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【J1:第6節 浦和 vs 京都】レポート:復権への道を突き進む“カテナチオ”浦和が2位浮上! 試合の入り方に失敗した京都を一蹴した。(09.04.19)

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4月18日(土) 2009 J1リーグ戦 第6節
浦和 1 - 0 京都 (19:04/埼玉/41,836人)
得点者:7' エジミウソン(浦和)
スカパー!再放送 Ch184 4/19(日)20:00〜(解説:桑原隆、実況:中村義昭、リポーター:朝井夏海)
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「現在の結果が続くようであれば、もしかしたら周りの人は、この浦和レッズに新しいイタリア人の監督が来たのではないかと思うかもしれませんね」

“ウノ・ゼロ”。イタリアサッカーの象徴的数字をなぞるように、公式戦4試合連続で1−0の勝利を収めた浦和のフォルカーフィンケ監督は、饒舌におどけてみせたが、これも作り上げたチャンスの多さが頭のなかにあればこそ。ゲーム作りの面で京都との力の差を歴然と示したチームには、いよいよ指揮官の哲学が浸透してきたようだ。

この日の浦和は、「相手の方がサッカーをして、我々はサッカーをしていなかった」(加藤久監督)という京都を、速いパス回しで序盤から圧倒した。開始7分にはポンテ&エジミウソンのブラジル人コンビの連携であっさりと先制点を奪うと、その後も次々とチャンスを量産。惜しくもゴールとはならなかったものの、ネットが二度揺れる決定機を作り上げ、そのほかにも幾度も京都ゴールに迫ってみせた。追加点こそ奪えず、監督・選手ともにダメを押せなかった決定力を課題に挙げたものの、中盤でのパス回しのスピードと同様に、テンポよく改革が進むチームは着実に次なるステップへと足を踏み入れ始めている。

そんな浦和にあって、試合後に誰よりもサポーターから大きな声援を受けたのは殊勲のエジミウソンである。ミックスゾーンでは山田直輝や関係者をいじってみたり、ブラジル人らしい陽気さを振りまいていた男も、試合ではその姿とは一変。しなやかな初動と爆発的な加速を活かし、冷徹なフィニッシャーと化して今季3点目のゴールを陥れた。FWが多く点を取るチームにはならないと語っていたフィンケ監督が、思わず「今季エジミウソンはたくさんのゴールを奪うかもしれない」との言葉が口をつくほどのインパクトを残してみせた背番号17。浦和に新エース誕生。そんな言葉も浮かばせてくれるストライカーからは、今後も目を離すことができなそうだ。

一方、この日も存在感を放ち、日に日に注目度が高まる原口元気、山田直輝の10代コンビ。「毎回90分ピッチに立つ必要はない」と若手の育成法を明かし、「なかなか得点を決められないと、得点への意思が余計に強くなってゴールが入らなくなる」と続けたフィンケ監督の弁は、確かな説得力を持って聞く者の耳を惹き付けてみせた。そして、十分な働きを示しながらも、ともに試合後のコメントで「チームに迷惑をかけた」と語っている両者だけに、メディアから集まる大きな注目にも慢心は感じられない。彼らの今後の順調な成長に不安を持つサポーターにとっても、向上心尽きない彼らの言葉は頼もしい限りだろう。

浦和とは対照的に、京都はいいところなく敗戦を喫した。「あえて収穫を挙げるなら?」との質問に、「今すぐにこれが収穫だというところは出てこない」と指揮官が話すほどの完敗。得意のカウンターは不発に終わり、頼みのディエゴからの勝利への細い糸も、厳しいマークにより寸断された。何より「スタジアムの空気に押されていた」と、試合の入り方に問題が残っただけに、次節磐田戦では第一に強い気持ちをサポーターに示すことが求められる。今季全勝と自信を持つホーム戦で、なんとかチームの立て直しを図りたい。

京都と同じく今季ホームでの戦績を3戦3勝としてみせた浦和。この結果がチームにもたらす自信は今後のタイトル争いに向けても非常に大きいはずだ。今はまだリアリズムなサッカーに寄る浦和ではあるが、時折ピッチ上に現れ始めたスペクタクルなサッカーは徐々に上質なものへと変化してきている。イタリアを思わせる勝負強さと、スペイン風パスサッカーを兼ね備えたチームへと突き進む浦和に、もはや改革への不安はない。信念揺らがぬ指揮官のもと、いよいよかつての王者が復権の気配を強めてきている。

以上
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