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【J2:第10節 栃木 vs 甲府】レポート:ロースコアの予想は覆され、壮絶な撃ち合いとなった一戦。再三のリードを守り切れなかった栃木は勝点2を失い、土壇場で追い付いた甲府は勝点1を持ち帰る。(09.04.26)

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4月26日(日) 2009 J2リーグ戦 第10節
栃木 3 - 3 甲府 (13:03/栃木グ/4,875人)
得点者:14' 河原和寿(栃木)、22' 佐藤悠介(栃木)、32' マラニョン(甲府)、56' 大久保裕樹(栃木)、77' 松橋優(甲府)、87' 池端陽介(甲府)
スカパー!再放送 Ch185 4/27(月)13:30〜(解説:田中真二、実況:篠田和之、リポーター:新井謙一郎)
顔写真クイズ勝敗予想ゲーム
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 失点数が極端に少ない、「堅守」が売りの栃木SCとヴァンフォーレ甲府。それだけに、両者とも手堅く試合を運び、ロースコアで決着が付くかに思われたが、どうしてどうして蓋を開けてみれば予想を遥かに超える壮絶な撃ち合いとなった。

 前線からプレスを掛けてくる甲府に対し、栃木は無理にポゼッションをせずにロングボールを蹴り込んだ。単調ではなくシンプルに、意図を持って。豊富な運動量を誇る稲葉久人をスペースへと走らせることで起点を設けると同時に甲府のラインを押し下げ、ターゲットの松田正俊が競った後のセカンドボールを拾うことに集中した。4‐4‐2の栃木と4‐3‐3の甲府では、必然的に中盤において栃木に数的優位が生まれる。相手の前線と最終ラインの間を空けることに成功した栃木は、さらに中盤の優位性を高め、セカンドボール争奪戦を制した。

 先手を取ったのは、思い通りに試合を進めた栃木。前半14分、右45度から河原和寿がビューティフルなコントロールシュートを枠内に収めた。これまで吹かすシーンが目に付いた河原だが、力みの取れた、まさに今週のチームテーマ「シュートは枠に」を実践した。喜びも束の間、17分に冷や汗をかかされる。米山篤志がマラニョンにボールを掻っ攫われ、無人のゴールへシュートを許す。が、シュートはサイドネットで命拾い。甲府としては決定機を逸する。逆に22分、窮地を招いた米山がペナルティボックス内で中央へ返したボールを河原がちょこんと落とし、最後は佐藤悠介が左足一閃。J2通算30ゴール目、抑えの効いたミドルシュートが突き刺さり、甲府を引き離す。

 栃木DF陣の徹底されたチャレンジ&カバーに手を焼き、組み立てが図れなかった甲府だが、32分にクリアミスに乗じてマラニョンが3戦連発となるゴールを奪う。その後も高さを活かし、金信泳と森田浩史の二人で好機を生み出した。今季初の2ゴールを、前半45分だけでマークした栃木だが、1対1に抜群の強みを持つ赤井秀行と、ゴールで波に乗るはずだった河原をいずれも負傷で前半に下げざるを得なかったのは痛かった。

 後半はサイドから圧力を掛け、ペナルティボックスへボールを入れてきた甲府が手綱を握りかけたものの、11分に栃木が望外の3点目を得る。佐藤のFKを頭で決めたのは大久保裕樹。雌雄を決するゴールが決まったはずだったが、逃げ切れなかった。「横からのクロスに対して強さを見せられないところがあったので、そこを突いていこう」と安間貴義監督。アンカーを秋本倫孝から林健太郎に交代し、ボールの循環を良くしてサイドから厚みのあるアタックを仕掛ける手を打った。狙い通り、サイドからジャブを打ち込み、栃木を自陣に釘付けにする。そして、32分に松橋優、42分に池端陽介が、クロスからのヘディングシュートでネットを揺らした。前半に2枚のカードをアクシデントで切らざるを得なかった栃木は、後手を踏んだ状況で切れるカードが限られ、劣勢を挽回するには至らなかった。対する甲府は林、松橋、池端と切ったカードが全て奏功した形となり、土壇場で試合を振り出しに戻し、敗戦を免れた。

立ち上がりの拙さに加え、シーズン前からの問題点である不用意なファウルからセットプレーを与えての失点と課題を残しつつ、辛くも勝点1を持ち帰れた甲府。2点のビハインドを取り戻したのだから、勝点1を失ったと考えるより、貴重な勝点1をアウェイで挙げられたと捉えた方がいいだろう。クラブ初の4連勝は泡と消えたが、「今日の引き分けがよかったといえるように、次の試合が大事になってくる」とマラニョンが言うように、首位に立った湘南ベルマーレをホームに迎える次の一戦に勝つことで、3‐3に持ち込んで手にした勝点1の価値を高めたい。

9試合で総得点1の栃木が、1試合で3点も取れた。ゴール欠乏症の呪縛から解き放たれたことは、今後へ向けてのポジテティブな材料だが、一方で2点を守り切れず眼前の勝点3を逃したことは反省点。「もっとボールを動かせれば、上手く時間の使い方ができれば良かった」と佐藤が振り返る通り、状況に応じて試合を読む力を養わなければならない。
初勝利したファジアーノ岡山戦も終盤に浮足立った。前回はリードした展開が初めてだったと弁解の余地があったが、今回の甲府戦は2度目であり、しっかりと3‐1、あるいは3‐2で勝ち切らなければならなかった。苦くて痛い経験をしたのだから、これを次に活かさなければ、当然ながら成長は望めない。次節のサガン鳥栖戦で勝点1を意味あるものにしたい。

以上

2009.04.26 Reported by 大塚秀毅
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