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【J2:第11節 札幌 vs 愛媛】レポート:札幌が4連勝を達成! 3点リードから1点差まで詰め寄られながらも、愛媛の追撃を振り切った(09.04.30)

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4月29日(水) 2009 J2リーグ戦 第11節
札幌 3 - 2 愛媛 (16:03/札幌ド/11,242人)
得点者:27' 宮澤裕樹(札幌)、55' 岡本賢明(札幌)、68' ダニルソン(札幌)、76' 柴小屋雄一(愛媛)、87' ジョジマール(愛媛)
スカパー!再放送 Ch182 4/30(木)20:00〜(解説:平川弘、実況:永井公彦、プレーヤー解説:大森健作、リポーター:岡本博憲)
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「内容的には最後までウチが押していた」と札幌の守備的MFダニルソンが振り返ったように、終始札幌が主導権を握る展開だった。左サイドバックの西嶋弘之、守備的MF上里一将という主軸2人を欠く苦しい状況だったが、石崎信弘監督は左サイドバックには主に中盤でプレーする西大伍を置き、上里に代わる守備的MFには本来はストライカーである宮澤裕樹を起用した。そして西と宮澤の持ち味といえばボールキープ力。そのため西嶋、上里という本職の選手が不在だったものの、全体のキープ力はむしろ上がっていた。宮澤に至っては最終ラインに加わって攻撃の組み立てを行っていた場面もあったほどだ。

対する愛媛は4−3−3の攻撃的なシステムでスタート。前線は横谷繁を中心に内村圭宏と大木勉が左右に張る形で、そこに後方から素早くボールを当て、高い位置でのコンビネーションによってフィニッシュまで持ち込もうという狙いだ。
しかし、そうした愛媛の攻撃はことごとく空回りしていた印象だ。厳しい言い方になるかもしれないが、この試合に限って言えば札幌とのプレーレベルの差が出てしまっていた。札幌がキリノの1トップだったため、本来であれば愛媛の4バックは左右サイドバックの関根永悟と三上卓哉が高い位置まで押し上げて攻撃に絡めるはずだった。だが、札幌の厳しいプレッシングに押しこまれてしまい、1人のFWに対して4人のDFが守るというムダの多い時間帯が目立ってしまった。そうすると中盤では完全に数的不利になってしまうわけで、ここでも札幌のプレッシングの前にボールを上手く動かすことができず、簡単なパスがサイドラインを割ってしまうような場面さえあった。そしてロングボールは札幌の最終ラインにことごとく跳ね返されていた。

こうなると試合は完全に札幌のペースに。27分にクライトンが蹴った右CKを宮澤が頭で合わせて今シーズン初ゴールで先制すると、55分にはキリノからのパスを受けた岡本賢明が右足で冷静にゲット。68分にはクライトンからのラストパスを受けたダニルソンが左足のキックで来日初ゴールを挙げて札幌が3−0のスコアでリードした。

ただしサッカーというのは面白いもので、ゲーム中のプレーレベルに差があっても、片方のチームが終始主導権を握ったとしても、それだけで簡単に勝敗が決まるわけではないのだ。

76分、相手ゴール前のこぼれ球を柴小屋雄一が押し込み、87分に相手DFラインの裏に飛び出した途中出場のジョジマールが左足を降りぬくと愛媛は一気に1点差まで詰め寄ったのだ。

3−0のスコアが一気に3−2へ。その要因を札幌のDF趙晟桓は「気の緩みがあった」と見ている。確かに終始主導権を握り、宮澤の今シーズン初ゴール、ダニルソンの来日初ゴールという初物が続いて3点のリードを得たために、「このまま勝てるだろう」という意識が出てしまったのだろう。最初の失点も選手交代をした直後という、集中を欠きやすいタイミングだった。そしてその交替自体も石崎信弘監督が「3−0だったから、そこで若い選手を経験させるのもひとつの手」と考えて、経験のある砂川誠ではなく上原慎也を投入したものだった。

こうした流れを見て、気が緩んだ札幌を「甘い」と言ってしまうのは簡単だ。だが、現実的な視野に立てばプロサッカーといっても人間がやっているもの。残り20分を切った時点で3点のリードを持っていれば、多少の気の緩みくらいはあるだろう。ダニルソンのシュートが入った時は、多くの人が札幌の勝利を確信したはずだ。そして、もしこれが1点差や2点差だったならば選手の緊張感も低下しなかっただろうし、石崎監督のベンチワークもまったく違う堅実なものになっていたはずだ。
過去には欧州チャンピオンズリーグ決勝という重要な場で、ACミラン(イタリア)が前半終了時に3−0のスコアでリバプール(イングランド)をリードをしながらも後半に追いつかれてしまうという試合もあった。欧州のトップレベルでもそういったことが起こるのだから、J2のチームが3点リードの場面から1点差まで迫られてしまうということも時にはあるだろう。

もちろん、気を緩めていいと言っているわけでは決してない。人間がやっている以上、気が緩む可能性はゼロにはならない。そうした中でどういった勝ち方、戦い方をしていくべきなのか。それを考えていく必要があるということだ。そして札幌は今回の試合を教訓とし、次に同じシチュエーションに直面した際に、この経験を活かさなければならない。

そして愛媛は4連敗となってしまったが、「諦めずに戦ってくれたことは良かった」と望月一仁監督が試合後に述べたように、敵地で3点差を付けられながらも1点差まで詰め寄ることができたことは意味があるだろう。ここからは厳しい日程がまっているが、強いメンタリティで流れを変えたいところだ。

以上


2009.04.30 Reported by 斉藤宏則
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