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【J2:第10節 熊本 vs 仙台】レポート:後半にバランスを崩した熊本が屈辱の3失点で完敗。3連勝を飾った仙台から何を学び生かすかが、今後のクラブの成長を左右する。(09.04.27)

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4月26日(日) 2009 J2リーグ戦 第10節
熊本 0 - 3 仙台 (16:03/熊本/5,223人)
得点者:42' 梁勇基(仙台)、46' 梁勇基(仙台)、86' マルセロソアレス(仙台)
スカパー!再放送 Ch180 4/28(火)09:30〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:山田法子)
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 理解しているつもりだったのだが、プレビューで挑発的な事を書くとろくな事がない。番組を聞いてないし本人にも確かめていないから分からないが、仙台担当・佐々木氏はきっと、いつも以上に力を込めて「イエス!」と叫んだ事だろう。しかも3回も。「無駄のない展開」(手倉森誠監督)で「1年で一番きついスケジュール」(梁勇基)となる連戦のスタートを切った。昨シーズンから未だ勝利のない相手を迎えた熊本は、42分、46分、86分と、まさしく見本のような“悪い時間帯”に3発を食らって完敗。今シーズン初の連勝を逃した。

 それでも開始から20分頃までは、細かくパスをつなぎながら仙台の穴を見つけてチャンスを窺う熊本に分があった。開始1分には、原田拓から宮崎大志郎、山本翔平、石井俊也、市村篤司と、左から右へとサイドを変えての展開から送られたクロスを藤田俊哉がシュート。3分にも石井の大きなフィードに藤田が抜け出してCKを得る等、「ああなったら耐えるしかない」と手倉森監督に言わしめた程、立ち上がりの時間帯は熊本がボールを支配していた。

 一方の仙台は、熊本の早い回しに対してやや後手になり、中判からバイタルエリア付近でのアプローチも緩かったものの、GK林卓人やエリゼウと渡辺広大のCBを中心に、最終的な局面ではしっかりと対応。落ち着いてボールを動かしながら攻撃を作っていく展開はできていなかったとはいえ、奪ってからの切り替えは熊本と対照的に早く、斉藤大介を起点に朴柱成と菅井直樹の両SBも攻撃参加してゴールに迫る。

 先制点もそうした前への推進力が発端となった。41分、斉藤からのフィードを左に流れていた平瀬智行が落とし、これを受けた朴が関口訓充にクサビを当ててワンツーからドリブルで抜け出す。このタテの動きに熊本のDFがつり出されてギャップが生じ、朴のドリブルのコースに入った矢野大輔が痛恨のファウル。仙台がFKを得る。その約5分前に同じような位置からのFKを直接狙ってふかしていた梁の右足から放たれたボールは、壁の上を越えて少し落ち、右のサイドネットへ。熊本GK吉田智志は1歩も動けなかった。

 だがこれだけなら、まだ盛り返す余地はあった。しかし「大丈夫、いける」という気持ちがどこかに潜んでいたのか、後半の立ち上がりに決定的なピンチを招く。46分、エリゼウからのFKに対して梁と競り合った河端和哉のチャージがファウルの判定。前半の失点場面を材料に、後半への入り方についての共通認識ができていれば、このファウルはなかったかもしれない。1本目よりも距離はあったが、同じような角度からのFKを「速いボールをイメージした」という梁が再び決めて仙台がリードを広げた。

 こうなると熊本は攻めに出ざるを得ない。最大のチャンスは49分。後半から出場した西弘則のドリブルから市村がクロスを入れ、ニアに流れた中山悟志の奥に入った藤田が狙ったが、ポストの右に外れた。その後76分には木島良輔がドリブルで抜け出したがGK林に阻まれ、77分には西がシュートを放つもサイドネットと、なかなか反撃の狼煙を上げられないまま時間は過ぎる。

 前半こそ、お互いにミスの少ない緊迫した展開で、内容的にも見応えのある試合になりそうな空気が漂っていたが、後半立ち上がりの仙台の追加点でゲームが動いた事で、選手達自身も感じていたように熊本は意図がバラバラになり、全体的なバランスも崩してしまった。逆に仙台は、やることがより明確になったことで、点を取りに前がかりになった熊本の背後のスペースを狙い、前半にも増してチャンスを作った。熊本の守備陣もよく耐えていたが、奪い返す位置が低いため前との距離も遠く、攻めに出たところをミスから奪われて戻らざるを得ないとう上下動の激しさから消耗していく。86分のマルセロ ソアレスのゴールも、ルーズボールに対して原田が反応してはいたが、諦めずに走った梁が追いついた時点で決まったようなものだった。

 これで仙台は3連続完封で3連勝。次節、ホームに好調の水戸を迎える。「3つ負けている分、地道にやって行くしかない」と手倉森監督が言うように、昨年の悔しさを晴らすためにも、1つひとつ戦っていくこと以外に最大の目標を達成する道はない。そして、そのことを選手達もよく理解している。

 一方の熊本は、今季2度目の3失点。確かに梁のFK自体は仕方ないが、試合後に「バラバラだった」と選手達が口を揃えるのは仕方なくない。
「ウチは強いチームじゃない。今年1年はしっかり自分たちのスタイルを築き上げていかないといけない」と北野誠監督は話した。中2日と次節東京V戦まで時間はないが、ただ単に気持ちを切り替えるだけではなく、今日の敗戦をどう生かすかだ。
「連戦になれば絶対フリーキックは大事になってくる」、「連戦の合間でなく、まだフレッシュなうちにやるべき」とFKの練習を指示した手倉森監督の判断や、完封で3連勝を飾ってもなお、「大勝した後は隙ができやすいし、決定的なチャンスを与えているという部分では、まだまだ物足りないところがある」(梁)という仙台の姿勢からも、熊本が学ぶべきことは多い。

以上

2009.04.27 Reported by 井芹貴志
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