4月18日（土）J1 第6節 川崎Ｆ vs 大宮（16:00KICK OFF/等々力）
スカパー！生中継 Ch180 15:50〜（解説：都並敏史、実況：田中雄介、リポーター：高木聖佳）
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　タイトルを目標として3年目になる川崎Fにとって厳しい状況が続いている。前節の清水戦は1失点を挽回できずに惜敗。5試合を終えていまだに勝ち星は1つのみ。順位も13位と低迷している。タイトル取りに向けて少なくとも連敗は避けなければならないところだが、今節対戦の大宮とはどうにも相性が悪い。鮮烈な記憶として今でも脳裏に焼きついているのが、昨季第13節の2-0からの逆転負けである。特に3失点目はありえない位置からのロングシュートを決められたことで多くのサポーターの記憶に残っているのではないかと思う。リーグ終盤の第31節でのアウェイマッチでも破れ、同一カード2連敗。どことなくいやなイメージが漂う相手である。

　ただし今季は両チームとも監督が交代しており、相性という点では未知数という部分もあるにはある。しかし2月に宮崎で行われた練習試合では0-4と大敗。大宮のタテへ早いサッカーにまったく対応できないまま、完敗する結果となっている。

　この2月の対戦時に特徴的だったのが、2列目から飛び出し、ラインの裏を破る動きである。前半の3失点はすべて川崎Fの最終ラインを破られてのもの。いわゆるチンチンにしてやられた失点だった。

　このキャンプ中の練習試合での内容はもちろん、ここまでリーグ戦を5試合終えて、負けがないのは大宮のみ。堅い守りとすばやい攻めが特徴的な大宮を相手に難しい試合が予想されるが、希望がないわけではない。

　大宮の守備ブロックの作り方は、AFCチャンピオンズリーグで対戦したセントラルコースト・マリナーズ（オーストラリア）の手法に似ている部分がある。ご存知の通りマリナーズ戦で川崎Fは5ゴールをたたみかけ完勝。大宮は相手によってラインの設定を柔軟に変化させてきたチームではあるが、マリナーズ戦の戦い方が応用できる可能性は高いと見ている。また、2月の練習試合で裏を取られ続けた最終ラインは、ここ数試合でかなり完成度を上げており、マリナーズ戦以降は思い切ったラインコントロールを見せていた。中盤で一度ためを作り、スペースへと飛び出してくる大宮の攻撃にどこまで対応できるのか、見所のひとつとなりそうだ。

　川崎Fは、ACLを含めた過密日程が一時的に緩和。代表でのW杯予選での戦いもあり体調不良を訴えていた鄭大世を含め、万全の態勢で試合に臨むこととなる。

　対する大宮は、前述の2月の練習試合で2ゴールを決めた市川雅彦がG大阪戦の試合中に第5中足骨を骨折するアクシデントに見舞われており、懸念材料となっている。ただし、その同じ試合で市川に代わりデニス　マルケスが復帰し決勝点をマーク。この試合から先発に復帰した小林慶行と共にケガから癒えた姿を見せており、メンバーがそろってきている。

　共にいいコンディションで臨むこの試合は、お互いをスカウティングした内容をどれだけ試合に反映できるのかがポイントとなる。川崎Fにしてみれば、マリナーズ戦でできていた組み立てを再現できるかどうか。大宮は、川崎Fの最終ラインを何度切り裂けるのか、というところに見所が出てくるだろう。選手の戦術理解度が試される試合になるとも言えそうだ。

以上

2009.04.17 Reported by 江藤高志