4月18日（土）J2 第9節 愛媛 vs 草津（13:00KICK OFF/愛媛）
スカパー！生中継 Ch182 12:50〜（解説：大西貴、実況：三宅きみひと、リポーター：重橋秀香）
☆顔写真クイズ｜勝敗予想ゲーム

----------
今節、ニンジニアスタジアムで対戦する愛媛と草津。共に開幕3連勝を果たし、好スタートを切りながら、その後は5試合勝利から遠ざかり我慢を強いられる試合が続いている。愛媛も草津も勝点を落としたその5試合では、全て1点に泣いた。その結果を一つ一つ振り返れば、決して悲観すべき内容ばかりではない。ただ奇しくも、共に開幕から3試合で8得点という高い得点力で白星を重ねていたものの、その攻撃にかげりが見え始めたことが接戦で勝ち切れないひとつの原因となっているようだ。

特に愛媛に関しては第4節の熊本戦、開始5分にアライールがゴールを決めて以来、得点がない。実に445分間ゴールを決められていない、もどかしい試合が続いている。「最初の何試合かは速い攻めで上手くいっていたが、最近は守られていた印象だった」と指摘するのは怪我から復帰し、前節の福岡戦で6試合ぶりのスタメンを果たしたFW大木勉。奪ってから一気にゴールを目指す愛媛の速い攻撃には、当然各チームが対策を講じてきた。そして、しっかりとブロックを作ってきた相手の守備を崩すことができないまま、シュート数も二桁に乗るか乗らないか、といった状況が続いている。

福岡戦では愛媛が開始早々で失点を許したことで、福岡がリスクを冒してまで前に出てくる必要がなくなった。愛媛にとっては自らやりにくい状況にしてしまった試合だったが、その状況を差し引いても、ポゼッションから守備を崩してゴールを目指す狙いは90分間を通して貫き通せた。その試合を振り返り、FW田中俊也も「ゲームの入り方をしっかりすれば戦える。（前々節の）栃木戦よりはよかったし、もう少しチャンスを増やすことができれば得点も取れる」と手ごたえを口にした。「ゴール前で前を向き、そこでファールをもらうようなプレーも増やして欲しい」と望月一仁監督は語るが、ようやくゴール前までボールを運ぶ回数が増えてきた愛媛の選手たちに必要なことは、そこでよりシュートへの高い意識を持つこと。速攻、サイド攻撃に加え、くさびを入れながら相手を崩す攻撃のイメージは共有できつつあり、あとは決めるだけというところまでは間違いなく来ている。

その愛媛と同じように、草津も攻撃には課題を残している。ただ、「草津にはポゼッションやサイドが上がってきて都倉賢に合わせる形がある」と望月監督が指摘するように、現在5得点で得点ランキング首位に立つゴールゲッターの存在は大きい。前節も自らが得たPKを決めているが、ゴール前でボールが入れば一人で打開できる力もある。FW高田保則が負傷欠場した前節の札幌戦では、後藤涼がスタメンに名を連ねていたが都倉が落としたボールを拾い決定的な場面も作り出した。ゴールが減っている草津とはいえ、都倉の強さ、後藤の速さ、あるいは熊林親吾や廣山望がゲームを組み立てる攻撃サッカーにブレはない。愛媛と同じく、ひとつキッカケを手にすれば再び上位に食い込む力はある。

今節は「修正のトレーニングができないので人を変えるしかない」と望月監督が語る、中2日のハードスケジュール。両チームにとって勝てない試合が続いても、悩んでいる暇もない。そして、「草津には絶対に勝たなければならない」と田中俊也が意気込みを語るように、例え厳しい日程でもこのカードは必ず激しい試合になる。だからこそ、よりゴールへの強い欲求を示した方が、現状を打破する勝点3を手にするだろう。

以上

2009.04.17 Reported by 近藤義博