4月25日（土） 2009 J1リーグ戦 第7節
大宮 0 - 1 新潟　（13:01／埼玉／19,448人）
得点者：89' マルシオリシャルデス（新潟）
スカパー！再放送 Ch183 4/27（月）05:00〜（解説：川本治、実況：西岡明彦、リポーター：三須亜希子）
☆顔写真クイズ｜勝敗予想ゲーム
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負けてもいい試合なんて１試合だってないけれど、色々な意味で大宮にとっては負けたくない試合だった。理由の１つ目は、ホームだったということ。それなりの動員数を見込んで、今季初のさいたまスタジアム２００２開催となったわけだが、その２万人弱の観衆の前で敗れるなんて避けたかった。２つ目の理由は、当たり前だが連敗なんてしたくなかったということ。いくら今季リーグ戦５戦カップ戦２戦負けなしとはいえ、全勝ではない。つまり自信はついているようで確固たるものではないのだ。当然連敗なんてしたくない。そして３つ目は、チームの中に揺らぎというか不安定な要素が見え隠れし始めているということ。チームコンセプトの徹底および精神的な結びつき、結束というものは日ごろのトレーニングやミーティングで培われ、勝利によってより強固なものとなる。だが、敗戦が続くと自分たちのサッカーへの不安、不信感が芽生え、それがチームをゆらゆらとしたものに変えていく。負けてこそいないが勝てていない大宮に、そんなゆらぎを感じないでもなかった。
だからこそ、連敗は避けたかったが、敗れてしまった。それも、拮抗した９０分を過ごし、最後の最後、５分間のロスタイムに、しかもセットプレーから。今季Ｊ通算１００ゴール目となるメモリアルゴールを相手に与えてしまった。

試合は、どちらかといえば大宮が優勢な立ち上がりを見せた。相手よりも先手を取り、攻守の切り替えもすばやく、アグレッシブに前線から追う。攻めても、藤田祥史、石原直樹の２人を狙った中盤や最終ラインからのボールでゴールを狙う。ただ、常にウラを狙い続けるFWに対し送られるボールの本数自体は多くなかったように見えた。中盤で攻撃に緩急をつけることもなく、単調な攻めが続き、セットプレーを除けば決定的なチャンスは前半はなかった。
だが、一方の新潟の攻撃を封じ込めることが出来たとも捉えられる。新潟は大宮以上にチャンスをつかむことが出来ず。ボランチや最終ラインでの体を張った守備は日本代表矢野貴章、大島秀夫、チョ・ヨンチョルの３トップに仕事をさせることもなかった。

後半に入ると一気に仕掛けに出る大宮。５６分には要のポジション小林慶行を下げ土岐田洸平を投入。相手中盤からの速攻に備えると共に、攻撃のスピードアップを図る合図でもあった。これにより左サイドバックのパク・ウォンジェと金澤慎がボランチに入り、波戸康広が左サイドバックに回った。波戸が左に入ったことで左の攻撃力は増したが、ペナルティエリア内に入ってのシュートの形がどうしても生まれない。相手の中盤の攻撃の芽を摘むことはできても自分たちがゴールに迫るには至らなかった。
そして、悔やまれる失点はこのまま０−０で終了かと思われたロスタイムに生まれてしまう。左のショートコーナーからのマルシオリシャルデスのシュートが大宮のゴール右隅の見事な隙を縫って吸い込まれていった。これで、勝負アリ。０−１で試合は終わった。

新潟にとっては「ラッキー」（鈴木監督）なゴールでの勝利。だが「全員が勝点３をとって帰ろうと思っていた」（本間）という思いの表れた試合をした結果でもある。勝つことによってチームは流れをつかむ。内容は後からついてくることだってあるのだ。
一方、大宮はこの連敗からチームを立て直さなくてはならない。キャンプ当初の予定どおりのメンバーが続々と復帰してきてはいるが、開幕当初のような潔さからはかけ離れ始めてはいないか。「我々の方向性は開幕当初と変わらない」と張外龍監督。それならそれを徹底していかねばならないだろう。幸いにも次節も続けてホーム戦（４／２９＠NACK　vs山形）。中3日はあるが、いかに修正し、立て直してくるか。メンバー構成も含めて注目してみた
い。

以上