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【スカパー!のJリーグ中継の裏側に迫る!倉敷保雄氏編 Vol.3】多感な時期を迎える17歳のJリーグ(09.04.15)

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スカパー!をメインにJリーグ、海外のサッカー中継の実況アナウンサーとして活躍する倉敷保雄氏。日本、ヨーロッパ、南米など多様な国のサッカー文化に触れてきた同氏に各国の美点と、日本サッカーの現状、目指すべき方向性について伺った。

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J's GOAL(以下J's):前回のインタビューのなかで「国ごとにそれぞれのサッカー文化がある」というお話がありましたが、17年目を迎えたJリーグのサッカー文化についてはどのようにお考えですか?

倉敷氏(以下:倉): 17年は長いようですが、海外に比べるとまだ歴史が浅く、自分たちの独自の文化を探している時期というのが率直な感想です。これから文化としてしっかりと根付いていく段階ですね。人間で言えば17歳の高校生、ここで何を学んでいくかが将来を大きく左右すると思います。

とはいえ、ベースは出来上がりつつあるように感じます。93年のJリーグ開幕当初は、クラブによってブラジル色だったり、ドイツ色だったり、アルゼンチン色だったりと色々な国のカラーがあって、色分けされていましたよね。そのなかでも、ブラジルから帰ってきたカズ(三浦知良)選手が在籍した東京V(当時:川崎V)や、世界的なスターのジーコを擁した鹿島が非常に強かったので、ブラジル色が濃かったと思います。代表的な例がポゴダンス。ゴール裏でサポーターがジャンプして踊って観戦するお馴染みのスタイルです。あれは南米の文化であって、ヨーロッパにはないんです。

J's :クラブ経営はヨーロッパを模範としていても、サポーターの文化はブラジルよりだったんですね。

倉:ええ。どの国についてもいえることですが、ブラジルの文化にも見習うべき面と反面教師にすべき面があります。ブラジルだけでなくヨーロッパも含めてたくさんの国の文化を吸収して、Jリーグ独自の文化を築き、それが世界に誇れるものであって欲しいです。たとえば、ドイツのブンデスリーガは観客がとても多いんですね。昨今の世界的な不況下でさえ、観客を増やし続けています。なぜかというと、観客に対するポスピタリティ、もてなしの心がとても強いんです。親子でスタジアムに観戦に行った場合、ブンデスリーガは安全面が徹底されているので、親がずっと子供の心配をしなくても大丈夫。子供と一緒に来て、ビールを飲んでいるサポーターもたくさんいます。暴れる観客はスタジアムから排除されているので、親は安心なんです。一方で、スタジアムの安全が確保されていないと、親は子供から一時たりとも目を離せません。そんな場所に子供を連れていきたくありませんよね。

J's :はい。子供を連れていけないと、子供を放って自分だけではスタジアムに行きにくいですね。スタジアムから足が遠ざかりそうです。

倉:そうですよね。安全が確保されていないスタジアムは観客が減少します。Jリーグのスタジアムは比較的安全ですが、ブンデスリーガを参考に更に親子で安心して楽しめる文化を築いて欲しいです。ピッチレポーターの大半が女性というのは日本独自の文化ですね。ファミリーで通いやすい安全なスタジアムのイメージに一役かっていると思いますよ。

J's :逆にここは見直すべきだという点はありますか?

倉:ピッチに選手が倒れているときの反応です。Jリーグの場合、相手チームの選手が倒れていると、「早く立て!」とブーイングを浴びせることがよく見られます。これは南米の文化。イングランドのプレミアリーグは、倒れている選手が起き上がったら相手チームでも拍手を送るんです。小さな子供が大人と一緒になって罵声を浴びせるスタジアムではなく、いいプレーをしたら味方であれ敵であれ、大きな拍手を送る文化がいいですよね。スペインリーグもそうですが、プレーに対して観客が素直に反応するからこそ、選手も頑張って更にいいプレーを目指すし、スタジアム全体として盛り上がるんです。Jリーグもそうあって欲しいと思います。

J's :いまは海外リーグが気軽に見られるようになったので、お手本はいくらでもありますね。

倉:はい。僕のように海外リーグも担当する実況アナウンサーは、Jリーグが参考にすべき点をできるだけたくさん拾って伝えたいと思っています。この意味でスカパー!は、海外のサッカー文化とJリーグのサッカー文化をつなぐ架け橋としての役割を担っていると考えています。

17歳の多感な時期にJリーグが何を学び取っていくかは、今後のサッカー文化を形成するうえで非常に重要です。ここで間違った方向に進んでしまうと、もう取り返しがつかないかもしれない。ただ、日本は経済の面でも世界から遅れていたにも関わらず、急成長を遂げて世界有数の経済大国になれたように、サッカーでも世界屈指の文化を育てられると信じています。その実現に向けて、私も視聴者、サポーターと一緒に尽力していきます。

【編集部より】
3回にわたり、実況アナウンサーの倉敷保雄氏のインタビューをご紹介した。同氏の言葉にもあったように、日本のサッカー文化を築いていくのは、選手だけでなくサポーターやレフェリー、実況アナウンサーなど多くの人たち。全員が主役といえる。一人ひとりが主体者意識をもってサッカーと関わることが重要だろう。今後もビジョンを持ってサッカーに携わる人たちを紹介していきたい。

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