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【J2:第9節 鳥栖 vs 熊本】鳥栖側レポート:最後まで自分たちのスタイルをやり通した熊本に対して、なす術が無かった鳥栖。オウンゴールは、熊本の気迫が招いた結果。(09.04.19)

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4月19日(日) 2009 J2リーグ戦 第9節
鳥栖 0 - 1 熊本 (13:03/ベアスタ/6,527人)
得点者:44' オウンゴ−ル(熊本)
スカパー!再放送 Ch184 4/20(月)15:30〜(解説:サカクラゲン、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
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2009九州ダービー特集

ゴールを奪うためには、技術だけでなく“気持ち”も必要である。
そんなことを感じさせてしまう今節の鳥栖対熊本だった。
『九州ダービー』は、どんな形でも“結果”が優先されるということを誰もがわかっていても、その“結果”を導き出すために“何をしたのか”も問いたい内容の試合だった。

前半終了間際のアディショナルタイム。互いにしのぎ合いと攻め合いの中で見せた、最後の攻防のシーンだった。
左サイドDFの磯崎啓太のボールを熊本のMF山本翔平が奪って、トップに走り込んだMF藤田俊也につなげた。DF飯尾和也はシュートコースに入り藤田からのゴールは避けたが、後ろから走り込んだFW木島良輔はフリーだった。木島の放ったシュートは、DF渡邉将基の伸ばした足に当たり、コースを変えて鳥栖のゴールネットを揺らした。

記録は鳥栖のオウンゴール。しかし、このゴールは、ボールを奪った山本の気迫と、ボールを落とした藤田の冷静な判断と、シュートを放った木島の思い切りが、見事に連鎖反応を起こして生んだ“思い”のこもったゴールだった。

この前半の結果は、鳥栖にとって後半に“何をするのか”を明確に示す機会でもあった。前節の東京V戦では、90分間を数的有利の中で戦いながら、なす術もなく無得点に終わっていた。あの90分間の反省の意味を込めて、残りの45分間で“何か”を見せる必要があった。

後半に入り、鳥栖はサイドチェンジとサイドからのクロスボールで、熊本の守備を崩そうと試みた。幾度と無く、DF柳沢将之と磯崎敬太は高い位置からボールを出し続けた。MF島田裕介も熊本DFの中に入っては、ボールを受けようと声を出し続けた。しかし、単調な攻撃では、熊本DF陣を慌てさせる機会は少なく、ボールは常にはじき返されていた。79分からはMF清水康也を入れて4−1−4−1とし前線に厚みを持たせて熊本DFを押し込む作戦も試みた。それでも熊本DFは、自分のゴールを背に来たボールを跳ね返すことを続けていた。終わってみれば、DF飯尾和也が4本でリーディングシューターだった。FW廣瀬浩二と池田圭は0本に終わり、前節同様“成す術も無く”無得点の試合となってしまった。前半の“結果”を取り返すこともできず、『九州ダービー』に駆けつけたサポーターやファンに、喜びを与えることはできなかった。

試合開始前には、気温は27.3℃を記録した。真夏日を感じさせるほど、ピッチ上は熱くなった。それも『九州ダービー』の熱さがそうさせたのかもしれない。
両チームの選手たちは、ダービー戦にふさわしいアグレッシブなプレーをキックオフ直後から見せてくれた。ボールを中心に、人数をかけて奪い合いを行った。激しいあたりは、“結果”を得るための最低限の攻防であり、そこから“何か”が生まれるはずだった。両チームとも“何か”を得るためにプレーを見せてくれた。その“何か”は、お互いに感じる部分は違うかもしれない。

岸野監督(鳥栖)は、「『九州ダービー』の初戦は負けたが、一戦一戦を大事に戦いたい」と前向きにとらえ、次節以降の頑張りを約束してくれた。北野監督(熊本)は、「この試合を勝利で終わった意味は大きい。つなげない状況の中でも、このような戦い方ができて、結果を得たことは素晴らしい」と手応えを感じていた。

サッカーは、勝負だから結果に違いが出るのは当たり前であるが、この試合で得た“何か”には違いが大きい。鳥栖は、ボールをゴールまで運ぶ過程に“反省と課題”を得た。熊本は、与えられ場状況の中でも“やり抜く姿勢”を得た。これは、『九州ダービー』だからこそ大きな違いとなり、勝者には“大きな自信”となり、敗者には、“今後の不安”となって残った。

負けたからこその切り替えは必要で、第9節を終えた時点だから取り返しもつく。
もう一度、あえて言わせていただきたい。
ゴールを奪うためには、技術だけでなく“気持ち”も必要である。
後半の20分過ぎに見せた、サイドチェンジと両サイドの駆け上がりは、今季の鳥栖の武器でもある。
そこに“気持ち”を見せて一緒に戦いたい。今節のゴール裏は、両チームとも熱かった。
その気持ちが、プレーに出てくるように私たちは応援し続ける。

気持ちの強いほうに勢いと流れは来る。
ただ単にボールを奪うだけではなく、そのボールをゴールをまで運ぶために奪うことを忘れてはならない。
90分間の中で、ボールに絡んでプレーするのはごくわずかである。
そのわずかな時間のために、全力でプレーする選手たちを私たちは鼓舞し続けている。
サッカーは、応援している人も一緒に戦えるスポーツである。

以上

2009.04.19 Reported by サカクラゲン
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