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【J2:第9節 水戸 vs 横浜FC】プレビュー:勝つ喜びを知ったからこそ勝利を欲する水戸と、負ける悔しさを味わったからこそ勝利を欲する横浜FC。勝利への熱い思いが激突する。(09.04.17)

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4月19日(日)J2 第9節 水戸 vs 横浜FC(13:00KICK OFF/水戸
スカパー!生中継 Ch182 12:50〜(解説:遠藤雅大、実況:上野晃、リポーター:佐藤愛美)
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「富山戦の勝ちは大きい」。監督、選手はそう口をそろえた。2試合連続してリードを守りきれず、引き分けに終わってしまっていただけに「なんとしても勝ちたい一戦であった」と木山隆之監督は振り返る。富山戦でも1点リードしながらも過去2戦の経験から「リードするとどこかぎこちなくなってしまう」(木山監督)悪癖が出てしまい、後半に同点に追いつかれてしまう。その後、富山に押される展開となったが、なんとか耐えしのぎ、逆に試合終了間際にセットプレーから荒田智之が押し込んで値千金の決勝ゴールを挙げたのであった。

中でも満面の笑みを見せたのが、「草津戦で自分のミスで連勝を止めてしまって責任を感じていた」と話す大和田真史だ。「富山戦は個人的に大事な試合だったし、プレッシャーがあった」と本音を語る。それだけに「内容よりも勝ちにこだわった」(大和田)試合であった。後半、相手に攻め込まれながらも大和田は体を張った守備でゴールを死守。その踏ん張りが荒田のゴールへとつながったのである。チームとしても、個人としても「嫌な流れを自分の手で断ち切った」(木山監督)勝利だけに「本当に勝ててよかった」と大和田は胸をなでおろした。

ただ、決してもろ手を挙げて喜べる勝利ではなかったことも確かだ。「内容はよくなかった」と荒田は渋い表情を見せる。「チーム全体の運動量が少なく、DFとFWの距離が開きすぎて、中盤で展開ができなくて単調な攻撃になってしまった。攻め手がなかった」と高崎寛之が言うように、ここ数試合攻撃の単調さが目立つ。2トップへのロングボールが多く、中盤でのパスワークが影を潜めてしまっているのだ。

その理由は2つ考えられる。1つは強力な2トップを擁していること。もう1つは疲労による運動量の低下だ。「富山戦は体が重くて動けなかった」と菊岡拓朗が振り返るように、1人1人のボールをもらう動きがないためにロングボールに頼らざるを得なくなってしまった。高崎と荒田の2人がしっかりボールをおさめられることで相手に脅威を与えているが、決してそれは水戸の目指すサッカーではないはず。「ロングボールばかりでは攻撃するのは難しい」と高崎が言うように、しっかりポゼッションをしながらロングボールを織り交ぜていくことが求められる。9日間で3試合目という厳しい日程の試合となるが、「疲れているからといって走らないわけにはいかない。そこを失うとウチはただのチームになってしまう」と木山監督は語る。人も動き、ボールも動き、そしてゴールを狙う。今節はそんな水戸らしいサッカーを取り戻して勝利をおさめたい。そして、本物の攻撃サッカーで笠松に集まるサポーターを魅了してくれることに期待したい。

対する横浜FCはいまだ未勝利で最下位に低迷しているが、「順位は関係ない。力のあるチーム」と木山監督は見ており、「技術も経験もある選手が揃っている。内容もよくなってきているし、難しい相手」と警戒を強めている。前節甲府戦では果敢にプレスをかけて主導権を握る戦いを見せた。甲府の完成度の高いサッカーに力負けはしたものの、チームとして光明が見えた試合であった。

ただ、昇格を目標に掲げるチームとして現在の順位があまりにもふがいないのは確かだ。なぜ、現状を招いてしまったのか。甲府戦前に早川知伸が語っていた言葉からその一因がうかがえるかもしれない。「後ろから見ていてチームとして戦えていない。まだこじんまりしている。選手として『戦う』のは最低限だけど、それができていない」と厳しい言葉を並べた。そんなチームの中で早川自身の熱気に帯びたプレーは異彩を放っている。前々節岡山戦では守備だけでなく、ゴールを決めるなど攻撃面でも大きく貢献。結果の出ないチームの中で絶大な存在感を見せているのだ。「今年はとにかく熱いプレーをしようと思っている。みんなに『戦え!』と言ったところで戦えるわけではない。まずは自分が戦う姿勢を見せることが大切。そうすれば、みんなついてくるはず」と語る早川。06年には横浜FCで奇跡のJ1昇格を、そして昨年は千葉で奇跡のJ1残留を経験した当事者だけに、語る言葉に重みがある。

そんな早川の思いがチーム全体に見えはじめたのが、前節の甲府戦であった。06年の昇格メンバーである鄭容臺が加入後初先発を果たしたこともあり、チーム全体から戦う姿勢がみなぎっていた。結果こそ出なかったが、チームとして何かつかんだ試合だったに違いない。今節はそれを結果につなげることが、最大であり最低の使命と言えよう。早川は前述の厳しい言葉の後にこう口にした。「僕はこのチームに可能性を感じているし、魅力を感じている。何かきっかけをつかめれば、絶対にうまくいくと思っている。長いシーズンいいときも悪いときもある。悪いときが最初に来たと思ったら安いものですよ。まだまだ何もあきらめていませんよ」。今節は、是が非でもその“きっかけ”をつかみたい一戦だ。

「結果は出てないけど、逆に勝ちたいという気持ちが強くなってモチベーションはかなり高まっています」と片山奨典が語るように勝利に飢えた横浜FCが怒涛の勢いで水戸に襲い掛かってくることは容易に想像ができる。それ以上の勢いを水戸は見せなくてはいけない。「受けに回ると負ける。とにかくアグレッシブに常に先手を取る戦いをしたい」と菊岡は鋭い口調で語る。気持ちの勝負で水戸は負けるわけにはいかない。

勝利の味を知ったからこそさらに勝利を欲する水戸と、1つの勝利のために全エネルギーを注ぐ横浜FC。ともに1勝にかける熱い思いを胸に挑む一戦。その温度が高いチームが勝利を手にするはずだ。一瞬の隙も油断も許されない。4月19日、笠松は、観る者すべてがまばたきすることさえ忘れてしまうような緊迫感に包まれることとなるだろう。

以上

2009.04.17 Reported by 佐藤拓也
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