

京都は前節の川崎Ｆ戦で加藤弘堅がＪ初ゴールを決めた。指揮官も「一矢報いようという気持ちが出たゴール。チームにとっても一筋の光明となる」と称える。さらに「彼を入れて攻撃の流れが良くなっている面もある」と評価する。
加藤弘堅の特徴的なプレーに「アングルを変える」というのがある。一度くさびなど短いパスを入れてリターンをもらう、これで加藤弘堅自身がポジションを変えて違う視野で次のプレーに移れるのだ。「くさびのボールは取られたらカウンターを受けるから怖い面もあるんです。でもそこをやらないと相手は嫌がらないと思うので、チャレンジしなくちゃいけないと思っています」と話す。
もう一つ、彼について見て欲しいプレーがシュート。パンチ力はパウリーニョにも引けをとらない。「練習にも力を入れて磨いています。シュートは打ってみないと分からないもの。積極的に狙っていきたい」。何よりも彼の生きの良さを表わす言葉がこれだった。「自分でも、チームでも、いい形で点を取れれば大きいと思う。たった一つのプレーで自信って生まれると思うんです」。チームの流れを変えて自信を生むか、大いに注目したい。

佐藤勇人は「一人、二人と連動して攻撃でもっと人数をかけたい。皆で一つになって90分間走れるか、技術以上に大事なことだと思う」と奮起を誓い、林丈統は「90分通して裏を取れれば。攻守共にもっと走らないと、それが京都のサッカーだと思うし。疲労なんて言い訳にならない、名古屋はACLを戦っているんだから」と強い気持ちを滲ませた。
連敗を断ち切りたい。流れを変えるゴールを期待したい。過去を断ち切る一勝に。そして、何としてもあの時の悔しさを晴らして欲しい。

以上

2009.05.01 Reported by 武田賢宗