4月25日(土) 2009 J2リーグ戦 第10節
愛媛 0 - 2 徳島 (14:02/ニンスタ/4,072人)
得点者:1' 徳重隆明(徳島)、3' 石田祐樹(徳島)
スカパー!再放送 Ch182 4/26(日)09:30〜(解説:大西貴、実況:堀本直克、リポーター:重橋秀香)
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「昨季の四国ダービー第3戦(9/27 @鳴門)の再現か!?」。徳島はいきなりそう思わせるほどの連続ゴールを見せた。
まず、試合開始を告げるホイッスルが鳴り止んでまだ間もない1分。愛媛DFラインとGKの間を狙った筑城和人の早いクロスを逆サイドから飛び込んだ石田祐樹がマーカーともつれながらも頭に当てると、そのこぼれ球をいち早く反応した徳重隆明が強烈に叩き込む。まさにあっという間の先制点─。そしてさらに徳島は畳み掛ける。そのゴールからわずか2分後、フリーでボールを受けた石田が自ら1つ2つドリブルで進んで得意の右足を強振し、25mはあろうかという距離から豪快にネットを揺らした。
結果、この電光石火の2ゴールが今季の四国ダービー初戦にケリをつけるものとなったのだが、前節からの勢いをそのまま持ち込み愛媛の出鼻をくじいたチームの立ち上がりは見事と言う他なかっただろう。
ただ「それ(開始すぐの2ゴール)が我々を重くしたというか、トータルで見て臆病にしてしまった」と美濃部直彦監督も振り返ったように、その後前半の徳島は引き気味になってしまう。最終ラインが後退したことで青山隼、倉貫一毅の両ボランチも低い位置へと引っ張られ、さらには石田や米田兼一郎もほとんど自陣で停滞。それによってセカンドボールの多くを愛媛に拾われることとなり、バイタルエリアで大木勉に効果的なポストプレーをされるなど危ない場面をたびたび作られた。ぺ スンジンをはじめDF陣が最後のところで体を投げ出してシュートコースを塞ぎここでの失点を許さなかったことは確かにこの一戦の勝利において非常に大きかったが、しかしこうした状況に陥ればせっかくのリードをフイにしてしまいかねない。それだけに今後に向けては注意が必要と言えよう。
とは言え、「相手ボールを味方ゴールに近づけないようなディフェンスを」という指揮官のハーフタイムの指示を受け、それを後半徐々に修正していったのはさすが今季のチーム。戦術理解の深い百戦錬磨のベテランたちがしっかりと舵を取り直した。徳重が運動量を上げ愛媛陣内で執拗にボールを追えば、倉貫はそれに連動するように率先して中盤でのアプローチを早める。するとその彼らの動きが牽引するように最終ラインも少しずつ高い位置へと引き上げられ、徳島の守りには落ち着きが生まれていった。
加えて後半のチームは前掛かりになる愛媛に賢く対応したとも言えるのではないだろうか。どの部分かと言えば、奪ったボールをシンプルに前へ運んで短い時間でフィニッシュにまでもっていった効率的な速攻。試合を決める3点目こそ最後まで奪えなかったものの、それが状況に応じた的確なプレーの選択だったのは間違いない。このあたりも進歩を遂げた今の徳島らしかったと言えるだろう。
こうして今季最初のダービーマッチを制した徳島。受け取った四国ダービーウィナーズフラッグをサポーターたちに手渡した倉貫は「どの試合でも同じように勝利を求めていくのがプロの姿だと思っていますが、ダービーはサポーターや地域の人が盛り上げてくれる大切な戦いですし、その試合で勝利できたことは今後に向けても良かったです」と素直な喜びを聞かせてくれたが、その言葉にもあるようにこの特別な勝利はきっとこれからの戦いへ繋がるものにもなったはずだ。
また徳島はこれで負けなしを6試合に伸ばした。チームには継続している結果をさらなる成長の糧にし、いっそうの飛躍へと歩を進めてもらいたいと思う。
以上
2009.04.25 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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