4月18日(土) 2009 J1リーグ戦 第6節
川崎F 3 - 1 大宮 (16:03/等々力/16,224人)
得点者:31' 石原直樹(大宮)、62' 鄭大世(川崎F)、87' 谷口博之(川崎F)、88' ジュニーニョ(川崎F)
スカパー!再放送 Ch183 4/20(月)08:00〜(解説:都並敏史、実況:田中雄介、リポーター:高木聖佳)
☆顔写真クイズ|勝敗予想ゲーム
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川崎Fが前半31分に大宮・石原直樹に喫した失点までの形は、前節の清水戦に引き続いてのもの。流れ自体は川崎Fがつかんでいた中での、不用意な失点である。勝利チームの指揮官として出席した会見の場で川崎Fの関塚隆監督は「いい流れの中で清水戦も一発でやられましたし、今日もそういう形でやられてしまって。この辺をもっと強固にしていかなければならないのかなと思います」と反省の弁を口にしていた。
川崎Fには何度か訪れた決定機を得点に結び付けられなかったという反省がある。ただその一方で、大宮がああした形からの得点を狙っていたというのも事実であろう。メンバー表では石原が藤本主税と共に2トップを組む形にはなっていたが、実際は藤本が一列下がったところを動き回っており、大宮が中盤を厚くした形。もう少しフラットな4-4-2での戦いを予想していたが、4-2-3-1というフォーメーションでの戦いを選択していた。
大宮の、トップを一枚削り中盤を厚くして川崎Fを迎え撃つという戦い自体悪いものではない。守備を固めた相手に対し、川崎Fは今季ここまで勝点3を奪えていなかったからである。そういう背景があった中での失点は、川崎Fにダメージを与えかねないものであり、大宮にしてみればしてやったりの得点となる。
しかし今季ここまで国内リーグでは毎試合失点していることもあったのか、川崎Fの選手は失点を冷静に受け止めていたようである。たとえば谷口博之は「1失点はサッカーの中では仕方がないと思っている」と達観したコメントを残しており、実際に後半はその言葉どおりの展開に持ち込むのである。
大宮は予想以上にCBが食いついてきていたこともあり、もともと最終ラインにギャップができやすい環境が整っていた。川崎Fとしてはそれをより効果的に使う意図の元、後半60分にヴィトール ジュニオールに代えてレナチーニョを投入。4-4-2から4-3-3へとシステムを変更。またこの川崎Fの交代と同じタイミングで大宮も交代のカードを切る。結果的に張外龍監督自ら采配ミスを認めたこの同一のタイミングでの交代が試合を左右するものとなる。
後半60分に内田智也に代わりピッチに立った渡部大輔は彼の持ち味を出していた。その渡部が絡んだ藤本と石原との速攻が不発に終わると、このボールを奪った川崎Fは伊藤宏樹が持ち出して攻撃参加。ジュニーニョの動きに引っ張られたこともあり、大宮守備陣は手薄な状態になっていた。後半62分のこの逆襲が始まったとき、川崎Fベンチは鄭大世に代えて矢島卓郎を投入する準備を終えていた。
ジュニーニョからパスを受けた伊藤が中村憲剛につける。その中村の視線によるフェイントに大宮ディフェンス陣がギャップを作ると、そこに鄭大世が走り込み、中村からのラストパスが入る。GKと1対1になった鄭大世がこれを確実に流し込んだ。
もともと川崎Fが攻勢を取っていた後半は、この同点ゴールによって完全に川崎Fペースに。後半の大宮のシュートは1本。対する川崎Fのシュート数は12本に上っていた。
ペースをつかみ、シュートを打ち続けていたとしても無得点に終わるということは多々ある。今季の川崎Fがそうだったからだ。そんなもどかしい展開を打開したのが、76分に交代出場していた井川祐輔である。CBのポジションに入っていた井川は、引いて守る大宮に対し87分に思い切って攻撃参加。森勇介からの折り返しをダイレクトでクロス。ファーサイドに走り込んだ谷口が「どこに当たったかは覚えていない」というヘディングシュートで逆転ゴールを決める。ヒートアップする川崎Fは、その1分後にもジュニーニョがゴールを決め3点目。試合を決した。
関塚監督自ら「2年間勝っていなかった」と強調したこの対戦は川崎Fが底力を見せて逆転勝利。守備的な相手を前に、今季初めて勝点3を手にしている。
対する大宮は交代采配のミスも重なって今季初黒星を喫することとなった。
以上
2009.04.19 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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