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【J2:第10節 福岡 vs 湘南】レポート:福岡に突きつけられた上位チームとの質の差。完勝・湘南が首位に躍り出る。(09.04.27)

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4月26日(日) 2009 J2リーグ戦 第10節
福岡 0 - 3 湘南 (16:03/レベスタ/8,599人)
得点者:7' 寺川能人(湘南)、38' アジエル(湘南)、89' 田原豊(湘南)
スカパー!再放送 Ch183 4/27(月)23:00〜(解説:乾眞寛、実況:後藤心平、プレーヤー解説:布部陽功、リポーター:森田みき)
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立ち上がりの福岡は決して悪くはなかった。「選手たちは良くやってくれた。相手の良さをしっかりと消すことは、ある程度できたと思っている」と篠田善之監督(福岡)が振り返ったように、強力3トップの活動を制限し、奪ったボールを湘南の両サイドにできるスペースへ運び、バイタルエリアへ効果的に楔のボールを打ち込んでチャンスを作り出した。併せて立ち上がりの湘南はミスが多く、福岡が試合を優位に進める要素は十分にあったと言っていい。狙い通りの形から決定機も作り出した。しかし、結果は0−3。言い訳のできない完敗だった。

 その直接的な原因は最初の2失点にある。「横から見ていたらどうやって取ったか分からないような点」と反町監督に言わしめたDFラインの連係ミスから失った1点目。たった1本のパスでアジエルをドフリーにしたリスク管理の甘さから奪われた2点目。どちらも目を疑いたくなるほどの信じられないミスからの失点で、これでは、いくら狙い通りに試合を進めたとしても勝利は手に入らない。

 しかし、この2失点のシーンはあくまでも現象面として現れたもの。勝者と敗者を分けたのはチームのベースの部分での差、それはサッカーの質の差と言えるものだった。
 顕著に感じられたのが福岡のミスの多さ。過去の試合でも、簡単に相手にボールを渡してしまうプレーが課題としてクローズアップされていたが、それは湘南との戦いでも変わってはいなかった。相手のプレスにコントロールが狂わされたのではない。そのほとんどは判断ミスや、雑なプレーによるもの。しかも、あまりにも多すぎた。

 その他にも、湘南は多くの面で福岡を上回っていた。それぞれの選手が長い距離を走りぬくフリーランニング、守から攻、攻から守へ転ずる時のスピードの変化、ゴール前へ力を貯めて飛び込んでいくタイミング、リトリートしながらも、ここぞというところで激しくボールに寄せて相手の自由を奪う守備等々、その質の差は大きかった。最初の2得点は福岡のミスによるものとはいえ、こうしたサッカーの質の差が生んだゴールであったことは間違いない。

 そして、決定的な差はチームとしての意思統一の差だった。「お互いに中盤でのミスが多いゲーム。ゲームのクオリィティとしてはあまり高くなかった」と反町康治監督が振り返ったように、湘南はベストパフォーマンスを発揮したわけではない。しかし、それでも力の差を感じさせる内容で勝利を重ねたのは、攻守両面にわたってチームとしての狙いが統一されていたからに他ならない。
 対して福岡は、チームとしてどう攻め、どう守るかを明確にプレーで表現することができなかった。「連携の部分でもっとコミュニケーションをとらないといけない」と久藤清一も振り返る。

 この日の勝利で湘南は今シーズン初めて首位に躍り出た。まだ10節を終えた段階での順位で今後の動向を占うことはできないが、少なくとも、湘南はJ1昇格争いの中心にいるチームであることを明確に示したゲームであったと言える。バイタルエリアから先を決して崩させない守備。素早い攻守の切り替えで相手ゴールに迫るカウンター。相手チームの激しいマークにあいながらも精神的に乱れることなく、決定的な仕事を重ねるエース・アジエルの存在。そして、そのタクトに従って全員がそれぞれの役割を的確にこなしていくチーム。この日の湘南は間違いなく強かった。

 さて福岡。0−3というスコアはもちろんだが、それ以上にサッカーの質の差が思った以上に大きかったことが重くのしかかる。それでも、「胸を張れ、下を向く必要はないと伝えた」と篠田監督が話したというように、敗戦に打ちひしがれている時間はない。この日から始まった連戦は、上位チームに喰らいついていけるか、中位グループに埋没してしまうかを分ける今シーズンの最初の勝負所。ただでさえ大混戦のJ2。少しでも気持ちが落ちるようなことがあれば、あっという間に上位グループに置いていかれる。言い尽くされた言葉だが、気持ちを切り替えることが最優先だ。

 その上で、敗因から目をそらすことなく、まず自分たちの現状と真正面から向き合い、勇気をもって課題にチャレンジしなければならない。連戦のために課題の修正や、チームの成熟度を上げるためのトレーニングを繰り返す時間は十分にはないが、それでも、トレーニングを積み重ね、それを実践することを繰り返すことでしかサッカーの質は上がらない。しっかりと目標を見つめて前進すること。それ以外にやることはない。

以上

2009.04.27 Reported by 中倉一志
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