■Jリーグ全試合生中継!感動のシーンを見逃さないためにもスカパー!で愛するクラブを応援しよう!
J's GOAL(以下J’s ):倉敷さんの実況が忘れられないというサポーター・ファンも多いようです。特に2008年度のJ1/J2入れ替え戦の第2戦目、終了後の「ギスギスしたリーグが世界にはあります。だけど自分たちのJリーグというものはこれでいいんじゃないかな、と思います」というセリフはまだ記憶に新しく、印象的なものでした。
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倉敷氏(以下:倉):あのときは目の前に見えているものが、とても感動的な光景だったのがうれしくって、それをそのまましゃべっただけなんです。負けて悔しくて涙を流しているサポーターが、勝ったチームに声援・拍手を送れる。素晴らしいことじゃないですか。スカパー!ではJリーグだけじゃなく、世界各国のプロサッカーリーグの中継をしていて、「Jリーグもこうなってくれたらいいな…」と感じていた光景がスタジアムにあったんです。
サッカー、スポーツの感動というのは、すべて現場で生まれると思います。もちろん、事前の演出や取材も重要ですが、それだけに頼ってはいけない。情報に関して僕がよく使う喩えがあって、試合開始前に集めた情報っていうのは、冷えたスープだと。温めなおして飲めるものもあるかもしれないけれど、基本的にはお客様にはお出ししない。スタジアムの現場で出来立てのスープを提供する。これが本来の中継のスタイルだと考えています。
だから、現場で実況アナウンサーを務める僕の役割は、その感動を可能な限り拾って視聴者にきちんと届けること。とにかくすべてのボールを追い、ありのままの姿を伝えるようにしています。実況アナウンサーは“ボールの僕(しもべ)”なんです。
J's :“ボールの僕(しもべ)”、倉敷さんならではのセリフですね。もう少し詳しく聞かせてください。
倉:サッカーという王様に皆が仕えている。実況アナウンサーだけでなく、クラブ関係者も選手も、そしてサポーターもそうです。少し表現を変えるとすれば、サッカーという主人公を引き立たせるための黒子です。たとえば着物の裾を持って歩いたり、見栄えがよくなるように後ろからライトを当てたりとか、サッカーという主人公のために動くんです。
J's :なるほど。それぞれが自分の役割を果たすことで、サッカーの魅力が高まるんですね。一方で、倉敷さんだからこそ語れるという面もあるのではないでしょうか。
倉:ボールを追って、選手名やプレーを正確に伝えるのがもちろん基本ですが、自分自身がつまらなくなるのが嫌だなと。実況をしている自分が楽しくないものが、視聴者にとって楽しいわけないと思います。パッと空白ができたときには、自分の経験に基づいて視聴者に伝えたいメッセージを届けるようにしています。視聴者にとっては、ときにはちょっと砕けすぎに聞こえることもあるかもしれませんが、それは許してねと。もちろん、僕なりの楽しみ方を押し付けてもいけないから、バランスはちゃんと意識していますよ。
J's :ボールの僕(しもべ)としての役割と、倉敷さんらしさがうまく融合して入れ替え戦の実況が生まれたんですね。
倉:あのときは「Jリーグやるな」と心から思いました。海外の友人にも「日本のJリーグはこんなにすごいんだ」と自慢したいですね。メディアも世界中に発信して欲しいです。世界中が「なぜだ!?」とびっくりしますよ。ああいう光景は、世界中でも日本独自のサッカー文化だと思います。Jリーグも17年目のシーズンに入りました。人間で言えば子供から大人へ変わっていく多感な時期です。将来を決めていく重要な時期でもあります。あのような感動的な光景を見られたことで、Jリーグやるな、いいところまで来てるなと思いました。そして17年目のJリーグにはもっと期待したいと思っています。スカパー!も今年でJリーグ全試合生中継をするようになって3年目。私としては、スカパー!も実況のアナウンサーも、もっともっとチャレンジをしていってもいいと思っています。
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