4月26日(日)J2 第10節 福岡 vs 湘南(16:00KICK OFF/福岡)
スカパー!生中継 Ch183 15:50〜(解説:乾眞寛、実況:後藤心平、プレーヤー解説:布部陽功、リポーター:森田みき)
☆顔写真クイズ|勝敗予想ゲーム
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変わりつつある姿と、昨年から続く課題を抱えて戦うチーム。それが今の福岡の姿だ。
変わりつつあるのは守備。中盤の高い位置でボールを奪えないという課題を抱えつつも、最終ラインに粘り強さが出てきた。失点8はJ2で5番目の少なさ。被シュート数87本はJ2リーグ最少だ。立ち上がりの3試合で5失点を喫し、1分2敗といきなり躓いたが、その後の6試合は4勝1分1敗。ピンチを迎えても、ぎりぎりのところで体を寄せる泥臭い守備ができるようになった。それが苦しい内容でも勝点を重ねられるようになった最大の要因だ。
続く課題は中盤のバランス。中盤でボールを落ち着かせることができず、リズムが悪い時間帯でも単調に攻撃を仕掛けてミスを連発。相手にボールを支配される試合が続いている。前へ出ようとして簡単にボールを失ってしまうことで、中盤が高い位置へ出ていくことができず、それが守備で後手を踏む原因となり、簡単にバイタルエリアを使われてピンチを招くシーンが目立つ。また、ファーストディフェンダーのアプローチスピードが足りず、連動した守備が機能していないのも昨シーズンから続く課題と言える。
そんな福岡にとってのキーワードは「我慢と継続」。足りない部分を全員が力を合わせることでカバーし、悪い時間帯を我慢して失点を防ぐこと。どんな状況にあっても、自分たちが求めるサッカーを繰り返す強さを持つことだ。そしてもちろん結果が必要。勝点を積み重ねることで「我慢と継続」を可能にする力が生まれるからだ。前節の徳島戦では敗戦を喫したが、再び前へ進むパワーを得るためにも、J1昇格を果たすという意味でも連敗は許されない。「次の試合は引き分けも許されない試合」と鈴木惇も話す。
そして第10節。福岡は強敵・湘南をレベルファイブスタジアムに迎える。順位は2位。ここまで7勝1分1敗と非常に安定した戦いを続けているチームだ。開幕直後は苦しい戦いが続いていたが、結果を出し続けることで、チームの最大の特長である攻撃サッカーが機能するようになった。怪我のために5試合を欠場した左SBの山口貴弘以外は、開幕からすべてのポジションで同じメンバーが先発。山口が復帰した第7節からは再び不動の11人で試合をスタートさせており、チームの安定度は高い。
強さと高さをもつ田原豊、スピードと高いテクニックを誇る阿部吉朗、そして湘南の攻撃の全てを握ると言っていいアジエルが組む3トップは強烈。その3人を起点にして、2列目から坂本紘司、寺川能人が前線に飛び出し、両SBも高い位置取りで攻撃をサポートする。守から攻への切り替えが早く、しかも人数をかけた攻撃は相手チームにとっては脅威だ。そして、最終ラインで存在感を発揮するのはジャーン。高さ、強さ、カバーリングの良さを兼ね備えるジャーンの壁を破るのは容易ではない。
最大の焦点となるのは、ここまで2得点、6アシストとチームの総得点の半分に絡むアジエルをどう抑えるかだろう。J2に所属する外国人選手の中ではNo.1と言われるアジエルを抑えるのは簡単ではないが、逆に言えば、アジエルの動きを制限できれば湘南の得点力は半減するということ。いわば、湘南の強みと弱みは表裏一体の関係にあり、ここでの攻防が勝負の行方を左右するといっても過言ではない。
また、攻撃という点でも同じことが言える。7人が攻撃に参加する湘南の攻撃は分厚いが、それは後方にスペースがあることを意味しており、奪ったボールをいち早くスペースへ運べば、一転してビッグチャンスが訪れる。前線でボールを受けられる大久保哲哉、ゴールへの嗅覚に優れる高橋泰を擁する福岡にしてみれば、スペースを陥れればゴールは近い。いずれにしても鍵を握るのは中盤。復調著しい久藤清一を、いつ、どこで使うのか、篠田監督の采配に注目したい。
さて、福岡にとっては上位グループに喰らいついていくための序盤戦の最初の山場。15日間で5試合を戦うハードスケジュールが気になるが、まずは最初のヤマを越えなければ何も始まらない。篠田監督も「最低ラインは次の試合(湘南)に勝つことしかない」と話す。そして、雁の巣球技場では、今まで以上に緊張感が張り詰めた中でトレーニングが行われている。すべてはJ1昇格への道を確実に歩むため、目の前の対戦相手である湘南を破るためだ。戦いの場所は聖地・レベルファイブスタジアム。ファン・サポーターも含め、すべての力を結集して勝利を掴みたい。
以上
2009.04.25 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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